- 特集 特性・ニーズで見つかる その子にピッタリの運動支援
- 特集について
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- 概論
- まずはその子を知ろう!支援につなげるための運動発達の理解
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- 実践 1.〈発達段階&障害特性〉子どもの運動発達を促す!とっておきの実践モデル
- 【ムーブメント】
- 1〈特別支援学校・小学部〉ロープを使った運動を通して「あたま・からだ・こころ」を育てる〜自分の体と周りの空間や位置関係、ものの操作性、人との関わり方〜
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- 2〈特別支援学校・中学部〉ムーブメントで笑顔を!子どもたちが動きたくなる!動いてみたくなる授業づくり〜知的障がい特別支援学校中学部でのムーブメントプログラム〜
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- 3〈特別支援学校・中学部〉ボール運動が苦手な子どもへの支援〜ボール以外の道具を使って楽しく投運動感覚を育てよう〜
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- 【感覚統合】
- 4〈特別支援学校・中学部〉日常動作の基礎をつくって豊かな活動につなげよう〜知的障害児への運動支援〜
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- 5〈特別支援学校・高等部〉からだの動きとことばを結びつけ、ボディイメージを育てる
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- 6〈小学校・通級指導教室〉楽しく活動しながら感覚の統合を!〜通級教室における感覚統合の視点に立った運動遊び〜
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- 【運動一般】
- 7〈特別支援学校・小学部〉指導の系統性を大切にした体育の授業づくり
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- 8〈特別支援学校・小学部〉こころやからだを育てるために〜土台を築く自立活動〜
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- 9〈特別支援学校・中学部〉中学部段階における球技の取り組み
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- 10〈小学校・特別支援学級〉多様な課題に対応できる体育の授業づくり実践例
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- 実践レビュー 2.実践モデルをレビューする!現場で役立つプロからのアドバイス
- 1 知的障害のある子へ「ムーブメント教育・療法」の視点から〜子どもの全体性に着目した運動支援のあり方〜
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- 2 発達障害のある子への「感覚統合」の視点から〜感覚統合を特別支援教育に活かすために〜
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- 3 脳性まひなど運動障害、重度重複障害のある子への「動作法」の視点から
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- 楽しく学ぶ簡単手作り教材 (第26回)
- 〈吹き流し〉迫力の動きに思わず注目!
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- 不器用な子どもたちの手の土台作り 手の感覚と運動を育む (第2回)
- 違いがわかりにくい子どもたち
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- ズームアップ! (第2回)
- 個性を引き出し、育てる教育力への期待
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- ソーシャルスキルの教材を活用した指導
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- 〜発達障害等のある生徒への支援〜
- 自前イラストでちょこっとSST
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- 〜子どもたちの「今」に応えるために〜
- 授業を面白くする手づくりグッズ
- ジャンケンできる楽しさを味わわせよう
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- 〜自作教材「ジャンケンマシーン」の活用〜
- サイコロ入れ
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- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】特性を生かした指導
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- 〜「叙述に即して読み取ろう」説明文〜
- 【算数・数学】自己認知力につながる計算練習
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- 【造形】個性や発達に即した造形活動
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- 〜粘土制作〜
- 【音楽】気づき 感じ つながりあい そして響きあう音楽活動を
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- 〜兄弟や友だちと楽しめる身近な音楽を活用し余暇活動へ〜
- 【運動】他の生活場面や趣味に生かせる動きを学ぶ
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- 【自立活動】「なぜ?」から始める自立活動
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- 〜落ち着いて椅子に座っていられないのはなぜ?〜
- 「家庭との連携」で支援力アップ (第2回)
- 温かな連携を目指した共通理解のための面談と連絡帳の活用
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- 「医療との連携」で支援力アップ (第2回)
- スタートライン―連携により子どもの実態をつかもう!
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- トピックス (第38回)
- 「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第一次まとめ)」の概要 他
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- フォトライブ「授業」Part25/岡山大学教育学部附属特別支援学校 (第2回)
- 中学部/総合的な学習の時間
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- 〜キャリア教育の充実を目指す授業づくり〜楽しい活動を通して、地域の方と交流〜〜
- 授業がはずむ なるほど!情報館 (第2回)
- マイペースかるたであそぼう!
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- 〈SSTエクササイズ〉ちょこっとパッケージ (第5回)
- コーナー監修
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- やりとりが苦手な子
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- ライブ講義で考える (第2回)
- (1)二次障害の防ぎ方 教室で暴言・反抗・否定的態度が見られたら
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- 〜Lesson2 周囲の関わり方の大きな変化×子どもの混乱=関係性の悪化〜
- 巡回相談Q&A (第2回)
- 保護者を交えた多職種ミーティングの開催
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- 授業をみがく!学習指導案づくり (第2回)
- 個別支援を充実させた数学の一斉授業のあり方
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- 文字・かずのレディネス指導と教材 (第8回)
- 〈ワーク編〉平仮名の読み・書き
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- 重度・重複障害のある子への運動・認知発達支援 (第8回)
- 運動で形を認知する、なぞって形を認知する
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- 編集後記
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- すぐに使える! 絵カードで視覚支援 (第2回)
- 着替え
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特集について
特別支援教育の対象となる子どもたちは,発達段階の幅が広く,障害の特性も一人ひとり異なるため,その特性やニーズに合わせた支援を検討していくことが必要です。また,知的障害や発達障害のある子どもの中には,全身を使用した粗大な運動が苦手であったり,手指を使用した細かな協調運動に困難を抱えていたりすることが少なくありません。体育の授業では「なわ跳びやボール運動が苦手」「スキップができない」など,また日常生活では「雑巾がけがうまくできない」「靴ひもがうまく結べない」などの様子が見られます。
こうした運動面の問題は成長と共に改善されていくこともありますが,成人期になってもなかなか改善されず,日常生活に支障をきたしたり,そのことが原因で精神的なストレスを助長させてしまったりするケースも散見されます。
また,運動面の支援においては,発達的な視点で活動内容を検討していくと共に,一人ひとりの障害特性に合わせた支援のあり方を検討していくことも重要です。例えば,ダウン症の子どもたちは生まれつき心臓疾患を抱えている場合が多く,低緊張や首の頚椎の問題もあるため,下肢や首の筋力が十分育っていない段階で,高いところから跳び降りたり,介助なしでマットの前転運動を行ったりすることには危険が伴います。体が成長し,体力や筋力が育つ時期まで,こうした運動に関しては特に配慮して取り組むことが大切でしょう。
前述のように,障害のある子どもの運動面の問題は発達段階や個々の障害の特性によってかなり異なってきます。しかし,身体的な活動に楽しく参加し,意欲的に取り組むことで,運動の機能面のみでなく,集団活動を通した社会性などの面での発達が見られることも事実です。
そこで,本特集では,障害のある子どもの運動面について,運動発達の視点を踏まえながら,個々の障害特性に配慮した支援のあり方を考えていくことにしました。体育の授業をはじめ,自立活動や日常生活の指導など,日々の実践に役立てていただければと思います。
特別支援教育の実践研究会/宮ア 英憲/是枝 喜代治
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