- はじめに
- 1 教室経営でラクラク仕事術
- (1) 教室・廊下の掲示物は効率的・効果的に
- (2) 100均かご・鉛筆ファイル・ファイルボックスで整理整頓
- (3) グッズいっぱい「教室ワンダーランド」計画
- (4) 学級通信はいっぱい撮影,写真でうめる
- コラム「お仕事忍法帳」1 朝早い出勤は仕事がはかどる
- コラム「お仕事忍法帳」2 職員室での仕事はどうしても遅い…?
- 2 授業はこれでこんなにラク!
- (5) 「首回転」「へそ回転」と立腰指導で学習規律
- (6) 社会見学や調べ学習は壁新聞でまとめ
- (7) ダウンスキャンコンバータでパソコン画面を投影
- (8) 実物投影装置で何でも即投影
- (9) プロジェクター活用で授業が劇的に変わる
- (10) 「発表フォーマット」できちんと「おたずね」
- コラム「お仕事忍法帳」3 こんなプロジェクターが超便利
- 3 合科的授業で時間を節約,効果抜群!
- (11) 国語と音楽の時間で劇と合奏をしよう!
- (12) 社会科と総合の時間で地図を作ろう
- (13) 国語と総合で点字と手話の調べ学習
- (14) 社会と国語でニュース番組作り
- コラム「お仕事忍法帳」4 エレクトーン演奏で朝の歌はバッチリ!
- 4 学力補充はこれでこんなにラク!
- (15) 学習の到達を掲示してチェック
- (16) 計算のアルゴリズムはきちんと掲示
- (17) 新出漢字はポスター裏に1枚ずつ掲示
- (18) 市販の漢字ドリルで毎朝漢字テスト
- (19) 形成テストで補充学習
- (20) 「チャレンジ計プリッこ」ですいすい復習
- 5 体育授業は録画とDVD化でラクラク
- (21) 水泳フォームをデジタルカメラでチェック
- (22) マット運動や跳び箱の技をビデオで研究
- (23) なわとびの技をDVDにして編集して公開
- (24) 運動会のダンス・組体操をビデオで撮影し練習
- 6 パソコン活用で授業はラクラク
- (25) ネットは辞典と図鑑の宝庫,出勤したらすぐに即パソコンオン
- (26) パワーポイントでらくらく算数授業
- (27) パワーポイントデータでらくらく算数ワークシート授業
- (28) パワーポイント授業では黒板を半分に分割
- (29) フリーソフトウェアでシミュレーション
- (30) キーボード練習でサクサク入力
- (31) 作文はパソコン入力ですべてデジタル化
- コラム「お仕事忍法帳」5 スーパーポインターで遠隔操作
- 7 パソコン活用で校務はラクラク
- (32) 表計算で成績・要録・会計・家庭環境票も一覧
- (33) データの持ち帰りはメールとデジカメメディアで
- (34) ネーミングルールでファイル・フォルダ管理
- (35) 校内LANにログオン
- (36) PDFでラクラク文書管理
- 8 デジタルカメラのラクラク活用法
- (37) 撮影即再生 超簡単スライドショー
- (38) 教室にいながら簡単写生
- (39) 観察記録はデジタルカメラで
- (40) デジカメ係で毎日の画像日誌
- コラム「お仕事忍法帳」6 授業撮影はNOビープ,NOフラッシュで
- 9 夏休み前,冬休み前はこれでラク
- (41) 四行日記で休業中の生活
- (42) 夏休み(冬休み)の福袋で宿題をひとまとめ
- (42) お持ち帰り袋で図工作品を持ち帰り
- (43) 自由研究やポスターは夏休み前に指導
- (44) 暑中見舞い・年賀状で子どもの様子を確認
- (45) フリーメールで休業中の様子確認
- コラム「お仕事忍法帳」7 教室にも自宅書斎にも複合機設置
- 10 読書指導はこれが便利でラク
- (47) プロジェクターで読み聞かせ
- (48) 「○○文庫」で本を管理
- (49) 朝学習や給食の待ち時間を読書タイムに
- (50) 読書記録で互いに競争心
- (51) 地域の方に読み聞かせボランティアを依頼
- 11 必携 便利グッズで時間節約
- (52) スペア式の採点ペンで経済的に!
- (53) 手元に置いておきたい国語辞書
- (54) 楽しいスタンプで提出物チェック
- (55) プラスチック4段レターケースで整理
- (56) キッチンタイマーで時間節約
- (57) 教室の荷物は洗濯かごで
- コラム「お仕事忍法帳」8 職場と書斎を同じパソコン環境に
- 12 黒板 便利グッズで効果抜群!
- (58) 黒板暗線がない黒板は,緑色のマジックで
- (59) 愛用の黒板用定規を(教師用定規)
- (60) 人数分の磁石で黒板に掲示
- (61) 黒板用ネームプレート使い方さまざま
- (62) 蛍光チョークで重要ポイントを提示!
- (63) 指の形をした指差し指示棒
- コラム「お仕事忍法帳」9 なぜだか教師は会議下手
- 13 揃えたい 便利グッズで効果抜群!
- (64) 掲示には欠かせない便利な脚立!
- (65) 時計は数字が書いてある物を
- (66) 鉛筆削りは学年に応じて
- (67) 色々使える新聞紙
- (68) 名前シールで持ち物をはっきりと!
- (69) 手作り書画カメラでノートを拡大!
- (70) ミニ放送局で離れた映像を拡大!
- 14 学級の振り返りはこれで抜群!
- (71) 学級の思いを学級目標として掲示
- (72) 学級の高まりを足跡掲示物で
- (73) 選挙の投票用紙はポストイットで
- (74) 落し物は記名の日を設ける
- コラム「お仕事忍法帳」10 人のいやがる仕事をさっさと気軽に引き受け
- 15 給食でラクラク仕事術
- (75) 給食の配膳時を効率的に
- (76) 給食の配膳時に全員マスクを
- (77) 給食で残ったデザートを公平に分配
- (78) できるだけ残さず残さいもなく
- コラム「お仕事忍法帳」11 さっさと帰って家でゆったり
- 16 掃除はこれでこんなにラク
- (79) 掃除はおがくずをまいて練習
- (80) 雑巾が正しく使えると教室がどんどん綺麗に
- (81) 雨の日は,新聞紙でガラス拭き
- (82) 小ほうきで,ゴミをちりとりへ
- コラム「お仕事忍法帳」12 代休と超勤回復は完全取得
- 17 休み時間,少しの工夫で効果抜群
- (83) 学級経営の一環として学級遊びを計画
- (84) 余った紙で多様な遊び
- (85) 雨遊びの決定版,トランプ遊び
- (86) 雨の日の休み時間は折り紙などで
- コラム「お仕事忍法帳」13 掲示用ポスターはきちんと保管して活用
- 18 緊急時 便利グッズで効果抜群!
- (87) もどしたり,汁をこぼしたり便利なおがくず!
- (88) ちょっとした傷には便利な応急セット!
- (89) 裁縫道具で,ボタン直し
- (90) 意外とよく使う瞬間接着剤ゼリー状
- (91) 授業を中断させない便利な虫取り網!
- (92) 濡れたものはハンガーで解決
- コラム「お仕事忍法帳」14 早起きは三文以上の超お得
- おわりに
はじめに
今,学校の先生たちは,間違いなく歴史上最高に「忙しい」毎日を過ごされていることと思います。「昔はもっとのんびりしていた」「毎日余裕があった」そんな思いをもつ中高年のベテランの先生も多いことでしょう。先生のいい意味での「のんびりさ」は授業にも学級経営にも生徒指導にも余裕や遊び心を生み,子どもといい関係を保てるものだと思うのです。
ところが授業の準備はもちろん,種々の会議に報告書,多い出張,保護者との対応など授業が終わっても気の休まるときがありません。ことに最近話題にされている「モンスターペアレンツ」対応など,先生の時間だけでなく心のゆとりを大きくすり減らしている要因は数多くあります。
「これもやらないと」「あれもまだできていない」「教室の掲示は」「テストの準備は」と勤務時間を終了しても職員室には遅くまで電灯がついています。疲れ切って家に帰っても,いわゆる「風呂敷残業」でノート点検と作文添削,テスト採点に学級通信とゆったり食事をする間もありません。気がついたら我が子はすでにベッドの中。家族との団らんも無いままに力を振り絞って,最後の丸付けを済ませ,床につくのはすでに「明日」になってからと言う方も多いのではないでしょうか。ほとんどの先生方は疲れを残したまま次の日の勤務に向かわれています。
誰もがそうなので,それが「当たり前」になってしまい,特に不満もなく過ごしている先生も多くおられることでしょう。ところが,中には多くの仕事を抱えているはずなのに,定時になると「お先に失礼します」とさっさと家路につこうとする先生も現実にいるのです。なぜだかうまく時間を使い,書類の提出期限もちゃんと守っているし,クラスでは特に問題もなさそうだし,結構楽しそうに毎日過ごされているし,たまに「おおっ」とびっくりするようなことをイベント的にやってのけたりする…,そんな先生に出くわしたことがありませんか?なぜだか心に余裕がありそうなのです。なぜだか楽しく仕事をしていそうなのです。それでいてけっこうやることはやっているのです。その上でさっさと帰っているのです。
決して筆者がその「要領のよい教員」であるということを吹聴するわけではありませんが,ちょっと考え方を変えたり,勤務のスタイルを変えてみるだけで実は仕事が大きく変わって見えます。筆者2人はどちらも同年代の教員ですが,共通項は新任で中学校勤務だったこと,途中で大学院に現職で入学したこと,その後小学校に異動したこと,なのです。同じように誰も進めるわけではありませんが,考え方を似通わせることはずいぶん簡単です。中学校勤務で定時に帰れることはまずありません。休憩,休息,土日の休みだってほとんど取ったことはないのです。それどころか生徒指導で夜中でも呼び出されたり,正月に実家に帰っていても「来てくれ」と言われたり,進路事務の頃は何度も学校で朝を迎えていました。当然部活動でも顧問をこなし,練習に試合にと選手を引率し指導します。そこから得られる喜びも確かにありますが,「時間」「余裕」「家庭」と言うことを考えると,どうしてもライフスタイルを考えてしまいます。小学校に初めて赴任したとき,「もっと効率よくできるのに」「会議はこの半分の時間で終えられる」「休憩も代休も完全に取得できる」そう何回も思いました。また,教室掲示や学級経営,教科指導もうまく統合し,有機的に結びつければ短時間で済むし,もっと子どもたちを動かせる,そう何度も考えたものでした。中学校に比べ小学校は無駄が多いとは言いませんが,必要以上に丁寧なことからかえって教師に余裕をなくしているのではないか,そう考えることが多くなったのです。筆者(國眼)は中学校勤務14年小学校8年ですが,この8年間に効率と統合,時短と観衆効果を考えた取り組みをいろいろ考えてみました。それは教室へのものの持ち込みであったり,コンピュータの活用であったり,廃品利用と教科の合科指導であったりとさまざまですが,一貫してとらえているのは「最小限の労力で最大限の効果」「少費用で大活用できるもの探し」「子どもや同僚に『おっ』と言わせる観衆効果」なのです。
この本を読んだら必ず「定時に帰れる」という訳ではありません。数年考えて実践した筆者らが今,「定時に帰っている」という現実を踏まえて,できるものは実践し,無理なものはさっさとあきらめる,そういった使い方をしていただければ嬉しく思います。
2008年5月 著者 /國眼 厚志 /水野 宏也
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- 明治図書
- 仕事の容量や工夫が分かりやすい2023/12/140代・小学校教員
- この本を見て、プロジェクターを買いました。あと、いろいろと真似しています。便利になると、もうアナログにはもどれません。2018/9/2340代・小学校教員