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- 言葉のワザ
- 学級経営
事例言葉で長々説明してもなかなか身に付かない学習のしつけ
その1 静かに聞く姿勢
騒がしい状態です。
話を聞かせるために言いました。
「はい! 今から先生話しますよ。手はひざの上ね! それで口は閉じます。しゃべりません! ほら、いいですか?」
しかし、なかなか静かになりません。そんな時は…
魔法の合言葉
先生「お口は」
子どもたち「ミッフィー、手はおひざ!」
お口はミッフィーで、手を人差し指で×にして口にもっていきます。
手はおひざで、両手は太もも(ひざ)の上に置きます。
毎日5回は練習します。1週間で定着します。
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その2 よい姿勢の指導
「今からよい姿勢になりますよ。よい姿勢の方がお勉強に集中できて、頭がよくなります。背筋を伸ばしてごらん。足を床にしっかりと付けます。机とお腹の間は少しだけ空けます。背中は椅子にもたれかかりません」
子どもたちはキョロキョロ。落ち着きません。何がゴールかわかっていない様子です。そんな時は…
魔法の合言葉
先生「お腹は」
子どもたち「グー」
先生「足は」
子どもたち「ピタ」
先生「背中は」
子どもたち「ピン!」
これも毎日練習します。
お腹はグーのところは、お腹と背中にグー1つ分空けるという意味です。
先生が子どもたちの前でやってみせてゴール像を共有することが大事です。慣れてくると、子どもたちは先生と一緒に全部言えるようになります。
その3 机の上の片付け
机の上に、筆箱、前の時間のノート、下敷きが広がっています。
先生が黒板の前で話しています。
しかし、ある子は目の前の筆箱のキャラクターに夢中です。隣の子は、左手に鉛筆、右手に消しゴムを持ち、「バシッ、ビシビシッ、バンバンバンッ、ヒューッ」と戦いワールドに入っています。その前の子は鼻をほじってノートにスリスリなすり付けています。そんな時は…
魔法の合言葉
先生「机の上は」
子どもたち「サラサラ〜、サラサラ〜」
授業終わり、授業開始、毎回次のように確認します。
机の上は基本的に何も置きません。何も出させません。集中させるためです。
「サラサラ〜」と言いながら、机の上を両手で川が流れているようにサラサラ〜っと動かすのです。そうやって、机の上には何もないよ、ということを示します。
その4 鉛筆の持ち方
「今から鉛筆の持ち方を教えます。1の指(親指)と2の指(人差し指)で輪を作ります。その間に鉛筆を置きます。やってごらん。そうしたら、3の指(中指)をそえてできあがりです」
子どもたちはよくわかっていません。できているような、できていないような、これまたキョロキョロします。
「先生、これでいいいの〜?」
「先生、できました〜!」
持ち方はバラバラです。そんな時は…
魔法の合言葉
「指でOK」
「パクパクパクパクパク」
「くるりんぱ」
順を追って説明しましょう。
「指でOKを作ってごらん。こういうふうに」と言って、鉛筆を持つ方の手でOKサインをした指の穴からのぞきます。子どもたちは真似します。
今度は、鉛筆を持つ手ではない反対の手に鉛筆を持たせます。
右利きの場合は左手に鉛筆を持ち、右手はOKです。
次に、「パクパクパクパク」と言いながら、鉛筆の芯を食べるように右手を芯に近づけていき鉛筆を持ちます。このときは親指と人差し指の2本で挟んだ状態です。
次に「くるりんぱ」と言って鉛筆を返します。
「最後に中指をそえましょう」と言って3本の指で持たせます。
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2、3日たったら、次のことも教えます。
魔法の合言葉
「指1本、天使の輪」
鉛筆の先端を持つとうまく書けないので、指1本分空けさせます。
だから「指1本」と言います。
「天使の輪」。これは『1年生にする「学力がつく勉強の仕方」指導』(向山洋一・板倉弘幸 編/TOSS石黒塾 著)という本に書いてあったものです。親指と人差し指で作る輪のことです(上の例だとOKの形)。
その5 正しい書き方、正しい消しゴムの使い方
「ちゃんと消してごらん」
「線がちゃんと書けるように、しっかりと書きなさい」
これができずに困っています。具体的に教えましょう。
魔法の合言葉
「紙はグッと押さえましょう」
書くとき、消すときの習慣付けです。
子どもたちは紙を押さえないと、紙が動いてしまうことに気付いていません。
紙を強く押さえないと、うまく消せません。消し方が悪いのではなく、反対の手で紙を押さえる力が弱いだけです。そこをしっかりと教えます。
その6 書く時に正しい姿勢を維持
書いていて猫背になる子。だんだんと右肩が上がり、左肩が下がってくる子(実は私がそうでした)。顔と机の距離が近い子。
目によくありません。肩こり、頭痛も引き起こしますので指導します。
魔法の合言葉
先生「目と手は」
子どもたちは「30cm」
1年生にもcmを教えます。
猫背防止のため、机と目は30cm以上離す必要があることを伝えます。そのために両手をパーに開き、目と机の間に置きます。
パーの小指から親指まで15cmあるので、両手で30cmになります。
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解説
魔法の合言葉は楽しい
言葉で長く説明されるよりも、掛け合いの合言葉で1つの動きをスパッと決めた方がわかりやすくスッキリします。
子どもたちは先生と合言葉を言い合うのが大好きです。
合言葉はだんだんスピードアップ
これがコツです。ゆっくりやりません。
最初にやり方を教えた後は、速くやればやるほど、子どもたちは盛り上がります。
ゆっくりやるとダレます。
ただし鉛筆の持ち方と正しい消しゴムの使い方だけは、丁寧にやった方がよいです。持ち方、押さえ方を毎回丁寧に確認するためです。
必ず評価する
連載第12回「教えたことがバッチリ定着する『評価』と『確認』のシステム」でも言いましたが、これらの指導をしたら、毎回忘れずに評価しましょう。
評価、確認するから定着していくのです。
ここがポイント!
- しつけは「魔法の合言葉」でスパッと気持ちよく!今月の「言葉のワザ」
- 明るく楽しく、テンポよく行う!
- 毎回必ず評価して定着させていく!
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