- きょういくじん会議

報道では収束に向かっているように見える「口蹄疫」。当地の子どもたちがどんな思いで過ごしているかご存知ですか? 5月31日付の朝日新聞で報道されましたが、宮崎県川南町立東小学校の一人の教師が子どもたちの現状を知ってほしいと、「口蹄疫」の授業をブログで公開中。必見です。
畜産農家の方々の様子は報道を通して伝わってきますが、現地の子ども達がどんな思いで過ごしているのか、先生方がどう対応しているのかはあまり知られていないのではないでしょうか。
そんな中、現地で行われた授業の様子をブログで公開しているのは嶋田雄一教諭です。ブログの冒頭にはこうあります。
口蹄疫の授業 全国でしてみてください
川南町は、ご存じの通り、口蹄疫の影響で大変な状況にある。受け持ちの子どもの家も何軒も感染してしまった。悲しいお便りに何と返事を書けばよいか、困ったことが何度もある。遠足も、PTAバレーも、参観日も、尾鈴山登山も、全て中止か延期になった。昼休みも外で遊べない日が続いた。口蹄疫の影響として、立ち入り禁止の道があちこちにある。
現地の子ども達でさえ、この授業の前には、近所の畜産農家の子がどんな思いでいるか、そのご家族がどんなに大変な目にあっているか、そして友だちがなぜ休んでいるのか、ということにあまり想像が働いていなかったそうです。
しかしこの授業で子ども達は変わり始めます
立ち入り禁止になった道路を平気で通り抜けていたような子が、道路で消毒作業をしている方に「お仕事お疲れ様です。頑張ってください。」と大きな声で言うようになりました。
みんなで「千羽鶴」を折るようになりました。殺処分されていく牛や豚、畜産農家の方々、防疫作業を行っている方々など、心を痛めている多くの方々に向けてです。
この取り組みが全国に知られるようになると、様々な反応があったそうです
自分の学校でも「口蹄疫」の授業をしてみた、子どもにもブログを読ませたい……。ある学校からは、子ども達の感想文が東小学校に届くようになりました。
例えば、国語科の目標にある「思考力や想像力」を育てること、道徳の内容にある「思いやりの心」を育てること、これらは教科書や副読本だけで取り組むことではありません。
リアルタイムで起きている同じ小学生・中学生の大変さを考えてみよう、想像してみようと思える子どもを育てたい、またそのような大人でありたいと感じた記事でした。