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校内のICT活用を進めるには、まず触ってみることが一番です。とはいえ、いきなり授業で使うのは…と、躊躇される方がいることもまた事実でしょう。まずは部会で活用することから始めてみましょう。
部会で取り組むよさを生かす
ICT活用を校内に浸透させていくには、部会など大人が集まる場で触ってみるのが一番です。年に数回程度、オンライン部会を開催してみてください。まず、大人が触ってみることで次のようなメリットがあります。
- 授業ではないので、安心して失敗することができる
- 子どもの場合は「エンター」などPC用語を知らない可能性があり、指示が通りにくく成立させることのハードルが高いが、大人であればある程度のPCスキルが身についている
- 操作が分からなければ堂々と聞くことができる
ほんのちょっとした操作のことでも「これ、どうしたらいいの?」と大人同士であれば聞くことができます。なぜなら、研究主任をはじめ、部会に参加している誰かがその答えをもっている可能性が大きくあるからです。
これが、教室であればそうはいきません。答えをもっているのは、基本的に先生だけ(特に低学年であれば)なので、先生が分からなければ、その時点で授業が止まってしまうことになります。
このようなことから、ICTに苦手意識がある人は「ICTはちょっと…」と遠ざけてしまいがちです。しかし、オンライン部会などを通じて「自分にもできるかも」「分からないことを聞けて良かった」という体験があれば、「ちょっと、やってみよう」という気になるものです。
ただし、これを、導入期だけに実施するのでは、長期的に学校に根付く可能性は低くなってしまいます。年に一度か二度はオンライン部会をすると決め、計画しましょう。
こうすることで「いつまたオンライン学習やオンライン研修を求められても大丈夫」という空気づくりにつながっていきます。
ICTで研究部会を効率化する
部会のICT活用で一番のおすすめは「共同編集機能の活用」です。
Googleであればスプレッドシートがありますし、マイクロソフトであればTeams内にあるエクセルを活用することで、共同編集機能を活用することができます。
ここでは、次の3つの場面での活用を紹介します。
- レジュメ提示
- 意見交換
- 指導案検討
まずは、レジュメ提示です。レジュメを大型ディスプレイなどにつないで提示しながら進めていくと、次のようなメリットがあります。
- 印刷の手間が省ける
- 誤字脱字などがあってもその場で修正できる
これらは仕事の効率化につながります。印刷をしたりホチキス留めをしたり誤字脱字の修正をしたりは案外時間がとられるもの。それらをICT化によって簡略することができます。「あ、そういえば今度の授業、○日に決まりました」などといった会話をそのままデータに反映することができます。
次に、意見交換です。意見交換場面では、
- 意見交換の議事録をそのまま作成できる
ことが大きな強みです。「最近の取り組みを打ち込んでください」といえば、一斉にレジュメに直接書き込むことができます。また、研究主任は気になる記述だけを取り上げて「○○について詳しく教えてくれますか」などと、深める点を選択することも可能です。
最後に、指導案の修正についてですが、こちらは誤字脱字や言い回しなどのチェックで効果を発揮するでしょう。指導案データをあらかじめ入れ込んでおき、全員で確認をしながら修正を行っていきます。誤字脱字チェックはできれば手間を省きたいもの。ICTを活用して効率よく行ってみましょう。