- 著者インタビュー
今回の学習指導要領改訂においては、改訂の途中から様々なキーワードが聞こえてきました。改訂の根幹をなす「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」「見方・考え方」については、それぞれについて解説を行っています。また、小学校で英語が教科化されたのを受け、中学校の教師は小学校の内容を熟知しなければなりません。このため、小学校で扱われる内容(言語材料や言語活動)についてもページを割いて解説しています。
2章では、「主体的・対話的で深い学び」の視点に合った授業、各領域の言語活動、文法事項の指導、語彙の指導、英語で行う授業、ペア(グループ)ワーク、領域統合型言語活動を行うにあたって、考えなければならないポイントを示しています。現在行っている授業を振り返り、改善しなければならないことがあるか、もしあるのならどのように改善するのかを考えるための材料となります。また、新学習指導要領に合った授業を行うためのヒントを載せています。
新学習指導要領の目標を達成するには、授業デザインが大切になります。特に文法事項の指導と本文の指導とのバランス、「思考力、判断力、表現力等」を身につけるための言語活動がポイントとなります。3章には具体的な授業デザインを載せているので、是非読んで取り入れていただきたいと考えています。140時間という年間の授業時数はすべての教師にとって共通です。この時数の中で生徒の英語力を高めるために、指導過程のどこでどのような言語活動を入れたらよいのかが大事になります。
まず、絶対に必要なことは、We Can!(指導編)を読んでいただき、小学校でどのような指導が行われているのかを知ることです。入学してくる生徒の英語力は年々上がってきます。それに合わせた授業を行わなければなりません。小学校で培ってきたコミュニケーション能力をさらに伸ばすためにどのような言語活動を入れたらよいのか、どのような指導を行ったらよいのか、常に考え、取り入れていくことが授業改善につながります。
今回の学習指導要領の改訂では、中学校の指導に一番変化が求められていると言っても過言ではありません。教師が一人で考えて授業を変えていくことは大変です。授業改善にはアイディアが必要です。本書に載せているアイディアを活用していただけたら幸いです。新学習指導要領に合った授業の改善ポイントは本文の扱い方です。本文の扱い方次第で生徒の英語力は確実に伸ばせます。そのヒントを載せていますので、ぜひ参考になさってください。