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公立小中学校のトイレの状況調査結果 ― 文科省
和式トイレは不人気?
教育zine編集部川南
2016/11/30 掲載

 10日、文部科学省のホームページにおいて、公立小中学校施設のトイレの状況調査の結果についてが発表されました。これは、平成28年4月1日時点での全国の公立小中学校のトイレの状況(和式トイレと洋式トイレの割合)と、今後のトイレ整備方針を調べてまとめたものです。

■調査結果

 公立小中学校のトイレは、現状は半数以上が和式であるものの、今後の整備方針としては、「和式よりも洋式を多く設置する」と回答した学校設置者が約85%に上りました。

・公立小中学校におけるトイレの全便器数は約140万個であり、そのうち洋便器数は約61万個(43.3%)、和便器数は約79万個(56.7%)であった。
・トイレ整備に対する教育委員会の方針を聞き取ったところ、各学校で和便器よりも洋便器を多く設置する方針の学校設置者が全体の約85%であった。

 都道府県別の詳しい状況を見てみると、和式より洋式の方が多く設置されているのは6都道県にとどまっており、特に東北や西日本において洋式率が低いという結果でした。

■和式トイレは不人気?

 自宅のみならず、駅や商業施設などでもトイレの洋式化が進んでいる昨今、和式トイレの使い方がわからない子供たちが増えているそうです。最近では、小学校入学前に2度目の「トイレトレーニング(=和式トイレを使う練習)」をするご家庭も増えているんだとか。
 「使い方がわからない」という理由のほかに、子供たちが和式トイレを苦手としている理由のひとつに、「しゃがむことができない」というものがあります。筋力の低下により、しゃがむことや、しゃがんでバランスをとることができない子供が増えているのだそうです。
 学校では、子供たちが和式トイレを避け、洋式トイレに行列ができてしまったり、和式トイレが苦手なあまり、トイレを我慢してしまったりする子供もいるのだそうです。せっかくの休み時間がトイレの順番待ちで終わってしまうのも困りものですが、トイレを我慢してしまうというのは、子供たちの健康を考えると、とても深刻な問題です。

我慢

■学校のトイレの今後

 トイレの環境は、子供たちが快適に学校生活を送る上で重要な要素のひとつだと思うので、今後、多くの学校で洋式化が進み、子供たちが安心してトイレを利用できるようになると良いなと思います。
 しかしながら、全国の小中学校でトイレの整備が行き届くには、まだまだ時間がかかるように思います。また、学校のトイレの洋式化が進んだとしても、和式トイレを使う機会が完全に無くなるわけではありません。いざというときに和式トイレも使えるように、学校のトイレで慣れておくことも必要なのではないでしょうか。

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