- 教育オピニオン
- 学級経営
4月下旬は参観や懇談会が終わってゴールデンウィークが目の前になり、ようやく一息つける時期です。新しい学級の人間関係に慣れ始めた子どもの実態(本性)も見えてきます。年間を通した目標を定め、日々の実践に取り組みましょう。
本稿では、お休み前・中・明けに取り組むダンドリ術をお伝えします。まずは「子どもに寄り添う学級経営のためのお休み前からのダンドリ」、そして「学級のことが頭をよぎるお休み中のダンドリ」、さらに「誰もが取り組むべきお休み明けからのダンドリ」。これらは、ゴールデンウィークに限らず、長期休暇の前・中・明けに取り組むこともできます。また、教師の力量を飛躍的に高めることにもつながります。
子どもに寄り添う学級経営のためのお休み前からのダンドリ
1年間で学級の子どもたちを「最高の子ども像」(年間の目標)に近づけられる方法を、逆算的に考える。これを教育のバックキャスティング(逆算思考)といいます。これに取り組むことで、最高の子どもに育てるための階段が見えてきます。
最高の子ども像を見つける先生と子どもの共同作業では、バックキャスティングを行うために、ソクラテス式対話法で対話してみましょう。
学校におけるソクラテス式対話法とは、先生が子どもから教えてもらう立場をとる対話法です。考える主導を子どもに委ね、子どもから出た考えをまとめることで、子どもの自律を促すことができます。
先生がソクラテス式対話法を通じて、子どもに教えてもらう姿勢を練習することで、子どもの考えを引き出し、自律へと導く指導を身につけることができます。
学級のことが頭をよぎるお休み中のダンドリ
子どもの様子や懇談会の話を踏まえ、先生が「子どもたちがこうなるといい」と思う理想をノートに書きます。
例えば、「先生が話をしているときは最後まで聞く」とします。日々の実践では、「話の途中で割り込みをされると嫌だよね。先生など人が話をしているときは、終わってから手を挙げて話をしようね」と毎日伝えます。そして、話が終わって手を挙げている子どもを褒める。それが子どものルールを守る動機づけとなります。これにより、子どもの言動が少しずつ変化していきます。「変化に気づけば即座に褒める」。ここがポイントです。
理想が浮かばないときは、余裕がないときです。そのときは、自分がストレスを感じている子どもの言動を挙げてみましょう。そのストレスを解決することが心の余裕につながり、子どもに目が行き届くようになります。
誰もが取り組むべきお休み明けからのダンドリ
学級のことが気になりながらも、気がつけばお休み明け。「教師である自分が不登校になりそう」。そう感じてはいませんか? 子どももお休み明けは同じ気持ちでしょう。
特に長期のお休み明けは、子どもたちは学級のルールを忘れがちで、トラブルにつながりかねません。そこで一番効果がある指導は、挨拶・言葉遣い・時間・掃除(雑巾の始末)です。
これらのダンドリは、「先生が計画的に考えて我が子に関わってくれたのだな」という説得力を与え、保護者の信頼につなげることもできます。この体験を積むことで、教師としての成長につながっていくことでしょう。