- はじめに
- 本書がめざしたもの
- 計算の基礎となる学習(「3」前後を中心課題として)
- 1 みたて・つもり活動:ぱくぱくぱく(対応づけ)
- 2 みたて・つもり活動:市販カレンダーを使った「いただきます遊び」(対応づけ)
- 3 みたて・つもり活動:のせて,のせて(対応づけ)
- 4 分離量づくり:「仲間集め」をしてみよう(集合づくり)
- 5 分離量づくり:「多少くらべ」をしてみよう(多少比較)
- 6 分離量づくり:量を意識して,同じ仲間をみつけよう「類別」(推移律)
- 7 1対1対応:お客さんにお菓子をあげよう・(登場して退場する型)
- 8 1対1対応:お客さんにお菓子をあげよう・(登場して整列していく型)
- 9 1対1対応:お客さんにお菓子をあげよう・(団体で登場してくる型)
- 10 1対1対応:お客さんにお菓子をあげよう・(団体型・分離型)
- 11 1対1対応:わなを仕掛けてゴキブリを捕獲しよう
- 12 1対1対応:エイリアンをやっつけろ・(視線で対応)
- 13 1対1対応:エイリアンをやっつけろ・(記憶で対応)
- 14 1対1対応:エイリアンをやっつけろ・(視線で対応・プリント編)
- 15 1対1対応:エイリアンをやっつけろ・(記憶で対応・プリント編)
- 16 媒介物で対応:たくさんのお客さんと買い物学習・(直接買い物)
- 17 媒介物で対応:たくさんのお客さんと買い物学習・(間接買い物)
- 18 媒介物で対応:たくさんのお客さんと買い物学習・(メモで買い物)
- 19 加法性:スクールバスが運行します・(具体物で対応)
- 20 加法性:スクールバスが運行します・(プリントで対応)
- 21 減法性:スクールバスが運行します・(プリントで対応)
- 22 複合型(加法性・減法性):スクールバスが運行します・(プリントで対応)
- (コラム@) 100円ショップの有効利用法
- 5−2進法を使った「5」までの数
- 23 5の合成・分解:キューブをタイルカードの上に配置しよう
- 24 5の合成・分解:タイルカードをみて,キューブの個数を用意する
- 25 5−2進法:数えうた「1」から「5」までの把握・読み
- 26 5−2進法:数えうた「5」から「1」までの把握・読み
- 27 計算:立体キューブを使った:たし算・(2+1)
- 28 計算:立体キューブを使った:たし算・(1+3)
- 29 計算:立体キューブを使った:ひき算・(2−1)
- 30 計算:立体キューブを使った:ひき算・(5−3)
- 31 5の補数:いくつといくつ(活動)
- 32 5の補数:プリントを使って発表してみよう(合成)
- 33 5の補数:プリントを使って発表してみよう(分解)
- (コラムA) ひき算は,ココでつまずく
- 5−2進法を使った「10」までの数
- 34 10の合成・分解:キューブをタイルカードの上に配置しよう
- 35 10の合成・分解:タイルカードをみて,キューブの量を把握する
- 36 5−2進法:数えうた「6」から「10」までの把握・読み
- 37 5−2進法:数えうた「10」から「6」までの把握・読み
- 38 タイルと数字:タイルにみあう数字を記入しよう
- 39 10の合成・分解:ばらタイルカードを操作して・(5のばらタイル活用)
- 40 10の合成・分解:ばらタイルカードを操作して・(5のばらタイル活用なし)
- 41 10の補数:プリントを使って発表してみよう(合成)
- 42 10の補数:プリントを使って発表してみよう(分解)
- 43 計算:立体キューブを使った:たし算・(5+3)
- 44 計算:立体キューブを使った:たし算・(3+3)
- 45 計算:立体キューブを使った:たし算・(4+3)
- 46 計算:立体キューブを使った:たし算・(6+4)
- 47 計算:立体キューブを使った:ひき算・(6−1)
- 48 計算:立体キューブを使った:ひき算・(7−4)
- 49 計算:立体キューブを使った:ひき算・(8−4)
- (コラムB) ポインティングとカウンティング
- くり上がりのたし算・くり下がりのひき算
- 50 5−2進法:10より大きい数
- 51 計算:立体キューブを使った:たし算(8+7)
- 52 計算:立体キューブを使った:ひき算・(13−6)
- 53 計算:立体キューブを使った:ひき算・(14−7)
- 54 計算:立体キューブを使わない:たし算・(答えが15までの筆算)
- 55 計算:立体キューブを使わない:たし算・(答えが15を超える筆算)
- 56 計算:立体キューブを使わない:ひき算・(問題が15までの筆算)
- 57 計算:立体キューブを使わない:ひき算・(問題が15を超える筆算)
- (コラムC) 学習の必然性が大切にされた授業とは
- おわりに
はじめに
2007年(平成19年),特別支援教育が完全実施されました。前作,『特別支援教育「かず(算数)」の授業ヒント集60』を通じ,特別支援教育に携わる多くの関係者の皆様に貴重なご意見を頂戴する機会を得ました。筆者自身のつたない実践に基づく事例集ではありましたが,子どもたちがつまずいた時や,先生方が明日の実践に困った時,ふと書棚から手にとっていただいてはヒントを得て,再度,実践の中からあらたな発見や喜びを見つけていただいたようで嬉しく思います。私たち実践者は子どもたちに絶えず向き合い,日々の実践において創意工夫をし,挑戦し,達成すること,つまり明日の未来を切り拓いていくことこそが最大の喜びです。その中で,もちろん,苦しさや悲しさ,時には投げ出してしまいたい時もあるかと思います。しかし,子どもたちが,「わかった」「面白い」「また,やりたい」ということばに出会ったときに,私たちは,「教師冥利に尽きる」このことば通りの幸せを実感するに違いありません。本書は,前作の授業ヒント集60の中でも,とりわけご要望の多かった「たし算・ひき算」についての解説書です。特別支援学級(学校)の子どもたちはもちろんのこと,通常学級においても,くり上(下)がりのたし算・ひき算につまずく特別な支援が必要な子どもにもご活用いただけるように写真を前面に出してわかりやすいよう工夫しました。自閉症児の「かず(算数)」の指導法からスタートした私の実践ですが,多くの皆様のご指導を得て今日に至っておりますこと,ここに関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。
2008年3月 /松村 齋
特に数の理解から計算の学習において、松村氏の前作は非常に参考になり、概念としての数の力の育ち、計算の確かな力をつけるのに非常に役立ちました。
しかし、本書を拝見し、さらに「小学校の支援学級で十二分に使わせてもらえる内容だ」と実感しています。広汎性発達障害の児童の理解は他の児童とは違いますが、本書の学習のパターンを進めていくことで、確かな計算の力となり、ひいてはそれは筆算の力へと発展していくこと間違いなしです。
松村氏の著作で学習した児童は、計算大好きになり、3学期末の時点で確実な力をつけて1年生を終えることができました。本著が出たことにより、よりステップがわかりやすくなっています。次年度の学級はわかりませんが、是非使わせていただきたいと思っていますし、こんなに授業に使える著作も珍しいと思っています。ありがとうございました。