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- 著者インタビュー
- 学級経営
■学級ブランドづくりを楽しむ
「成功する〜」という言葉からは、オートメーション工場で、金太郎飴のような、すべて同じような学級を生産している情景が脳裏に浮かんでくるんですよね。
「失敗談から学ぶ」は、そんな、ちょっと皮肉も含んだテーマになっています。
達人の失敗体験から、「失敗をどのように乗り越えてきたか」を、さらに、「これだけは、やってはいけない方法」を学んでください。
それさえ心得ておけば、あとは目の前にいる子どものニーズをとらえ、自分の持ち味を生かしながら、授業づくり、学級づくりを楽しんでほしい、というのが私たちの願いです。
そして、日本に一つの、いや世界に一つの「学級ブランドづくり」を自由に創り出すことを楽しんでください。
■居場所のあるホーム(家庭・学級)づくり
従来の学校では、子どもが「このクラスにいたい」と感じるような<所属の欲求>を充たすことをねらいに、学級開きをしていたような気がします。
ところが近年、<安全・安定の欲求>を求める子どもが増えてきました。
つまり、学級の土壌づくりとして、まずは、安心できる居場所のあるホーム(家庭・学級)づくりから始める必要性が生まれてきたと言えるでしょう。
今の子どもたち、土壌に必要な養分としてのビタミン「愛」・ビタミン「I(自分)」・ビタミン「合い(かかわり)」が不足しているのかもしれませんね。
■<学級づくり>と<授業づくり>の一体化
授業づくりは、目に見える「表(教科)のねらい」。学級づくりは、目に見えない「裏(学級の土壌づくり)のねらい」。
この両者をどのように調理して、子どもにおいしくいただいてもらうか、これが教師としての一番の腕の見せどころであり、教材開発の楽しみだと言えます。
まずは、教材が子どもの知的好奇心をくすぐることです。学級に知的な雰囲気を育み、学びの姿勢をつくり出します。
次に、学習活動を多様化することです。そうすることで、どの子にも学ぶ場が保障され、全員参加が可能になります。
そして、聞き合うことができる環境をつくることです。人とかかわることの楽しさを思う存分、味わわせたいものです。
■「出会いの場」をプロデュースできる先生
人間関係を築くためには、本来、時間がかかるものです。
ところが、最近、子どもたちも保護者も、第六感とでも言いましょうか?動物的な本能で「あの先生は、怖そうな雰囲気があって、自分を受け入れてくれないだろう」「あの先生なら、やさしそうだから、受け入れてくれそうだ」と、かかわる前から、最初の直感的な判断で決めてしまう傾向があるようです。
そうなると、まずは、「出会いの場」をどのようにプロデュースするかが、先生に強く問われてくるような気がします。
■僕の先生は、ヒーロー?!
子どもって、ヒーローにあこがれます。
低学年は、空想の世界でのキャラクターも、ヒーローになり得ます。ところが、学年が進むにしたがって、子どもは現実のヒーローを求めるようになります。
学校での一番身近なあこがれの存在になり得るのが、先生です。
あこがれる先生の目に見える行為、しぐさ、話し方などを真似ながら、子どもは、自分もそのようになりたいと努力します。「先生という存在」が、「先生の生き方・姿勢」が、子どもを育てる環境になるのです。
そう考えると、「先生」と言われるためには、子どもと共に自分も成長しようと、前向きに努力をしなければいけないですよね。
■達人教師だって、失敗するんだ。
3割の成功で花丸!! 2割でも◎! 1割でも○!
7〜9割もの失敗から何を学ぶかが大事。
子どもも、先生も、失敗をおそれちゃいけない。
失敗から生まれる、新しい学級のドラマをつくろうじゃないか。
それが、世界に一つの、日本に一つの、
「学級ブランド」を育てることにつながる。