著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
今、教室には「リラックス」が必要だ!
疲れやストレスと戦う現代の子どもたちのための学級あそび
帝京平成大学鈴木 邦明
2022/7/25 掲載
 今回は鈴木邦明先生に、新刊『子どもの心と体のストレスを緩和する リラックス学級レク75』について伺いました。

鈴木 邦明すずき くにあき

1971年、神奈川県平塚市生まれ。
東京学芸大学教育学部卒業。放送大学大学院文化科学研究科修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校にて計22年間勤務。
2017年、小田原短期大学保育学科特任講師。2018年から帝京平成大学現代ライフ学部児童学科講師として、教員養成に携わる。2019年からはAll About子育て・教育ガイドとして、保護者向けにも積極的に情報を発信している。

―本書『リラックス学級レク75』で提案される「子どものリラックス」。現代を生きる子どもたちに「リラックス」が必要なのはなぜなのでしょうか?

 新型コロナウイルスの流行によって、社会の様々な部分に変化が生じました。子どもを取り巻く環境にも大きな影響がありました。
 文科省の統計で示されたものでは「体力の低下」、「視力低下」、「自殺者数の増加」などがあります。それ以外に、数値に表れない変化などもあると思われます。新型コロナウイルスは子どもの体や心に大きな影響を与えているということが言えるでしょう。
 先行研究でもレクリエーションが子どもの体や心に良い影響を与えることが示されています。コロナによる環境の変化などを踏まえ、そういった状況においてはさらに「心身のストレスを緩和する」レクリエーションへの取り組みが重要なものとなってくると思われます。

―本書『リラックス学級レク75』では、子どもの心身の健康について3つの視点から分析されています。その3つについて詳しく教えてください。

 世界保健機関(WHO)は健康の定義において、「身体的(physical)」に健康であるだけでなく、「社会的(social well-being)」「精神的(mental)」にも健康であるとことが大切であるとしています。
 通常、健康について考える際、「身体的」な要素に注目しがちです。しかし本書では、特に「社会的」「精神的」の部分にもより注目したレクリエーションも集めています。

―本書で紹介する「リラックス学級レク」について、主にどんな場面で、どのような効果がみられるアクティビティなのでしょうか?

 学校生活の様々な場面で活用できるのではと思います。例えば、GIGAスクール構想により1人1台端末の環境が実現しました。そのことによって従来よりも眼への負担が大きくなっています。タブレットやPCなどを使用した後に、眼を休めるようなレクリエーションに取り組むことはとても効果的でしょう。
 また、コロナによって友達と関わる機会が量的にも質的にも減ってしまいました。そういった、上で述べたもので言うと「社会的」側面からみた健康を補うような、周りの人とたくさん関わるレクリエーションも紹介しています。

―最後に、子どもたちとともに楽しく、落ち着いた学級をつくりたいと思いながら日々学級経営に向かっていらっしゃる読者の先生方へ、メッセージをお願いします。

 今回、この書籍で紹介できたものは75個です。実際の学校現場では、それぞれの学級の状況に合わせ、アレンジを加えていくと良いと思います。
 この書籍をきっかけとして、アレンジされたたくさんのオリジナルのレクリエーションができてくるととても嬉しいです。そして、それが子どもたちの笑顔、健やかな育ちへと繋がっていくことを願っています。

(構成:新井)
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