きょういくじん会議
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「家族の日」―2年目を迎えて
kyouikujin
2008/11/10 掲載
GOL立体グリーティングカード・親子ペンギン

 平成19年から、11月の第3日曜日が「家族の日」として定められました(今年は11月16日)。同時に、「家族の日」の前後一週間が「家族の週間」とされています。最近は何かと○○の日、○○週間と耳にします。実施2年目を迎えたこの記念日、浸透具合はどうでしょうか。

 この家族の日は、内閣府による「家族・地域のきずなを再生する国民運動」のアイコンとして設けられたものです。平成19年の取り組みでは、富山県で開かれた全国フォーラムをはじめ、関係団体によってお祭りや親子参加型イベントが多く開かれました。今年も奈良県で全国フォーラムが開かれる予定になっています。いずれの活動も、ねらいは「失われつつある地域による子育て支援」だと理解できます。運動名に込められた「再生」の一言に、その想いが集約されている様に感じられます。
 報告内容では、どの活動も大いに盛り上がりを見せています。しかし、参加しているのは子育てに奮闘される方のごく一部であることを付け加えなければなりません。せっかく家族の日を作ったのであれば、より多くの方にとって、有意義なものであってほしいと思います。

 やや脱線しますが、「母の日」を思い出してみてください。多くの方に認識され、誰も言わずとも、当日になれば思い思いの形で母への感謝の気持ちを表現する―アメリカに倣った形と聞きますが、人の自然な気持ちから成り立っているからこそ、これだけ多く受け容れられ、続いているのではないでしょうか。母の日がきっかけで親子の対話が持てたり、親と子がお互いを考えることができたりするケースは決して少くないと感じます。この点で、母の日の意義は非常に大きいと思います。

 少子化対策の一環として作られた「家族の日」。第二の母の日になり得るでしょうか。皮肉にも、目前に控えた最近では妊婦さんの受け入れ体制に関するニュースが大きく報道され、不安が高まっています。家族の日で啓発したプラスイメージの全国合計よりも、この一つのニュースによるマイナスの方が、子育てというベクトルの上では大きいと感じるのは私だけでしょうか。
 家族の日が一部の方へ向けたものではなく、より広く家族を見つめ直す日になることを願って止みません。その為には、まだまだ政府・自治体の広報活動はじめ、まだまだ向上の余地はあると思います。
 二年目を迎える「家族の日」。今年の11月9日は「家族で食事をする日」にしてみてはいかがでしょうか?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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