- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
1日の学校生活のほとんどは授業の時間です。授業を通して子どもたちに学力を付けさせていくことが教師の重要な役目です。その授業が楽しくて、力の付くものであれば、子どもは意欲的に学習に取り組もうとするでしょう。今回は、「ゆかいな授業」を叶える価値語録です。
どこでも辞書力
授業中に分からない言葉があったら、辞書で調べる習慣を付けましょう。そのためには手の届くところに辞書を置きましょう。
国語の授業中だけでなく、いつでもどこでも辞書を引く習慣を付けましょう。分からない言葉があったら、人を頼らず自分で辞書を引いて調べるのです。漢字の書き方が分からないときも、すぐに先生に聞くのではなく辞書を引いて調べさせます。辞書は語彙を増やしたり、言葉の使い方や漢字を覚えたりすることに有効です。辞書は言葉の力を伸ばす強い味方なのです。
はじめは教師が辞書を引くように指示したり声をかけたりする必要があると思います。また、子どもにとって辞書を引くことは練習と慣れが必要です。自分で引きたいときにさっと辞書を引くことができるようになるまで「どこでも辞書力」を高めさせていきましょう。そして、先生が「辞書を引くな」と言わない限りはいつでも辞書を引けるようにしましょう。
そのためには、辞書をいつでも手の届くところに置くことが必要です。机の上が理想的ですが、机の上に置けないときは、机の横に提げられるよう、手提げを用意するとよいでしょう。教室移動のときも辞書を持って行くようになったら、「どこでも辞書力」が最高に付いた証拠です。自分で辞書を引く習慣を付けることが大切です。
置いといて
授業の中では学習内容から脱線して雑談が始まってしまうことがあります。時には雑談が必要な場合もありますが、雑談は「置いといて」本来の学習内容に戻るときに使う価値語録です。
授業は、学習指導要領に定められた教科の目標に従って、ねらいをもって行われなければなりません。とは言っても、授業の中では時に雑談といえる話が出ることがあります。(子どもたちは案外そのような出来事ばかり覚えているものです。)
ですが、雑談ばかりするわけにはいきません。そんなときは、その話は“置いといて”。切りかえる力を身に付けましょう。ポイントは、「置いといて」と言ったら、パッと切りかえてそれきりその話には戻らないことです。
トントン トトントン
全員に答えさせたい・考えさせたい問いがあっても、答えが分かった子どもは早く答えを言いたいものです。そんなときに、まだ答えが分かっていない子にヒントを出すのは優しさです。
「この図形は何ですか?」といった基礎的・基本的な問いは子どもたち全員が答えられるようにしたいものです。ところが基礎的・基本的な問いだからこそ、すぐに分かった子は早く答えが言いたくてたまりません。まだ答えが分からない子にも、分かったときの快感や答えられる喜びを味わわせたい。そこで、答えを言ってしまうのではなく、答えにつながるヒントを言わせることで、分かったときの快感・喜びを保証することができます。優しさがありますね。
ところで、ヒントを考えるのは、かなり思考力を鍛えます。分からなさそうで分かりそうな絶妙なヒントが出れば、その問いは学級の全員が答えられるようにもなるでしょう。
ところで、「トントン トトントン」は何のことか分かりますか? ヒントは5年生算数の図形領域、とある図形の名称のイントネーションをトンとトで置き換えて表していますよ。
※トントン トトントンの答え…「平行四辺形」。“平行四辺形”のイントネーションで“トントン トトントン”と読んでください。