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15日、文部科学省は、『全国学力・学習状況調査における中学校の英語の実施に関する中間まとめ』を発表しました。平成31年度から、英語の「4技能」に関する調査を中学3年生を対象に導入するとしたもので、具体的には以下のような調査が実施されることになるようです。
●調査時間:
「聞くこと」「読むこと」「書くこと」で45分程度、「話すこと」に10分程度。
●実施方法:
「聞くこと」は音声による一斉実施でマークシート方式、「読むこと」はマークシート方式、「書くこと」は記述式、「話すこと」は教員による対面式。
また、今回の調査では、以下のような観点が問われるようです。
「聞くこと」
・事前に与えられた状況設定及び視覚・音声情報から求められている
課題を解決する力
・英文や対話を聞いて、概要や要点を把握する力
「読むこと」
・英文や英語で書かれた簡単な資料を読み、必要な情報を引き出し
たり、概要や要点を把握したりする力
「話すこと」
・身近な話題について、与えられた質問に対して、自分の考えや気持ち
などを話して相手に伝える力
(聞いたり読んだりして得た情報について話して伝える技能統合型の
出題を含む)
「書くこと」
・身近な話題や社会的に関心の高い話題について、自分の考えや気持ち
などをその理由や具体例とともに書いて表現する力
(聞いたり読んだりして得た情報について書いて伝える技能統合型の
出題を含む)技能統合型:2技能以上を統合的に活用
聞いたり読んだりして得た情報(英文や図表など)について、その概要や要点を適切に把握す
るとともに、自分の意見を話したり、感想、賛否やその理由などを話したり書いたりする力
「4技能」それぞれについての力を測ることのほか、2つ以上の技能を統合的に活用できる力を測ることも謳われています。これは近年、高校入試でも少しずつ導入が始まってるようにも感じます。
昨今、大学入試等で「4技能」を問うことになった流れなどから「4技能」という言葉を頻繁に聞きますが、実は以前から、「4技能」を測る試験は他にもありました。
●TOEFL
高等教育機関において英語を用いて学業を修めるのに必要な英語力を有しているかを測ることを目的とする。
●Cambridge English
英語圏における日常生活に必要とされる実践的な英語力があるかを評価する。
●TEAP
EFL環境の大学で行われる授業等で行われる言語活動において英語を理解したり、考えを伝えたりすることができるかを評価する。
しかしこれらの試験は、難易度や費用などの面から、中高生に広まっているとは言えず、これまでの日本の英語教育においては、「4技能」の伸長に貢献してきたとは言えない状況です。
大学入試の変化や今回の学力調査実施で、日本の英語教育は変化していくのでしょうか。今後の動きをしっかりと見ていきたいと思います。
- 英語4技能試験情報サイト
http://4skills.eiken.or.jp/
