- 特集 日本一の学力を支える“家庭学習エキス”
- 〈巻頭特集論文〉学テ日本一秋田に学ぶ算数教育の課題
- 秋田に学ぶことは,かつての日本の教育の底力を学ぶこと
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- 【緊急調査&検証】秋田はなぜ学力日本一なのか
- 秋田の当たり前は他県の当たり前ではなかった
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- 日本一の学力を支える秋田の「授業」
- 習熟の時間を確実にとることで子どもの力を伸ばす
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- 日本一の学力を支える秋田の「家庭学習」
- 家庭学習の量と内容,そして実際
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- 家庭学習の土台作りは1年生が肝心
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- 北陸の教師発・こうして学力を伸ばした
- 教科書を使ってきちんと授業をする教師の姿勢と,宿題を真面目にする風土がある
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- 算数教科書を積極的に使うこと
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- ミニ特集 定着させたい“算数用語・記号”チェックのコツ
- [1年]お金とそろばんでイメージさせる
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- [2年]チェックは視覚的に!
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- [3年]楽しい!簡単!唱えて覚えて定着!
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- [4年]「垂直」「平行」は作図もできないといけない
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- [5年]通分,約分ができない理由をなくし,定着を図る
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- [6年]用語・記号は基本となる型を教え,楽しく習熟させる
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- 表紙のイラスト (第36回)
- 問題:長方形ABCDで、頂点BとDがちょうど重なるように折りました。青色●印の角の大きさを求めましょう。
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- グラビア
- 高段者直伝! 算数は学力の主戦場である
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- イラスト競演!向山型算数ハイライトシーン (第12回)
- 「先生、こんなわかりやすいもの、なんで今まで教えてくれんかったん?」
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- びっくりドッキリ!当世教育事情 (第12回)
- 教師の指導に「子どものときに習った方法と違う」と口に出す保護者
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 人との出会いが自分を成長させる
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- 教科書3割増に対応する学年別教科書の教え方 (第23回)
- 1年「ずをつかってかんがえよう」
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- 1年「ずをつかってかんがえよう〜おおいほうすくないほう」
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- 2年「たし算とひき算」
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- 2年「はこの形」
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- 3年「間の数に目をつけて」
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- 3年「そろばん」
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- 4年「直方体と立方体(定義・展開図)」
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- 4年「直方体と立方体(面や辺の垂直・平行,見取り図)」
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- 5年「分数のかけ算とわり算」
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- 5年「角柱と円柱」
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- 6年「『算数卒業旅行』(ミステリーコース)」
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- 6年「『算数卒業旅行』(国際コース)」
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- 初心者のための基本技レベルアップ講座 (第12回)
- 算数は「暗記科目」という主張を広めていこう
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- 「論文審査」突破力をつける (第12回)
- 「バックボーンとしての論理」をしっかりさせるために,「論文審査」への応募はまたとない修業だ
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- 算数教科書教材に挑戦/論文審査 (第172回)
- 向山は位置・座標の授業をいつから考えていたか
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- 向山型算数実力急増講座 (第174回)
- 世界に通用する向山型算数の教え方
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- 〜パッと見てわかる図や計算〜
- 向山型算数WEBサロン (第168回)
- 向山型算数で学ぶ子どもたちは意欲的に家庭学習にも取り組む
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- 甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第60回)
- 算数の「授業デザイン」の提案 提案には自己評価ができることが必要である
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- 難単元は,既習スキルの集合体である
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- 中・高・塾教師の告発状!学力不足がもたらす悲惨な実態 (第24回)
- プライドを傷つけない「わかる」「できる」授業
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- 「学び合い」の実態
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- 発達障害への林ドクター教育コーチ!教師が切れた発達障害児の言動Q&A (第60回)
- お目こぼしに文句を言う子もお目こぼしする
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- <子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第48回)
- 低学年/「10→20→30チャレラン」
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- 中学年/「四角形チャレラン」
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- 高学年/「直方体の体積公式チャレラン」
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- あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第48回)
- <今月のテーマ>別れの前の楽しい授業 子ども熱中の難問・良問
- [低学年]低学年でもできる「ハノイの塔」の授業
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- [低学年]どの子も1問解くことができる問題
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- [中学年]A君を瞬時に変えた「難問」
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- [中学年]意外と難しい。四角形はいくつ?
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- [高学年]「難問・良問」でどの子も熱中
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- [高学年]メッセージを込めた難問を出題
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- 「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第60回)
- 4年生での向山型算数との出会いで,算数ができるようになったA君たち
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- すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第36回)
- 教師の説明が短くてすみ,ちょっとしたすきま時間でできる図形問題
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- プロが解説!教材研究「基本用語」事典 (第12回)
- キーワード「形式陶冶」
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- 向山型文章題指導とロマン
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- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 荒れた授業が激変!
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- 写す指導がA君を満点に導いた
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- 12月号
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- TOSS最新情報
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- 絶好のタイミング!新年間計画の特集
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- 「子ども算数検定」に挑戦! (第12回)
- 3月
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- 算数教科書教材に挑戦/指定教材 (第174回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 人との出会いが自分を成長させる
/向山 洋一
TOSSの冬合宿に安倍総理からのお祝いのメッセージが届いた。
冬の合宿は,熱海の後楽園ホテルタワー館(10階建て)を貸し切りで開かれる。
参加者は650名余。全員自費での参加である。沖縄から北海道まで,全都道府県からの参加者がある。TOSS学生サークルの大学生も50名近くが参加している。全体会会場での数々の授業。わずか10分の授業時間に,日本の最先端の内容が込められている。
とりわけ,靖国神社の授業は,参加者全員の心をつかんだ。靖国神社に,外国の政府機関として,正式に参拝した国はどのくらいあるだろうか? 驚くべき数字だ。隣国の2つの国を除いて,ほとんどの国の政府代表は正式に参拝しているのである。
靖国にA級戦犯はまつられてない。そもそも第2次世界大戦の「戦犯」とされた人々は,国連の全参加国の決議によって,「戦犯」を解除されているのである。
もちろん,隣の2つの国も賛成している。
教師こそが,こうした大切な事実を日本の子どもたちに授業すべきなのである。
終わった後,分科会が次々と開かれる。参加者のほとんどか密度の濃いレポートを持参しているから,何センチもの厚さのレポートが手元に残る。全国の最先端の情報がそこにはある。
ヤフー,グーグル,郵便局,出版社,総務省,各企業など50名近くの来客も参加している。ミャンマー,カンボジアからの参加者もいる。沖縄教育特区のテーマもとりあげられた。ヤフーとの協力体制も確認された。
その後のパーティー,2次会,3次会と,全国の参加者が交流していく。
自分の存在を感じるのである。
授業も同じだ。
授業の中に「自分が存在している」ということこそ,すべてのことに優先して大切なことだ。
「自分が存在している」という実感こそ,人間として成長していく土台である。
「自分の存在を疑った」とき,「自分の存在が実感できなかった」とき,人間の心は崩壊を始める。
暴力,キレル,反抗,拒食,不登校,ありとあらゆる崩壊が顔を出す。
教室の中で「存在感を実感できない子を見つける」こと,教室の中には「すべての子が存在している活動をつくり出す」こと,「授業の中でも,一人一人の成長を導いてやる」こと,これは,教師の大切な仕事だ。
教師の仕事は,これしかないと言っても過言ではない。
個性を伸ばすこと,能力を開花させること,自主的な子を育てること,こうしたことは,もっと後のことだ。
「自分が存在している」ことを,授業の中で,その他の教育活動の中でつくることこそ,教師の第一の仕事だ。
算数の問題解決学習の犯罪性はここにある。
問題解決学習で「存在感のある」子は,気のきいた2,3割の子だ。
問題解決学習は「できる子」に頼り切った授業だ。
勉強のできない子は置き去りにされる。「ヒントカード」や「個別学習」の「とりつくろい」でごまかしている学習だ。
テストで5点,10点をとった子が,1人として80点,90点をとるようになったことはない。
向山型算数では,これまで5点,10点の子が,80点,90点,100点をとるようになった例が山ほどある。
子どもと親から感謝の便りもいっぱい届く。
それは,一人一人の子が存在するような学習システムがあるからだ。
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- 明治図書