- 著者インタビュー
- 道徳
土田:第2弾のテーマは、道徳の教科化に対応した「考える道徳授業」です。多様で効果的な指導方法の具体的実践紹介のほか、「これならやってみたい!」と思える新教材(自作等)も掲載しています。魅力的なワークシートも掲載し、発達段階に応じて、子どもたちとすぐにできる道徳授業が収録されているのがおススメのポイントです。
尾高:ワークシートは、自分の考えを書かせるために用いるので、全員に書かせる時間を確保し、書いたことを確認することが必要です。次に、書いたことを生かした話し合いの時間を構成するべきです。意図的・計画的に指名し子どもたちの考えを揺さぶりながら、ねらいに迫る話し合いを行います。また、ねらいに沿った振り返りをすることで、評価に生かすことが大切です。
諸富:問題解決的な学習に取り組む際には、まずは、教師が提示した四つ程度の選択肢を提示し、そこから選ばせ、理由をワークシートに記入させて、小グループで話し合わせるのがよいでしょう。最初から選択肢なしで考えさせるのは、難しすぎます。また、選択肢の一つに「その他」という選択肢を設けておくことが、子どもの創出的な思考を刺激します。「その他」を決してお忘れなく!
諸富:大人でも解答が容易でない、道徳的難問をつきつけ、真剣にうならせ、本気で考えさせることです。特定の視点・観点・立場に偏らず、「誰の立場でもなく」「誰の立場でもありうる」視点に立って、ものを考える思考=真に道徳的な思考の習慣をつけることが、道徳性を確立する上で不可欠です。まず、教師自身が、日常から身近な道徳的問題を本気で考える習慣をつけるべきです。
土田:道徳の教科化では、教師も「アクティブラーナー」になることが求められています。みなさんの(道徳授業の)課題解決に役立つ取り組みが本書に掲載されていることでしょう。ぜひ、チャレンジを! そして、実践時には「道徳的ねらいを明確にもつこと」。ねらいが明確であれば、子どもたちの発言への「問い返し」ができ、さらに意見の交流を通して、互いに高めあい、「よりよい生き方を考える道徳授業」にすることができるでしょう。