- 研究主任の仕事大全
- 教師力・仕事術
本連載も最終回になりました。最後に、研究主任のあり方についてまとめておきたいと思います。一年間、ありがとうございました!
研究主任は一番の学び手であれ
「よい研究主任の一番の条件は?」と聞かれたとするなら、私は「一番の学び手であり続けること」と答えます。研究主任が進化するからこそ、学校の研究が進化するのです。
研究主任の「学びたい」というエネルギーがなくなったときは、学校の研究が止まるときです。どんな状況であっても、研究主任の学びたいというエネルギーが学校全体の研究を推し進めている原動力であることを忘れないでください。
そして、研究主任として、職員室に良質な情報を届けるため、さらには、自分自身が研究主任として成長するためには、「よりよい情報を手にする」という姿勢は欠かせないことです。
教育書は必読書として、研究主任であれば、さらに一歩踏み込んで情報を獲りにいきましょう。
- 経営などに関するビジネス書
- 自身の専門とする一般書(道徳であれば哲学、心理学など)
- 学会誌
- 自身がいつも手にしている書籍よりもやや高価かつページ数のある書籍
これらの書籍は、読み終えるのに、いつもよりも時間がかかるものかもしれません。また、広く知れ渡っていないような本かもしれません。しかし、そうした書籍だからこそ、確かな情報があるのかもしれないのです。
マネジメントの視点をもつ
研究主任の大きな役目のひとつに「学校全体の授業力を引き上げる」ことがあげられます。研究は、授業者の先生に活躍してもらうことが目的です。自戒を込めてのことですが、ていねいに指導案を見たり授業のポイントを見つけたりしようとすればするほど、「授業者に活躍してもらう」という目的から外れがちになってしまいます。これでは、学校全体の目的は果たせません。
学校全体の研究主任の目的は、あくまでも「校内の授業の発展」です。
そのためには、校内の先生たちに授業で活躍してもらうという視点を忘れないようにしましょう。そして、先生方の「やってよかった」を引き出すことが大切です。研究そのもののマネジメントはもちろんですが、先生方のやる気のマネジメントも、研究主任が忘れてはならない大切なポイントです。
研究に終わりはないと心得る
常に挑戦するからこそ、「研究」です。研究には終わりはないと心得ましょう。もし、勤務校で「スタンダードづくり」「型づくり」に取り組んでいるのなら、
完成したら捨てる
という姿勢をとらなければいけません。研究とは「終わりを迎えた瞬間に次が始まる」という連続性をもつものです。
私は、いつも次の基準をクリアしているかどうかで研究主任としての実践を積み重ねてきました。
- 先生たち自身の内に入り、その先生自身の血肉となるものか【実効性】
- 先生たちに役立つと同時に子どもたちの力をつけるものか【教育効果】
- 学校が元気になるものか(ただ先生たちの体力ばかりを奪っていないか)【効率性】
こうした研究が学校の中に根付いたとき、必ず、学校は変わります。研究主任として、学校を変えていくのは、あなたです。