- きょういくじん会議

テレビをつけたら、制服姿の学生達が一生懸命歌っている場面に遭遇、という経験はないだろうか。これはおそらくNHK全国学校音楽コンクールの放映だ。
ちょうど今の時期、NHK全国学校音楽コンクールのブロックコンクールが行われている。
NHK全国学校音楽コンクール、通称Nコンは、小・中・高校の合唱サークルによるコンクールだ。1932年に「児童唱歌コンクール」として開始し、途中戦時中の中断をはさんで今年で第75回をむかえる。
Nコンは、地区コンクール、ブロックコンクール、全国コンクールの3段階からなる。今年、2008年の東京地区を例にとってみると、7月末から8月初めに地区コンクールの予選・本選が行われ、本選の模様が8月末にテレビで放映される。また関東甲信越ブロックのコンクールはちょうど先週末6・7日に開催され、これは9月末に放映される。そして10月11・12・13日に全国コンクールを迎える、という日程だ。
このコンクールに関して少し調べてみたら、なかなか奥が深かったので、ミニ情報をちょっとご紹介。
●100校を超える激戦地区
例年、全国で2300校を超える学校が参加しているが、その中での激戦地区は長野県と福島県。両県はなんと、小・中学校各部門の参加校がそれぞれ100校を超えるという。そんな激戦を制して、全国コンクールの金賞1校(銀1、銅2)をめざすのだ。
●テレビをも席巻
なんと第1回の開催時から小学校部門はテレビ放映されており、現在はいずれのコンクールも全ての部門がテレビで放映されている。地区・ブロックコンクールは該当地域、全国コンクールは全国に放映されている。2000年以降は、小・中・高全ての部門が生放送されるようになった。さすが、NHKが主催しているだけあってメディアでの放映が充実している。だからコンクール名は知らない人でも、テレビで見かけたことがあるという人は結構多いのだ。
●楽譜の入手も激戦?
演奏は、課題曲と自由曲の2曲になるが、部門によっては課題曲の楽譜が早くに完売になってしまうこともあるようだ。再販売までに時間がかかる、となると、戦いは楽譜入手の時点で開始しているようだ。
●今どきのあの人も課題曲を作曲
第1回の課題曲は、当時のコンクール名をみれば当然だが、「冬景色」や「海」などの文部省唱歌だった。過去、曲の公募が行われた時期もあったが、今では全団体が公平になるよう、毎年新曲が委嘱により作曲されている。今年の中学校の課題曲は、作詞・作曲をアンジェラ・アキが担当しており、また近年はゴスペラーズ、森山直太郎が手がけるなど、時代を意識してポップスの作詞・作曲家やシンガーソングライターも選ばれている。
今度、テレビをつけてNコンの放映にちょうど出会ったら、是非これらの前情報を思い出して見てみてほしい。結構面白いかもしれない。