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SDGsを支える学習、授業に採り入れていますか?
教育zine編集部藤田
2019/10/31 掲載

 先月24日から2日間、国連本部において初めて「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマに掲げた「SDGサミット」が開催されました。このサミットに出席した安倍首相は、過去4年の実績を紹介する演説のなかで「持続可能な開発のための教育(ESD)の推進」などに言及しました。具体的な取り組みとしては、学校や自治体、民間企業など様々な団体の優良事例を表彰する「ジャパンSDGsアワード」などが紹介されていましたが、みなさんの学校や地域でも、SDGsに向けた取り組みやESDは採り入れられているでしょうか?

SDGsとは?

 そもそもSDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成された行動計画です。
 2015年、国連に加盟するすべての国が、SDGsについて記載された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を全会一致で採択しました。このアジェンダは地球上の誰一人として取り残さないことを誓い、加盟国が一丸となって2030年までにSDGsの目標の達成を目指しています。

 「持続可能な開発」というと気候変動やエネルギーなどの環境面の課題を想起しやすいかもしれませんが、17のゴールのなかには、ほかにも貧困、教育、ジェンダー、雇用、生産と消費などが掲げられています。

SDGsを支えるESD

 SDGsの達成のためには、冒頭の安倍首相が述べた「持続可能な開発のための教育(ESD=Education for Sustainable Development)」の学校現場への浸透が必要とされています。

 文科省のESDポータルサイトによると、ESDとは、

地球規模の課題を自らの問題として捉え、一人ひとりが自分にできることを考え、実践していくことを身につけ、課題解決につながる価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動

とされています。

 さらに、文科省が作成した「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引」によると、年々深刻化していく地球規模の課題に対して、環境の側面だけではなく、社会、経済、文化の関係性を考慮した総合的な学びを実生活や社会の変容へつなげることがESDの本質である旨が記載されています。

ESDと新学習指導要領

 小・中学校の新学習指導要領においても、ESDが現行指導要領よりいっそう重視され、各教科学習などにも関連する内容が盛り込まれました。
 日本ユネスコ国内委員会のまとめた抜粋によると、新学習指導要領の前文と総則にESDが掲げられているほか、教科学習では、主に小学家庭道徳、および中学社会理科技術・家庭で採り上げられています。

 ただ、ESDは必ずしも新しい内容を扱うものではなく、環境、エネルギー、国際理解、人権、消費者、防災、教育、食育などに関する学習をESDの観点から見直すことで実践できるとされています。

ESDの実践を助ける教材や資料

 ESDに関する教材や資料は、国連広報センター、文科省や外務省などの省庁、教科書会社、さらに民間企業など、さまざまな組織から無償で提供されています。以下にESDの実践に使える教材や資料を提供しているWebページやポータルサイトをご紹介します。

国連広報センターの「2030アジェンダ」ページ
 SDGsを広めるためのプレゼンテーション用のパワーポイントスライドや、2019年のSDGs達成状況報告のインフォグラフィックスによる概要、ほかにも動画教材を集めたページなどがあります。

日本ユニセフ協会のSDGs副教材ポータルサイト
 授業で配布できるSDGs学習の資料プリントやワークシートなどの副教材を提供しています。

ユネスコスクールの「教材ルーム」ページ
 SDGsに関わる数多くのパンフレットや書籍などを集めて紹介しています。ユネスコスクールは、ほかにもサステイナブルスクール(ESD実践校)の取り組み紹介や、国内外のユネスコスクール加盟校との交流促進活動などを行っています。

文部科学省のESDポータルサイト
 ESDを面白く学べるストーリーブック『ESD QUEST』や子ども向けライブラリー、文科省が主催・後援している子ども向けイベントの紹介などがあります。

東京書籍株式会社のEdu Town SDGs
 SDGsを学べる子供向けのWebサイト。「学びをつなげる環境教育」のページでは、各教科等の学習内容をESDの視点で見直し,単元とESDをひもづけて紹介しています。

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