著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学級通信はクラスづくりを映し出す鏡
教育サークル「豆腐のような教師になろう!」代表西村 健吾
2016/3/8 掲載

西村 健吾にしむら けんご

1973年鳥取県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業後、鳥取県の公立小学校で勤務。「豆腐のような教師になろう!」を生涯のテーマとし、「@マメで、A四角く、Bやわらかく、C面白い」教師を目指し、日々の実践にあたる。「GAINA教育フォーラム〜米子祭〜」代表。教育サークル「豆腐のような教師になろう!」代表。教育サイト「学びの場.com『教育つれづれ日誌』」(内田洋行)、教育雑誌各誌で、教育エッセイやコラムを多数執筆。
著書に『スペシャリスト直伝! 子どもの心に必ず届く言葉がけの極意』『スペシャリスト直伝! 小学校 クラスづくりの核になる学級通信の極意』、共著本に『スペシャリスト直伝! <失敗談から学ぶ>学級づくり・授業づくり成功の極意』『学級づくりロケットスタート 中学年 安心&最高のクラスづくり大作戦!』『学級づくりロケットスタート 高学年 安心&最高のクラスづくり大作戦!』などがある。

―本書は、大好評だった前作『スペシャリスト直伝!小学校クラスづくりの核になる学級通信の極意』の別冊資料集というテイストですが、その意図をお教えください。

 僕の処女作となった前作の発刊から2年が経過しました。この間、ありがたいことに僕にとっては分相応なまでの反響を頂戴してきました。改めて自分の拙い実践を世に問うてよかったと思うと同時に、限られた紙面の中で伝えきれなかった、僕のその他多くの実践を、現場の先生方によりよい形でご提供するにはどうすればよいか…とも考えてきました。この度の〜実物資料編〜は、そうした思いが具現化したものと言えます。

―前作と異なる本書の特徴はどんなものでしょうか。

 理論と実践を融合させる形で著した前作とは異なり、本書は「ALL実践群」で構成いたしました。明治図書のHPの「立ち読み」コーナー(PDF)でもご覧いただけますが、すべてのページにおいて、学級通信そのものをなるべく大きなサイズで掲載し、その解説を数行加えるという紙面構成になっています。学級通信の全体像をお示しすることで、本文の微妙なニュアンスや、LIVE感を感じ取っていただきたいと思ったからです。

―しかもB5判ですね。

 はい。あくまで実物資料は、読むに耐え得る必要最低限のサイズが必要です。僕の学級・学年通信の大半はA4或いはB4ですから、それに比べるとどうしてもサイズ的には小さくなりますが、それでもA5判に比べると格段に読みやすいと思います。しかも168pで2000円(税抜)。このサイズでこのページ数の教育書としては、かなりお求めやすいと思うのですが…(笑)

―先生は常日頃から、「僕は学級通信のスペシャリストではない」と仰っていますが、そんな先生の、学級通信に特化した本書に対する思いはどんなものなのでしょうか。

 学級通信だけ見れば、レイアウトやら、発行枚数やら、優れた実践家は全国各地に星の数ほどいらっしゃいます。よって僕のような者が、学級通信そのものをみなさまにご提案できるとは露ほども思っていません。しかし、学級づくり・授業づくりの方略については、多少提案できるものを持ち合わせているという自負はあります。
 つまり本書は、学級通信の実践本というよりもむしろ、学級通信を切り口とした、学級づくり・授業づくりの実践本なのです。特に今回は、僕の授業づくりの様子がお分かりいただける学級通信も多数掲載しました。是非ご自宅での教材研究用に1冊、教室での指導用に1冊、合計2冊お求めいただければと思います(笑)。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 学級通信はクラスづくりを映し出す鏡です。僕は、学級通信のスペシャリストでも何でもないですが、僕の学級づくり・授業づくり、もっと言えば教師人生がこの1冊(2000円…笑)に詰まっています。
 そういう意味で、学級通信を書かれない先生方にも、きっとお役に立てる1冊になっているのではないかとの自負があります。
 本書が、年々厳しくなる現場の先生方の日常に、ほんの一縷でも潤いを与えるものに、そして何より、多くの子ども達が目を輝かせて学校に通うことができるようなクラスづくりの一助になるならば、それは望外の喜びです。

(構成:西浦)

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