- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
学校の時間割に、そろそろ慣れてきた時期ですね。慣れてきて、朝から気持ちが抜けている子どもが見られるかもしれません。そんな1日が、続いては成長することはできません。
みのりを忘れず、1日を大切に
人が大きく成長した姿は、りんごの実ができあがった姿に似ています。1日1日の大切さは、ほんのわずかな小さな成長であることを、実感させましょう。
りんごの実は、突然できあがるわけではありません。1日1日、少しずつ成長していきます。土から根、幹、枝を通じて必要な栄養を送っていくことで果実になります。土から栄養を獲得していく流れは、まさに子どもが経験する毎日のことのようです。
人との関わりの中から人間関係を学んだり、先生から勉強を教わったり、わずかではありますが、毎日貴重な経験をしているはずです。1日の中に、成長に関する重要な一歩が潜んでいます。大切な一歩があることを、常に意識できるように生活すべきです。
樹木が果実を実らせるように、成長は確実に毎日の中にあると信じて、感じ取っていきましょう。
不断をやり抜く
環境に慣れてくると、掃除や物の整理、あいさつなどを、徐々にあまりやらなくなる雰囲気が出てきます。だれもが、そんな経験をおもちかと思います。一度続けたことを、止めてしまうと前進する力はなくなってしまいます。
「普段」の語源は、「不断」とされています。「不断」の「絶えないこと」「いつまでも続くこと」という意味から、「いつもの状態であること」の意味が派生し、当て字で普段と書かれることが多くなったようです。
普段の日常をたんたんと過ごすだけではなく、絶え間なく何かをやりぬくことで、成長が望めることを示しているのです。
例えば、ある廊下の掃除担当を任されたとします。毎日、床掃除をすることになり、ほうき・ちり取りでゴミをきれいに集めることが仕事です。毎日の取り組みで、ゴミやホコリはなくなるでしょう。しかし、雨の日はどうでしょうか? 大きなゴミは取れても、小さなホコリは水気ではりつき、掃除が成立しません。それならば、廊下をぞうきんがけしてみてはどうでしょうか? きっと、全てのホコリをぞうきんで綺麗に拭き取れるでしょう。
普段のピカピカな状態を保つ、その行為はまさに「不断をやり抜く」ということです。
全部前向き
話し合いをする時は、体を前向きにすることで、やる気前向き・話し合い前向き、全部前向きにしようという意味です。
「全部前向き」は、心・技・体の全部を前向きにすることの重要性を表す言葉です。全員が前向きになれば、話し合いは大成功間違いなしでしょう。
学習発表会の内容について、話し合いをしているときのことです。話し合いをスタートさせても、始めから上手く話が進む訳ではありませんでした。中には、自分だけが話し合いに取り残されているとさえ感じている人もいるほどでした。そこで、「体が前向き」で素晴らしい人をお手本にし、「話し合いの輪」の中心に体を向けるように伝えました。「体が前向き」になることで、「やる気が前向き」になり、「話し合いが前向き」に変化し、どのグループも学習発表会に向けての準備を整えることができたのです。
心・技・体のどれかをきっかけにして、集団活動に入り込めるはずです。あきらめないで、まずは「体を前向き」にしてみてはどうでしょうか。