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事例発問に対して自分の意見が書けない子ども
国語の授業場面です。教師が子どもたちに何か発問したあと、子どもたちに5分程度ノートに意見を書く時間をとりました。
子どもたちを観察していると、サッと書き始められる子となかなか書き進められない子がいいることに気づきます。
こんなとき、それぞれの子どもたちにはどのような言葉かけをするとよいでしょうか。
解説
まずは「結論」を選ばせる
サッと書き始められる子たちにはこんな言葉かけをします。
「まずは、自分の立場を選んでごらん。AかBか。賛成か反対か。まずは、自分の考えに近いのはどれか、1つだけ選んでごらん」
「あるいは、自分の考えと比べてこれは大きく違うなぁ、という意見を選んでごらん」
一方、なかなか書き進められない子には、消去法が有効です。いくつか示して子どもたちが選びます。これで「結論」は書けます。
「結論」は選ぶだけ。いたってシンプルです。
「結論」のあとは「理由」を1つ書く
次に、どうしてそれを選んだのか、その理由を書きます。書き方は次の2種類です。
- だからこれが正しいという証拠を教科書から探して書く。
- だからそっちは間違っている、おかしいという証拠を教科書から探して書く。
そして、次の型を指導します。
「私はA(あるいは賛成)だと考えます。なぜなら〜からです」
「理由」は教科書から書き抜く
「なぜなら〜からです」の「〜」の部分を書かせる指導が大事です。教科書から書き抜くのです。
「なぜなら、教科書の35ページの5行目に〜と書いてあるからです。〜ということは、〜だと考えられます。だから、Aだと考えます」
ここまで書けたら合格です。
「結論」+「理由」。ここを埋めるのです。ようするにパズルを埋めていくような作業です。書けない子には、まずはこのシンプルな型を教えましょう。
別の意見がおかしいと考える理由を書く
次のステップは、選ばなかった立場に対して否定意見を書くことです。
結論は簡単です。「だからAだと考えます」に続けてこう書きます。
「続いてBはおかしいと考えます」
その理由を書きます。教科書から、Bがおかしいと判断できる材料、証拠を見つけるのです。見つかったらノートに書き抜きます。
「なぜなら、教科書の37ページの2行目に、〜と書いてあるからです」
できれば「〜ということは、〜だからです」と分析、解釈が書ければなおすばらしいです。
これが書けると、自分の立場が妥当であることをより客観的に証明、説得できます。
このようなシンプルな型を覚えれば、だんだんと先生の補助なしで自分から書き出せるようになります。発問後にサッと書き始められるようになるわけです。
自分の意見が書けると友達の意見を聞くようになる
そうなんです。自分の意見をもつと、他の意見と比べたくなるからです。
自分の意見を書けないと、友達の意見を聞く必要性がわからなくなります。
友達の意見を聞く習慣がつくと、友達のよい書き方を子どもたちは吸収できるようになっていきます。
ここがポイント!
- 書けない子には「結論」+「理由」の型を教える!今月の「言葉のワザ」
- 「結論」は選ぶだけ。「理由」は教科書から書き抜くだけ!
- 自分の意見を書くと友達の意見を聞きたくなりそこから学べる!