- まえがき
- Part1 効果的に内容理解活動を行う! 1時間の授業展開例3
- 1 音読前に行う内容理解
- 2 音読中に行う内容理解
- 3 音読後に行う内容理解
- コラム 英語の発問の作り方@ Finding Fact型
- Part2 英語授業で大活躍! 内容理解活動ベスト37
- 1 日本語で質問して日本語で答える@
- 2 日本語で質問して日本語で答えるA ノートに書かせる/口頭で言わせる
- 3 日本語で質問して英語で答える
- 4 英語で質問して英語で答える@
- 5 英語で質問して英語で答えるA ワークシート編
- 6 英語の質問に日本語で答える ワークシート編
- 7 英語の質問に選択肢から答えを選ぶ
- 8 質問の答えの部分に線を引く
- 9 日本語に訳させる
- 10 和訳対訳練習シート
- 11 穴埋め対訳練習シート@
- 12 穴埋め対訳練習シートA
- 13 英文で言いたいことは何か?
- 14 空所補充@ 動詞を抜く
- 15 空所補充A 名詞を抜く
- 16 空所補充B 形容詞・前置詞を抜く
- 17 和訳並べ替え
- 18 和訳空所並べ替え
- 19 タイトルメーキング
- 20 空所付き要約文
- 21 選択要約文
- 22 間違い探し
- 23 日本語で質問づくり
- 24 英語で質問づくり
- 25 指示語を問う
- 26 正誤問題(TFクイズ)
- 27 選択性のTFクイズ 正しい語句を選ぶ
- 28 対話の片方だけ訳していく
- 29 4コマまんがを描く
- 30 ピクチャーカードの並べ替え
- 31 要約文でTFクイズ
- 32 口頭でのTFクイズ
- 33 口頭で行う生徒同士のQA活動
- 34 わかったことを交互に言う
- 35 トピック・センテンスを探す
- 36 いつ・どこで・誰が・何をした?
- 37 表にまとめさせる
- コラム 英語の発問の作り方A Making Inferences型
- Part3 これは便利! 内容理解の定期テスト作問パターン15
- 1 「空所補充」英文問題
- 2 「空所補充」単語問題
- 3 「並べ替え」問題
- 4 正誤(TF)問題
- 5 QA問題
- 6 指示語問題
- 7 下線部問題
- 8 要約問題
- 9 タイトル問題
- 10 イラストを選ぶ問題
- 11 英文の続きを選ぶ問題
- 12 訳させる
- 13 表を埋める
- 14 対話文を説明・物語文に変える
- 15 紹介文は対話文に変えられる
- コラム 英語の発問の作り方B Personal Involvement型
- あとがき
まえがき
英語教師のやるべきことは大きく2つある。
1つは,生徒のコミュニケーション能力を育てること。
もう1つは,そのコミュニケーション能力を支えるための「基礎力」を育てることである。
では,英語の「基礎力」とは何か。
私は5つあると思っている。
1つ目は,「単語」である。それも「単語が書けるようになる」ということである。「意味がわかる」ではない。「単語が読める」でもない。単語を「書けるようになる」ところまでもっていかなくてはいけない。これが1つ目の基礎力である。
2つ目は,「音読」である。すらすら読めるようになる。すらすら読めるということは,「つっかえずに読む」ということである。そのためには教科書を最低10回は読ませたい。すらすら読めなければ,内容理解はできない。授業でやらなくてはいけないのは,音読をきちんとやることである。
3つ目が「内容理解」である。本書はここを取り上げる。内容が理解できてはじめて,生徒は自分の意見や考えをもつことができる。内容理解ができることでその後のコミュニケーション活動につなげることができる。
4つ目は,「簡単な質問なら100個程度はすらすら答えることができる」ことである。What is your favorite color? Where did you go last Sunday? Did you get up early this morning? What do you like to do in your free time?など,100個くらいの質問にすらすら答えられなければ,その後のコミュニケーション活動などはできない。まずは,基本的な100個の質問に答え,簡単な相槌や決まり文句などの「ひとくち英語」の30個程度は言えるようになっていなくてはいけない。これが4つ目の基礎力である。
5つ目は「文法の知識が理解できている」ということである。例えば,「不定詞の後ろは動詞の原形がくる」ということがわかっているということである。生徒が英作文などでMy brother went to the park to plays soccer.とやったときに,「あれ? toの後ろはどういう形になるんだっけ?」と聞いて,「あ,動詞の原形だ」と気づけば,訂正できる。しかし,「え? 動詞の原形?」となってしまえば,表現活動以前の問題となる。これが,「文法の知識」である。
これらの5つの「基礎力」は,その後のコミュニケーション活動につなげるために必要な基礎力であり,教師がきちんと指導しなくてはいけない学習事項である。
さて,内容理解の話に移る。
私たちは英語教師のプロである。指導のプロであるからには,誰よりも指導法を知っておかなければいけない。そして,授業をしながら,生徒の実態に対して変化や応用,発展させていかなくてはいけない。そのためには,教師は数多くの指導ネタ,指導技術をもっていなくてはいけない。引き出しを多くもち,生徒や教材に合わせて,それらを使い分け,より生徒にわかりやすいように,授業で使っていかなくてはいけない。
そんな内容理解の方法を,皆さんはいくつご存知であろうか。
私は何でもたいていは100と言う数字を取り上げる。
つまり,内容理解の方法も100個程度は身に付けておきたい。
そして,いろいろな内容理解の方法で,生徒に
読みの力
を付けさせていきたい。
本書は,そういった内容理解のやり方を多数紹介し,授業で活用できるようにと考えて執筆した。
Part1では,「内容理解活動の場面」である。教科書に入って最初にやるのか,それとも音読の後にやるのか,はたまた音読中にやるのか,いろいろな場面があるので,その時その時に応じて,取り入れるとよい。
Part2では,「内容理解のやり方」と称して,内容理解の様々なやり方を紹介する。
いつも同じような内容理解の方法ではなく,時には違うやり方で入った方が生徒にとっても新鮮さがあり,変化が生じる。さらに1つ1つのやり方には,その内容理解活動を通してのねらいが存在するので,どんな力を生徒に付けたいかということを考えて行うとよい。
Part3では,「内容理解の作問づくり」である。授業では様々な内容理解活動を行うが,それをそのままテストに出すわけではない。テストにはテストに出しやすい問題形式がある。テストでの作問パターンを15個紹介した。内容理解のテストづくりのヒントとなるであろう。
最後に,生徒に力を付けさせたければ,生徒にその活動をたくさんさせなければいけない。
聞く力を付けたければ,たくさん聞かせなければいけない。
話す力を付けるためには,たくさん話す機会を与えなければいけない。
読む力も同じである。
生徒にたくさん読ませたい。
本書が,そのヒントとなると幸いである。
平成25年3月 /瀧沢 広人
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- 明治図書
- よかった2020/6/920代・中学校教員
- すぐに使えるアイディア満載で、とてもためになります。2017/3/2530代・中学校教員
- 授業ですぐに使えるアイデアがあった2016/8/740代・中学校教員
- 高校生にも使えるネタがあると良かったです!2016/4/2020代・高校教員
- ラインマーカーでたくさん線を引き、そして付せんをたくさんつけた。入試問題につながる活動がいろいろあり、4月から少しずつ取り入れていきたい。特に、Making Inferences型の発問を取り入れたい。これは入試と直結しないかもしれない。しかし、答えがない発問なので生徒と楽しみながらできると思う。2013/3/27ようへい