【漢字ドリル】
「漢字ドリル」のチェックを行っているのですが、子どもたちに本当の漢字の力をつける、単に丸をつけること以外の工夫はありますか?
ココがポイント!
「漢字ドリル」のページ構成のほとんどが「習得を図る学習活動」
市販の漢字ドリルを購入して使うことが多いと思います。およそ、各ページが次のような構成になっています。
- 扱う漢字(例:光)
- 読み方(例:ひかり・ひか(る)・コウ)
- 筆順
- 成り立ち
- 練習(例:「光」を何度も書く)
- 熟語(例:星の光、月光)
- 例文(用意された例文をなぞる)
- 例文作り(自分で例文を作る)
このうち、1から7までは用意されたものを写したり、なぞったりする学習活動であり「習得を図る学習活動」という面が強いものです。
効果抜群! 堀江式 大ワザ&小ワザ
ワザ1 「漢字ドリル」で「思考力・判断力・表現力」を鍛える
「光」の練習をするコーナー(画像参照)において、左側・二番目の字が丸で囲まれているところに注目してください。これは「自分が書いたなかで、一番うまく書けたと思うものを丸で囲みましょう」という指示を教師が行った成果です。「漢字ドリル」においても、「思考力・判断力・表現力」を鍛えることができるということですね。
ワザ2 主語と述語のそろった安定した文を作らせる
「漢字ドリル」の最後のコーナーは、7.例文(用意された例文をなぞる)、8.例文作り(自分で例文を作る)です。
右の用意された例文「日の光がへやにさしこむ。」をなぞった後、主語である「光が」を丸で囲ませます。「『は』、『が』、『も』(『こそ』、『だって』)がついていればそれが主語ですよ」と説明すれば、子どもたちはすぐに主語を見つけることができるようになります。さらに、子ども自身が考えた例文「かみなりの光が見える。」についても、自分で判断して、主語である「光が」を丸で囲んでいます。
子ども自身が例文を書く場合、必ず主語と述語のそろった安定した文を作らせることによって、普段の文章においても、きちんと主語と述語のそろった安定した文を生み出すことにつながっていきます。ちょっとした工夫ですが、実は重要な意味を持った学習活動なのです。
一番うまく書けたと思うものに○をつけるなどで、
「思考力・判断力・表現力」が養われるとあり、目から鱗だ。
更に、新出漢字を使って安定した文作りに取り組ませることなども
教師サイドの工夫で、子どもたちの力がぐんぐん伸びることに
つながっていて、ぜひ明日からマネをしていきたいと感じた。
「ワザ1」では、子どもたちの自尊感情を高め、「もっと丁寧に書きたい」という気持ちをもたせながら「楽しく」漢字学習を進めることができると思います。
「ワザ2」では、普段の子どもたちの文章に直接つながる学習であり、子どもたちは、きっと「かしこくなった」という実感をもつことと思います。
「堀江式『漢字ドリル』活用法」は、特別なことをするのではなく、これまで行ってきた漢字指導に「大ワザ&小ワザ」をプラスして、子どもたちの学習意欲と学力を伸ばすことができると思います。
早速、明日からの学習指導に取り入れさせていただきます。
ありがとうございました。
紹介されている方法なら,教師も子どもも無理なく取り組めそうです。同僚にも伝えたくなりました。ありがとうございました。
「堀江式 国語授業のワザ」を拝読し、「ワザ2」がいいなあ、と思いました。
自分は、「ワザ2」を使って作成した文を学級で交流したいと思いました。そうすると、子どもたちは、一つの漢字について、学級の人数分の活用の仕方のバリエーションを獲得することができます。それに、自分では思いつかなかった文(漢字の使い方)にも出会うことができるようにも思います。
明日からの漢字指導の、よいヒントを与えてくださり、ありがとうございました。
このような工夫を行うことにより、漢字の学習においても「思考力・判断力・表現力」を育てることができることが分かった。
しかも、この「ワザ」は小学1年から6年まで、学年を問わず使うことができる。
明日からすぐに実践することができる「ワザ」なので、ぜひ取り入れてみたい。
主語・述語の整った文を書くことは、実は読解力を高めるためにとても大切になってきます。つまり、読解の時に、常に「だれが?」という意識を働かせることにつながるのです。これが身につくと音読さえも上手になります。日本語は、主語をたてて読むからです。主語を常に意識する指導、大切ですね。