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文学的文章を教材にした授業では、子どもたちから様々な解釈が出されます。それらを授業で取り扱い、それぞれの考えを深まらせていくには、「読む」についての理解が不可欠です。「読む」を理解すると、対話的な学びを生み出す授業へと変えられます。
ステップ1と2では、目指す授業や教師の授業力のイメージについて述べるとともに、「読む」について理解を深めていきます。
ステップ3から5では、教材研究について考えます。その中で、発問の組み立てのポイントについても述べています。
ステップ6から10では、1単位時間における「導入」「展開」「終末」と「授業後」の場面で、子どもたちの対話を組織して学びを深まらせるとともに、次の学びへの意欲を高める指導のポイントについて述べています。
教師が教えたいことを一方的に子どもたちに押し付けるような授業ではなく、子どもたちが読みの課題意識をもって、見方や考え方を活用し、互いに調べたり話し合ったりすることで、自分の考えを確かめ、見直すことを通して、読むことに対する新たな見方や考え方を獲得していくような授業に改善することが考えられます。
本書は文学的文章(物語)を教材にした読むことの授業づくりについて述べたものですが、子どもたちの対話を誘発して学びを深まらせる点については、他教科に通じる部分も多くあるかと思います。
子どもたちの学びをより深いものにしていくためには、自己の学びを振り返ることのよさを実感させるためのさらなる「振り返り(フィードバック)」が重要です。学級通信によるフィードバックには、学びの共有化、モデル化、意欲化など多くの効用があります。
授業力は、一朝一夕に身に付くものではありません。誰もが失敗を繰り返して成長します。どのような状況でも自覚的に自分を高めようとチャレンジし続けられるかが大切です。その際に、本書が少しでも勇気を与えられる存在になればと願っています。