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「読み聞かせ」と言うと、物語や絵本を子どもに読むことを想像しがちです。後はせいぜいストーリーテリング(口演童話)でしょうか。それをもう少し広げて、学級通信を読む、子どもたち同士が作品を読みあうなども読み聞かせのフィールドに引き込んで捉え直したいと考えています。そうした活動を総称して「教室読み聞かせ」としています。
「読み聞かせ」は小学校高学年や中学生、高校生などにこそ有効な手法であると考えています。詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、例えば、直接的なコミュニケーションが成立しにくい関係において、絵本やプリントなどを間にはさむことで、それが「緩衝物」としての役割を果たし、コミュニケーションを成立させる効果が期待できます。
そうですね(笑)。ベスト3ではなく、あまり他では見かけないプランということで、
- 「転校する生徒」に絵本をプレゼントする
- 「マイしおり」づくりで本を読みたくなる
- 「司書や司書教諭のいる図書館」の価値を学ぶ
の3つを挙げておきます。それぞれ詳しく本書で解説していますが、例えば2つ目でいえば、本を読む時にはさめるしおりを自作することで、読書への意欲はぐっと高まります。ほんとです(笑)。
私がどの本を選んでいるかということよりも、私がなぜその本を選んでいるかというあたりに注目して読んでいただけると嬉しいなあと思っています。またそういうことを願って、一冊一冊とのステキなエピソードを丁寧に紹介しています。本の中でも何度も書きましたが、本は最終的には、読み手の納得のないところでは手渡していけないだろうと考えています。
今年度は一年間、育児休暇を取得しました。紹介している実践の多くは、休暇に入る前の二年間の学級経営での実践群です。まえがきにも書きましたが、教室で読み聞かせに取り組む若手教師が減っていることが気になっています。伝統的なものから新しい手法までカタログ的に網羅することも意識しましたので、ぜひ活用してください。合わせて昨春5月に刊行した『「対話」がクラスにあふれる!国語授業・言語活動アイデア42』(明治図書)、7月に刊行した『学級通信を出しつづけるための10のコツと50のネタ』(学事出版)と事実上の三部作の構想で書きあげました。三冊を合わせて読んでいただけると細部までイメージできるものと思っています。