きょういくじん会議
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鏡餅は「切らず」に「開こう」 鏡開きのルーツ
kyoikujin
2011/1/11 掲載
オブジェ 鏡もち

 本日1月11日は、正月に供えた鏡餅を開く「鏡開き」です。

 お供えした餅を割る「鏡開き」は本来、武家社会の風習だったものが一般化したもの。武家では正月に鎧や兜(具足)の前に餅を供え、その餅を下げて雑煮にして食べることを「刃柄(はつか)を祝う」と言いました。武士が具足の櫃を開く、仕事始まりも意味しました。刃物や「切る」ことを避ける為、木槌などで叩いたり、手で「開き」ます。
 「はつかを祝う」の言葉通り、元来は20日に行われていたのですが、徳川家の3代将軍である徳川家光が4月20日に亡くなったので、11日に変更されたと言われています(今でも20日に行われる地方もあります)。

 餅は「年神様」に供えたもので、鏡開きは門松や松飾りを飾っておく期間である「松の内」が終わったら、行うものとされています。門松や松飾りは年神様がいる目印なのです。「お供えしてある餅をなぜ早目に食べてはいけないの?」と幼い頃に思ったこともありましたが、こんなところに理由があったのです。
 正月に参拝する初詣も、一般的にはこの年神様がいらっしゃる「松の内」に行うようです。
 この割った餅を食べることを「歯固め」とも言います。硬いものを食べることで歯を丈夫にし、長寿を祈るためと言われます。

 ちなみに、新年会や結婚式で酒樽の蓋を開くことも、酒樽の蓋を鏡と言うことから「鏡開き」という場合がありますが、本来は「鏡抜き」だそうです。“開く”の方が縁起が良さそうですね。

 年明けの授業で、このような正月行事の由来に触れてみるのも面白いかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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