- はじめに
- 第1章 よりよい授業づくりを支えるノート指導の五つのポイント
- 1 よりよい授業づくりを支えるノート指導の五つのポイント
- 2 「よりよい授業づくりを支えるノート指導の五つのポイント」を満足したノート例
- (1)年間指導計画的な観点を持つ[学期つなぎ・学年つなぎ]―年間を見通せるノートになっているか?―
- (2)「つけたい言葉の力」を見通して授業をつくる―つけたい力を目に見える形にするノートになっているか?―
- (3)学びのめあてをくだく―子どもの状況にふさわしいノートになっているか?―
- (4)「伝え合い」の場を繰り返し設ける―「伝え合い」の過程が記録されたノートになっているか?―
- (5)「メタ認知」まで導き学びの自覚化をうながす―つけた力を目に見える形にするノートになっているか?―
- 3 押さえておきたい! ノート選び・文具選びの基礎・基本
- 1 1年生のノート選び―発達段階や用途に応じてノートを選択―
- 2 2年生以降のノート選び―発達段階や用途に応じてノートを選択―
- 3 ノートに関する文具選び―必要なものチェックリスト―
- *コラム* ノートづくりの問題点と重要性を物語る二つのエピソード
- 第2章 具体例でよくわかる! 教材別ノートモデル40
- 1年生
- ノートづくりの基本@ 絵ノートから文字ノートへ
- ノートづくりの基本A どのように書いたかを意識させる工夫を
- ノートづくりの基本B 語彙を増やす工夫を
- ノートづくりの基本C 「量」から「質」へ展開する工夫を
- ノートづくりの基本D カタカナの練習―留意点を書き込ませる―
- ノートづくりの基本E 漢字の練習―留意点を書き込ませる―
- ノートづくりの基本F 音読のワザ―子どもから引き出す―
- 1 「いろいろなふね」
- 2 「たぬきの糸車」
- 2年生
- 1 「音やようすをあらわすことば」
- 2 「かん字のひろば」
- 3 「はがき新聞」から日記のワザを見つける
- 4 「どうぶつ園のじゅうい」
- 5 「スーホの白い馬」
- 3年生
- 1 詩「どきん」
- 2 「自分をしょうかいしよう」
- 3 「せつめい書を書こう」
- 4 「もうどう犬の訓練」
- 5 「木かげにごろり」
- 6 「海をかっとばせ」
- 7 「ちいちゃんのかげおくり」
- 4年生
- 1 「白いぼうし」
- 2 「三つのお願い」
- 3 「こわれた千の楽器」
- 4 「みんなで新聞を作ろう」
- 5 「ごんぎつね」
- 5年生
- 1 「意見を整理しながら目的に向かって話し合おう」
- 2 「新聞を読もう」
- 3 「のどがかわいた」
- 4 「大造じいさんとガン」
- 5 「わらぐつの中の神様」
- 6年生
- 1 「カレーライス」
- 2 「生き物はつながりの中に」
- 3 「やまなし」
- 4 「海の命」
- 支援の必要な子どものノートづくり 6年間の学習を生かして「卒業論文」作成
- @学習計画を立てる
- Aページ番号と行だけを書く
- Bベン図で三つの作品を関連づける
- CQ&A方式のまとめ方を生かす
- D伝え合いが子どもの学びを支える
- *コラム* 学習指導要領とノート指導の関係
はじめに
ノート指導が変われば授業も変わる―「ノート指導」は授業実践の重要な要素―
■ノート指導が充実すれば授業実践自体も変わっていく
本書は、研究会「国語教育の実践と研究をつなぐ会」(「つなぐ会」については奥付をご覧下さい)のメンバーが分担執筆したものです。執筆者たちは、原稿執筆の過程において、自分の学級の子どもたちのノートを「つなぐ会」例会の際に持ち寄りました。実物提示装置によってスクリーン上に拡大提示されたノートを見て、参加者からは、「めあてがくっきりしている」「学習計画を子どもといっしょに立てている」「身につけた力を子どもが書いている」などの声が起こりました。
執筆者たちは、子どもにしっかりとした力を身につけさせるノート指導を行うことについて、改めて考えるようになりました。「子どもとともに学習計画を立てること」、「本時のめあてを明確にすること」、そして、授業の流れがぶれそうになるともう一度めあてに戻ればよいこと、単元の終わりには、「身につけた力を子どもに書かせること」などに取り組み始めました。やがて、「ノートに何を書かせれば良いのか分かった」「どのような授業を展開し、どのように板書すれば、学びの成果がノートにくっきりと記録されるかを意識するようになった」と、自分の授業を振り返ることができるようになっていきました。
「ノート指導が変われば授業も変わる」。当然と言えば当然です。ノート指導は授業実践の中の重要な要素であり、ノート指導が充実すれば、授業実践自体も変わっていくに違いありません。本書がノート指導のあり方を考えるヒントとなり、授業改善につながっていくことを心から願っています。
■ノートの例だけではなく授業実践の展開についても記述
第1章にノート指導の五つのポイントを掲げました。@年間を見通せるノートになっているか? Aつけたい力を目に見える形にするノートになっているか? B子どもの状況にふさわしいノートになっているか? C「伝え合い」の過程が記録されたノートになっているか? Dつけた力を目に見える形にするノートになっているか?
これらのポイントを押さえたノートの具体例を、学年ごと、教材ごとに示しました。最後には「支援の必要な子どものノートづくり」も提示することができました。本書の特色は、ノートの例だけではなく、授業実践の展開についても記述されているところです。授業実践の改善例としても活用していただければ幸いに思います。
最後になりましたが、明治図書教育書編集部の林知里さんのお世話によって本書を出版できましたことに心より感謝申し上げます。
兵庫教育大学大学院教授 /堀江 祐爾
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