- きょういくじん会議
様々なメディアを通じて情報が氾濫する現代社会。携帯電話やインターネットを使い、子どもであっても簡単に情報を手にすることができるようになりました。学校関係者や保護者の間では、有害な情報からいかに子どもを守るかについて活発な議論が交わされています。そんな中、千葉県の県立高校では「情報を自分で使いこなす力」を養うことを目的とした授業が行われているそうです。
6月16日の毎日新聞の記事によると、千葉県立千葉高校で政治経済を教える藤井剛教諭は、「新聞から新聞を作る」ことをテーマにした授業を必ず取り入れているそうです。生徒たちは7紙の新聞の中から発信したい情報を取捨選択し、それぞれに異なった新聞をつくり上げます。
この学校に限らず、読解力の強化、社会現象への関心を高めるため、といった理由からも新聞などのメディアを授業に取り入れている学校は多く、NIE(Newspaper in Education;教育に新聞を)の実践校数も増加しています。
先日のきょういくじん会議でもお知らせしたように、6月11日に「青少年ネット規制法」が成立し、18歳未満の子どもがネット上の有害な情報を閲覧するのを防ぐため、携帯電話事業者とPCメーカーにフィルタリングサービスの提供が義務づけられました。子どもに安全なネット環境を提供できる、という見方もある一方で、教育面では、単純に有害情報を規制するだけでは、子どもが情報を手にしたときに、何が自分にとって悪い情報なのか判断できなくなるのではないか、と不安視する声もあがっています。
これからは子どもたちを有害な情報から遠ざけるだけではなく、年齢に応じて子どもたちのメディアリテラシー(多くの情報から自分に必要な情報を引き出し、使いこなす能力)の獲得を支援する教育がますます重要になっていくのではないでしょうか。
- 決定? NIE「実践校513校」 (2007/7/22)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070156