- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
低学年はぐんぐんスポンジのように吸収して日々成長しています。そのような大事な時期に、価値ある行動をしっかり身に付けさせたいものです。
特に低学年の子どもたちは、だれかがほめられていると、自分も!といい姿を真似します。そしてさらに、もっともっとできるよ!とより良い行動をとろうと頑張ります。まさに成長の連鎖だと思います。そこを私たち教師が見逃さずしっかり価値づけてあげたいですね。
1秒切り替え
時間は限られています。1秒でサッと手をとめる。話を聴く姿勢をつくる。それができると、無駄な時間がなく、できることがもっと増えます。
休憩時間の後、授業中に楽しく盛り上がった後、やっていることを中断し次のことをする時など…なかなか静かになって話を聴く姿勢にならず、時間がかかることがあります。
そんなとき、5秒カウントダウンしてみました。すると、次第に3秒、1秒、一瞬、とすぐに切り替えができる子どもが増えてきました。そこで出した価値語です。
価値語を使って指導したりほめたりするときに、特に低学年では簡単かつ具体的な価値語になるよう、言葉を選んでいます。低学年、特に1年生の子どもたちの頭の中で、一番小さい数字は1です。ですので、「1秒切り替えができたね」や「1秒よりもっと速く切り替えたね」というように使っています。
具体的な数字や姿があると、子どもたちもじゃあ自分はここをもっと…と成長の連鎖を引き出せるのではないかと思います。
余った時間を上手に使う
限られた時間をどう使うかは、自分次第。余った時間をぼーっとして無駄にするより、まだできることはないか、時間いっぱい探して行動しましょう。
こちらも時間に関する価値語です。国語で新出漢字を習うとき、私は練習時間を2分間設定しています。漢字ドリルには、「色付きのなぞり→グレーのなぞり→一画目の印→自分で」の4つのマスしかありません。2分間だと丁寧に練習しても、時間が余る子もいます。そんなときは、空いているスペースに練習してもいいと伝えています。
ある日、いつものように丸つけをして回っていると、早く終わった子どもが、空いているところに一生懸命練習していました。空いているスペースは小さいのですが、その子はとめやはらい、はねを意識して、丁寧に書いていました。「こうやって練習すると、ただ書くよりも早く正しい字を覚えられるね。時間を上手に使ったね」とその子をめちゃくちゃほめました。
すると今度は、その漢字を使った熟語を考えて練習する子どもが出てきました。その漢字だけだと、自分で使おうとしたときに忘れそうだから、とのことでした。めちゃくちゃほめました。こうやって成長の連鎖が起きるのが、学校・学級だなと思います。
だれもが1日は24時間。時間を上手に使える人は大人になっても成長し続けられるよ、と子どもたちに伝えつつ、私自身も時間を上手に使わなければと反省しました。
「手伝おうか?」が言える人になろう
お手伝いしたい!友達を助けてあげたい!わたしがやるやる!!のも立派な姿ですが、ちょっと待って。その友達は自分で最後までやりたいのではないですか?「手伝おうか?」の一言があると、そこにコミュニケーションが生まれます。手伝ってもらう側も気持ちがいいですね。
お手伝い大好き!やりたいやりたい!とっても素敵なことです。ですが一方で「○○ちゃんが勝手にやった…泣」こんなトラブルありませんか?
進んで人を助けるのはこれからもぜひ続けてほしいことですし、価値ある行動だと思います。そこにさらに相手の立場に立って声をかけられる優しい気持ちがある子どもに育ってほしいものです。