発問上手になるために知っておきたい3つのこと
2023/12/1 掲載
- 教育オピニオン
- 授業全般
1 発問のポイント
発問とは,授業中に教師が行う意図的な問いかけのことをいい,授業構成の核となる重要な指導技術です。適切な発問は,子どもたちの充実感・達成感を育み学習意欲を高めることにもつながります。
以下に、発問の効果についていくつかご紹介します。
- 理解度の確認…発問を通じて子どもたちの理解度を確認できます。
- 授業参加の促進…適切な発問を選択することで全員が参加しやすい授業になります。
- 思考の促進…子どもたちの思考を刺激し、深い理解を促進します。
- 気づきの促進…適切な発問は子どもたちの新たな気づきにつながります。
- 多面的・多角的な視点の拡大…発問を通じて問題を様々な視点から考えさせます。
- 集中力の向上…発問によって子どもたちの集中力が高まります。
※図1
2 全員参加型発問
発問は,易しいものから難しいものまで段階的に進めます。まずは,簡単な質問から始め、すべての子どもが参加しやすい雰囲気を作りましょう。例えば、題名はなんですか?何色?何がみえる?筆者は?この図形の形は?といった発問から全員を授業参加へと導く手立てとします。
その他、クローズドクエスチョンもおすすめです。クローズドクエスチョンとは,閉じた発問いわば,「はい」か「いいえ」で答えられる質問です。
- 筆者の名前は〇〇ですか?
- 俳句は5・7・5ですか?
- 8×5=40ですか?
- 都道府県は47個でいいですか?
- 昆虫は6本の足がありますか?
これらのようなクローズドクエスチョンで発問することによって子どもたちは答えやすくなります。
3 多視点発問
発問には様々な手法があります。教師がその手法を理解し,どの発問が授業の流れや子どもの実態と合っているかを鑑みながら,ねらいをもって発問をつくることが重要です。特に多視点発問は全員の参加を促進し、学習を深めるのに役立ちます。以下は、10の異なる視点に焦点を当てた多視点発問の手法です。
- 選択…選択させることで子どもたちが発問に答えやすくなります。
- 実物…実物から発問することによって学習意欲が増します。
- 仮定…仮定することで子どもの思考が広がります。
- 段階…段階に沿って発問することで子どもの思考に沿った発問ができます。
- 優先…一番を発問することによって,比較した考えを促します。
- 全容…内容理解に役立てます。5W1Hで発問することがおすすめです。
- 偏差…既有知識とこれから学習する内容とのズレを意識させます。
- 疑念…分かりきった学習をするときは,「本当に〜
- 時間…時間軸で考えさせることによって,変容に視点をあてることができます。
- 対象…対象を問うことによって,一面的な見方から,多様な見方ができるようになります。
※図2
これらの視点を理解することで、柔軟かつ効果的な発問が可能となります。是非、ご自身の授業に取り入れてみてください。
参考文献
『授業力&学級経営力』編集部・編『明日の授業が変わる「発問」の技術』(明治図書)
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