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1 インフルエンザのピークに向けて、学校で取り組める予防
インフルエンザは、時に命に係わる感染症であり、その感染の場に学校がならないようにするためにも、インフルエンザ対策は学校の危機管理の一つと捉え、校内マニュアルを作成し、教職員の共通理解を得ることが重要になります。
マニュアルの内容は、
(1) 健康観察のポイント及び欠席人数と欠席理由の把握
(2) 蔓延対策※資料1
(3) インフルエンザ罹患の連絡が入った後の対応
(4) 出席停止期間の確認
(5) 学級閉鎖措置のタイミングと手順
(6) 関連資料(様式集)
で成り立っています。

資料1
<蔓延対策としての保健委員の取組>
基本的なインフルエンザ予防対策についての指導は学級担任が行います。私が小学校勤務の時は、養護教諭として発育測定の時間に指導をしていましたが、現在の中学校では、生徒による保健委員会を機能させています。例えば、保健便りを発行した際、その解説を各クラスの保健委員が行います。解説の中には、毎回クイズを入れたり、実際に動作を取り入れたりしながら、生徒の興味を引くような最新情報を盛り込んでいくことを心がけています。本年度の保健委員会では、「インフルエンザかかりま宣言」と題し、有効な予防方法について協議し、全校で取り組む3つの行動計画を決めました。本年度は学校全体で「睡眠」についての取り組みをしていることや、3年生は保健学習「感染症の予防」について学んだ知識を生かし、「質の良い睡眠をとり、免疫力を高めます」という内容も盛り込みました。さらに、クラスで独自の活動を実践する「予防アクション+1」では、「あいうべ体操」に取り組むクラスも出てきました※資料2。これらが紙上だけの予防対策に留まらないように支援していくことが重要となります。
小学校では、休み時間や清掃後に、放送によるうがい手洗いの呼びかけをしていました。「うがいでSTUDY!」のタイトルの下、手洗い場の天井に語呂合わせ日本史や理科の化学式を書いたものを貼り、うがいの行動化を促す試みをしています※資料3。

資料2

資料3
その他の活動としては、以下のようなものがあります。
・ハンカチを手洗い用と咳エチケット用の2枚を持たせる
・ハンカチチェックの実施
・咳エチケット、正しいマスクの付け方 等
<環境整備>
手洗いは固形石鹸よりも泡タイプのもので洗う方が効果的だということを知り、校内の石鹸は全て泡タイプのものに切り替えました。また、各クラスに手指用消毒液を配布し、給食前に保健委員が全員に噴霧し、予防意識の啓発を図っています。
熱中症対策で、全国的にエアコンの設置が進められていますが、それに伴う教室環境の管理については学校薬剤師と連携し、指導を仰ぎながら進めていきたいと思います。また、それに付随して、加湿器・空気清浄機等の計画的購入の必要性も感じています。
2 隣のクラスが学級閉鎖になってしまったら? ピーク時の対応
ピーク時には、健康観察がより重要になります。欠席者数の把握だけでなく、登校している生徒の健康状態の把握は、普段より慎重に行う必要があります。体調不良を抱えながら登校している生徒には、重症化を防ぐためであること、蔓延を防ぐためであることを理解させたうえで、早めに帰宅措置を取るようにします。
健康観察結果のまとめも迅速に行い、欠席者や保健室来室者が増えた時には、管理職や教務主任・学年主任等と対応について協議し、速やかにその結果を学年職員や給食担当者など関係職員に伝えます。また、兄弟関係での感染などにも注意を払わなければならないため、校区の小学校との情報交換を密にしたり、毎日、市教委のホームページにアップされる市内の学校の流行状況を閲覧したりして、情報を収集するように心がけています。
学級閉鎖や下校を早める場合は、保護者へお知らせの文書やメール配信をし、インフルエンザ罹患状況と家庭での過ごし方について理解と協力を得るようにします。特に、帰宅後の不要不急の外出は極力控えるように指導するとともに保護者の協力も得るようにします。
また、流行時には、集会等は放送を利用するなど接触の機会をできるだけ必要最少限に抑えるようにします。
3 出席停止・学級閉鎖後の子どものケア
インフルエンザによる出席停止が解除され、登校した生徒の体育や部活動の参加については配慮が必要です。出席停止期間中に体力は低下します。十分な体力の回復が見込まれてから、通常の活動に参加するよう教職員の共通理解と周知が必要だと思います。
また、学級閉鎖をした学級に対しても、インフルエンザが終息するまでは引き続き予防行動をとるように指導をしていく必要があります。インフルエンザは、その冬一度罹患すれば二度は罹らないというものではないため、本校でも本年度の重点課題である「質の良い睡眠」指導に関連付けて生活習慣を整え、免疫力を低下させないように指導していきたいと思います。
