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「主体的な読み手」になるためには、たとえ無意識であれ〈読みの方略(読み方や読みのコツ)〉を知っていたほうがよいでしょう。〈読みの方略〉を活用し、主体的に読書に向かう子どもの〈読み〉を「アクティブ・リーディング」と名付けました。
家庭の文化資本の高い子どもは、はじめから読めています。そういう子は自由に読ませればよいでしょう。しかし、そうでない子どもには、〈読みの方略〉を教えてあげたいと考えます。ここに挙げた授業を繰りかえすことで〈読みの方略〉を身体化させ、最終的には日々の言語生活が豊かになることを期待しています。
子どもの実態に応じて、ここに挙げた学習課題を提示してみてください。納得解や最適解は子どもに任せながら、着地点としての〈読みの方略〉や〈物語の法則〉について確認します。リフレクションを工夫することで、物語、小説、漫画、アニメ、映画、ドラマなどに触れる時に、それらの学びが転移されることをねらっています。
〈根拠〉と〈理由〉をセットにして〈読み〉を表出させることを推奨します。〈読み〉の深さは、どの叙述に着目したかという〈根拠〉と、どういった経験にアクセスしたかという〈理由〉で明確化します。すでに授業している先生方は実感をともなって理解されていますが、〈根拠〉と〈理由〉が鮮明になると〈対話的活動〉はより活性化し、深い学びに導かれます。
「分からないことが分かるようになること、できないことができるようになることが授業である」という授業観に立つと、現在も国語の授業は、「どんな力が付いたのか」「何が分かったのか」が不鮮明です。子どもたちの「?」が「!」になる国語科授業として、本提案は機能すると思います。その結果、今まで以上に「国語が好き」と言う子どもが増えることを願っています。「国語が好き」と言う子どもをさらに増やしたい先生方は、本書を手にしてみてください。