- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
学年が上がると、新しい目標を立てたり、初めてのことに取り組んだり、下級生のお手本になったりする機会が増えます。子どもたちが、いろいろな場面で「よーし、やるぞ!」と、キラキラと目を輝かせている姿が見られます。そんな前向きな気持ちや姿勢は、子どもたちの主体性や、クラスの一体感をより高めてくれることでしょう。
前のめり力
「よし、やるぞ!」という前向きな気持ちは、動作や姿勢にそのまま表れます。前向きな気持ちで物事に向かい、楽しみましょう。
異学年合同で活動する時間、子どもたちは座って担当の先生からの指示を待っていました。「○年生、動きましょう。△年生、動きましょう。…」と順番に呼ばれていきます。子どもの様子を見ていると、自分の学年が呼ばれる前に、素早く動けるように片膝をついた姿勢で待ち構えていました。そして、その姿に気づいた周りの友達も、ニコニコしながら一緒に片膝をつき、呼ばれた瞬間に立ち上がっていました。その場にいることを楽しみつつ、「よーし、やるぞ!」という前向きな気持ちが伝わってきました。
「嫌だな」「面倒だな」と受け止めるのではなく、「やるぞ」という気持ちをもって、指示が出る前に準備万端にしておく、話をきくときに身を乗り出している、など、前向きで積極的な姿勢は教室の中にどんどん増やしていきたいですね。
反応スピード
何か指示を出したあと、その反応が速ければ速いほど、教室によいリズムが生まれます。反応スピードを上げていきましょう。
作業や話し合いをしていて、「集まりましょう」「注目しましょう」という指示を出しても、なかなかそろわずに時間がかかってしまうことはありませんか。
班での話し合いの場面で、子どもたちはそれぞれ盛り上がって話し合いをしていました。「注目しましょう」と声をかけると、一人の男の子が、すぐに反応して一番に正対しました。すかさず「反応スピードが速い!」と声をかけます。その流れに気づいたほかの子どもたちも、続々と切り替えて正対することができました。作業の途中で切り替えるということは、子どもたちにとってはとても難しいことです。しかし、その中で教師や友達の言葉に敏感に反応し、素早く行動することができる力はとても大切です。反応が速い=聴く力が高いとも言えます。聴く力を鍛え、反応スピードも上げていきましょう。
くつをそろえる=心をそろえる
靴箱はクラスの顔です。靴がピシっとそろっていると、それだけで気持ちがよいですよね。
移動教室の日のことです。その教室には、上靴を脱いで入ります。上靴を見ると、元気に散らばっている靴がちらほら。それに気づいた女の子がくつをそろえ始めると、近くにいた友達も一緒にそろえてくれました。
靴を脱ぐということは、気持ちを切り替えるスイッチの一つです。移動教室のときであれば「ここから、次の授業が始まりますよ」、靴箱であれば「ここから、学校という公の場に入りますよ」ということです。一瞬立ち止まり、気持ちを合わせてから一歩進めるといいですね。
こちらから「〜しなさい」と言わなくても、「個」から「全体」へプラスの流れが自然に広がっていくことにいつも感動します。その流れをつないでいく役割を大切にしたいと思います。