著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
一工夫した発問で日々の算数授業を変えよう!
愛知教育大学教授志水 廣
2013/7/24 掲載
 今回は志水 廣先生に、新刊『算数授業力アップ!発問のアイデア12か月』(1〜3年編、4〜6年編)について伺いました。

志水 廣しみず ひろし

1952年、神戸市生まれ、大阪教育大学卒業。
神戸市の公立小学校に勤務後、兵庫教育大学大学院修了(数学教育専攻)。筑波大学附属小学校教諭、愛知教育大学数学教育講座教授を経て、現在同大学大学院教育実践研究科教授。
各地の小学校で示範授業や指導講演をして活動中。

―算数における基本的な発問にはどのようなものがありますか? 本書でも紹介していますが、この記事の読者のために特別にご紹介ください!

 算数科の内容は、全国学力・学習状況調査の報告にもあるように、算数的な事実、方法、理由の3つが挙げられます。これに対する発問が基本です。算数的な事実とは、定義や性質に当たるものであり、方法とは、計算や問題解決のやり方のことであり、理由とは、問題解決の筋道の根拠のことです。具体的には、事実に対する発問は、「どういうことですか」であり、方法に対する発問は「どうやってやりましたか」であり、理由に対する発問は「どうしてですか」というものです。

―よい発問とはどのようなものなのでしょうか?

 よい発問とは、指導内容に対して追究したい気持ちにさせるものであり、算数的事象に対する問いの発生を促し、問いの解決に導くようなものです。

―よい発問づくりのために、本書はどのように活用できますか?

 本書は全学年にわたって基礎・基本になる指導内容について、授業をイメージして授業のポイントと具体的な発問が示されています。しかも1ページにコンパクトにまとめられていて、明日の授業にすぐに活用できるすぐれものです。ぜひ利用してほしいです。

―本書には「算数授業における一般的な基本の発問集」も掲載されています。志水先生は教師がどのくらいの使える発問を知っておくべきだとお考えになりますか?

 第1章では基本的な発問を62こ紹介しました。このうちで50こくらいは知識として知っていないと、算数の授業は充実しないと言ってよいと考えます。ぜひとも、参考にしてほしいです。

―全国で算数の授業をしている先生方に一言メッセージをお願いいたします。

 若手教師の方にはぜひともこの本の事例をもとに発問して子どもを算数の世界に導いてほしいです。また、中堅教師の方には、発問の意図をくみ取ってアレンジしていただきたいです。○付け法意味付け復唱法などの志水メソッドが知られていますが、発問をしっかりした授業があってこそ、志水メソッドが生きてきます。ぜひとも読んでいただきたいです。

(構成:木山)
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