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1 10月に見えてくる「ほころび」
2学期も半ばが過ぎようとしています。この時期、運動会や文化祭・学習発表会など、さまざまな行事があります。
特に運動会前は、子供も教師も非常に活動的になります。朝から体育着に着替えて大汗をかいて一日が過ぎることもあるでしょう。
行事に向けて“燃える”のは、いいことです。学級が、学年が、そして学校全体が一つの目標に向かって一丸となって進む雰囲気が生まれます。
活動的なのはいいのですが、ややもすると、それが落ち着きのなさにつながってしまうこともあります。小さな「ほころび」が、やがて学級内の大きな乱れへと広がってしまうのです。
学級が崩れかかってくると、学級内の秩序が乱れ、わがままなで身勝手な言動が目立つようになります。
2 教師ができる「定型に従った」リズムづくり
そうならないために、教師の心がけ一つで実行できる方策があります。
それは、一日(一週間)の学校生活のリズムを崩さないことです。
大きな行事が終わると、その後片付けや活動のまとめなどの時間も必要かもしれません。「振り返り」を行い、自分たちの学びを価値づけることも意義のある学習です。けれども、事後の指導に時間をかけすぎてはいけません。早く「いつもの学校生活」のリズムにもどし、子どもたちに学期末・学年末を意識しためあてをもたせていきます。
行事に向かう時期も同様です。行事の練習に振り回されてはいけません。週予定に位置付けられた練習時間をきちんとこなし、教科等の授業は計画通りに普通に実施します。つまり、朝の会で「おはようございます」をして、帰りの会で「さようなら」をするまで、時間割通りの一定のリズムで過ごすようにします。定型に従った学校生活を送れるようにするのです。
「定型に従う」というと、何やら窮屈な感じがするかもしれませんが、実はそうではありません。私たちは(子供たちも)、ある程度規則性をもったものに安心感を覚えるものなのです。
学級の乱れは、例えば、忘れ物の増加に表れます。心が乱れて、そして、生活態度が乱れているのです。
乱れているときには、何かをそろえてみましょう。
まずは、机の中の整理整頓です。机の中の引き出しを、机上に置かせてみてください。忘れ物の多い子の机の中は、ぐちゃぐちゃになっているはずです。
ロッカーの中には、きちんとランドセルが入っていますか。
物かけから、服や袋が落ちていませんか。
忘れ物が多いと、担任は、「しっかりメモを取らせよう」「連絡帳をチェックしよう」と、まず考えるかもしれません。
でも、それは、対処法であって、解決法にはなりません。
規範意識は、身近な整理整頓から育ちます。きれいに整えることによって清潔観念が育ちます。そして、生活態度に落ち着きが生まれ、忘れ物も減ってくるのです。
忙しい時期こそ、日常を大切にしましょう。
穏やかな日常があるからこそ、安心して大きな目標に向かって進むことができるのです。