きょういくじん会議
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オンラインの無料教材を、州政府が公認―米国フロリダ
kyoikujin
2008/2/18 掲載

 1月23日のUSA TODAYによると、米国のフロリダ州政府は先月、オンラインから無料でダウンロードできるリーディングプログラムを小学校の教育課程として取り入れることを公認した。このような無料のプログラムを州政府が公認したのは、全米でもフロリダが初となる。早ければ、この春からの採用を考えている学校もあると予想される。

米国の教科書事情

 米国のほとんどの地域では、まず州の教育省が書籍や指導書などを公認し、各地の教育委員会がその中から推奨するものを選ぶ。学校や教師は、教育委員会から推奨されたものを使用するか、別の教材を使用するかを選ぶことができる。無料のオンラインプログラムが他の指導書や教科書と並んで公認されたことにより、今後教育現場や出版業界にどのような影響が出るのか、注目を集めている。

無料オンラインプログラムの内容

 今回公認されたリーディングプログラムは、その名もFreeReadingFreeReading.netから、誰でも無料で教材などをダウンロードし、印刷ができる。登録などは一切必要ない。その内容は、教師の問いかけや進行方法を記載した細かなレッスンプラン、カラフルなピクチャー・カード、指導例を撮影したビデオ音声、約40週間で完結する長期の教育指導案など、実にさまざま。米国のリーディングの授業では、児童小説などを読み物教材として使うことが多いため、FreeReadingでは指導案や教材が主。日本の国語教科書のように「読み物」そのものの掲載はないが、それぞれの指導案や教材に合った本も紹介している。

 FreeReadingを開発したWireless Generationプレスリリース(PDF)で述べられているように、このプログラムにより、教科書や指導書にかかる費用を格段に抑えることができ、その分を他の教材や人件費などに充てることで、より効果的な教育に結びつくという効果も期待できそうだ。もう少しコンテンツを充実させる必要はあるかとも感じるが、FreeReadingのような無料化の動きが他教科の教科書へと広がれば、経費に頭を悩ませている現場の教師や学校にとっては、朗報と言えるのかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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