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公開研究会を実施するにあたっての表向きのねらいは「自身・学校の研究成果を周囲に伝達する」ことですが、研究主任としては、「裏のねらい」をもつようにもしておきましょう。
公開研究会でしかできない成長がある
「裏のねらい」などと聞くと、何かいけないことのような気がしてきますが、決してそういったことではありません。「表のねらい」が外側に向けたねらいだとするなら、「裏のねらい」は内側に向けたねらいです。
私は、「裏のねらい」を次のように捉えています。
職員の授業力を向上させること
こちらのねらいは、表立って言うことではありません。なぜならば、自分たちの内輪の話であり、公開研究会に参加する人にとっては、関係のないことだからです。
しかし、公開研究会は、「職員の授業力を飛躍的に向上させることができる」という大きな力をもっています。
実は大切!「会場設営」
公開研究会を実施するにあたって、研究主任が心を砕くべきことのひとつに、「会場設営」があります。「授業者のこと」「授業内容のこと」などに目がいきがちですが、「会場設営」は公開研究会成功のために欠かせないポイントです。
基本的な姿勢として
参加者(の立場)になって会場設営を行う
ことを忘れないようにしましょう。
- 受付できちんと自分の名前を確認してもらい、参加に対して安心感を与える
- それぞれの教室がどこにあるのかを矢印や会場図などで示す
- その会場では、どんな授業が行われているのかを看板などで示す
- 授業終了後、どのような動線で移動すればいいのかを矢印などで示す
などといったことをきちんと配慮していかなければいけません。また、
研究会会場のスライドの見やすさ
なども配慮したいところです。会場の一番後ろの最も檀上が見にくい席に座って確認してみてください。
これらの会場設営の大事なポイントは、教務主任と連携を取ることです。「研究」のことと「会場運営(教務)」のことを同時に考えることは、よっぽど公開研究会のことに慣れていなければできないことです。公開研究会は、研究部のみで開催するものではなく、学校全体を巻き込んで実施するもの。できるだけ様々な方に協力を依頼していきましょう。
そして、「学校が小ぎれいである」ことだけは忘れないようにしてください。ピカピカにすることは難しくとも「小ぎれいな状態」になるよう、普段の掃除指導や会場準備の段階で清掃活動を進めるようにしましょう。
参加者には「おみやげ」を渡す
公開研究会に足を運んでくれる参加者の方は、時間をつくって研究会へ参加してくれます。自分の学級を自習にしたり土日の時間を使ったりしているのです。そんな参加者に「おみやげ」をプレゼントする、これもよい公開研究会のちょっとしたポイントです。
では、公開研究会における「おみやげ」とは、どんなものでしょうか。(ちなみに、おみやげは「参加者が勤務校へと持ち帰るもの」と定義しておきましょう。)
- 研究冊子
- 当日の学習指導案
- 当日の発表資料
- それまで発行していた研究通信
それぞれの資料に、それぞれのよさがあります。
さらに、参加者に喜ばれる資料として、次の特徴があります。
期間を通して作成されたもの=熟成された資料
「公開研究会が近づいてきたら間に合わせて作ったもの」ではいけないということです。参加者が勤務校に戻って渡す「おみやげ」が、勤務校の先生方が「参加してもらってよかったな」と思うものになるよう意識して作成しましょう。