- はじめに
- プロローグ 発問とは,何か
- 第一章 国語発問づくり10のルール
- 発問づくりで,考えておかねばならないこと
- ルール1 授業を組み立てる
- ルール2 切り口を提示する
- ルール3 練りに練る
- ルール4 指示と発問は使い分ける
- ルール5 学年に合わせて具体的にする
- ルール6 文章に向かわせる
- ルール7 平板にならないようにする
- ルール8 子どもの動きに合わせる
- ルール9 板書・ワークシートと連動する
- ルール10 教えることをはっきりさせる
- 第二章 発問を支える教師の話し方・聞き方
- 1.声の大小を使い分ける
- 2.話すスピードを少し速めにする
- 3.間の取り方を学ぶ
- 4.子どもの声を聞き取る
- 5.発言のパターンをつかむ
- 第三章 10のルール 実践編
- ルール1 授業を組み立てる
- @ 連動している発問
- A 前時を振り返る発問
- B 考え合いを生む発問
- ルール2 切り口を提示する
- @ 導入の発問
- A 課題を与える発問
- B 興味関心を高める発問
- ルール3 練りに練る
- @ 絞り込んだ発問
- A ステップを考えた発問
- ルール4 指示と発問は使い分ける
- @ わざと曖昧にする発問
- A 指示としての発問
- ルール5 学年に合わせて具体的にする
- @ 表現につなげる発問
- A 問いかけない発問
- B 対比させる発問
- ルール6 文章に向かわせる
- @ イメージを読み取る発問
- A イメージを重ねる発問
- B 行間を読み取る発問
- C 文章を分析する発問
- D 言葉を吟味する発問
- E 一問一答の発問
- ルール7 平板にならないようにする
- @ 子どもが動き出す発問
- A 反対の考えを示す発問
- ルール8 子どもの動きに合わせる
- @ つぶやきを活かす発問
- A 計画にない発問
- B 子どもの思いを受け止める発問
- C まちがいを活かす発問
- ルール9 板書・ワークシートと連動する
- @ 板書とつなげた発問
- A ワークシートとつなげた発問
- ルール10 教えることをはっきりさせる
- @ 説明という発問
- A 子どもの知識理解に合わせた発問
- 第四章 発問マイスターになるためのQ&A
- Q1 発問に対する答えは,どの程度予想しておくべきでしょうか。
- Q2 言い換えるのはいけないのでしょうか。どうしても言い換えてしまうのですが……。
- Q3 授業の途中で冗談やギャグを言っても良いのでしょうか。
- Q4 子どもたちからいろいろと意見が出てきたら,どこで切ったらいいのでしょうか。
- Q5 よく使うもので,こういう発問はNGというものは,ありますか?
- エピローグ
- column
- ファンタジー教材の入り口
- 子どものうれしい言葉
- 「勉強」から「学習」へ
- 親切な言葉の毒
- 「分からない」は,許さない
はじめに
「国語の発問に特化して,若い先生に伝える本を書いてほしい。」
そう頼まれたときに,あまりにも魅力的なご提案に,思わず二つ返事でのってしまいました。
僕には,大向こうをうならせるような優れた理論を立ち上げることはできません。失敗を繰り返すばかりで,いわば,亀の歩みの32年間の教師生活をおくってきました。
そんな僕にも,人に誇れるものが二つだけあります。
一つは,全ての学年を四回以上担任して国語の授業を行ったということです。しかも,50歳前後になってから全学年を一通り教えたのです。これは僕の財産で,どこへ行ってどの学年の指導助言を頼まれても,それに応じて子どもの姿や教材観などを語ることができるのです。
そしてもう一つは,全ての国語の学習で発問を考えてノートに書き,授業を行ってきたということです。その発問は,いろいろな本を参考にしたことは当たり前ですが,最終的に僕が考えてつくったものです。
このノートたちも僕の宝物です。
発問の本を書くにあたっては,このノートたちが大いに役立ちました。実際に書いて使った発問の意図や意義を,もう一度振り返って見直すことができました。
発問は生き物だと言われますが,僕は子どもの思考を想定し,教材を学び,どう子どもに伝えるのかと考えたとき,おのずから発問というものは定まってくるものだと考えています。
この本で取り上げた発問は,全て実際の授業で使われたものです。子どもたちの反応も含めて伝えられるのではないかと思っています。
本書で取り上げた教材の中には,現在使われていないものも入っていますが,その教材を知らなくても,他の教材で活用できるように,書き方を工夫したつもりです。
毎日,当たり前のように使っている発問にも,それぞれ教育的意味があります。教師が授業中に発する言葉は,全て子どもを育てて学力をつけることにつながるべきだと,僕は思っています。
それからこの本には,部分的にではありますが,授業のさまざまな形式を書きました。30年以上積み上げた僕の授業方法が,詰まっています。
僕は一つの指導法(たとえば,一読総合法や分析批評等)を追求してきた教師ではありません。常に目の前の子どもたちと自分のできることを頭において,そのときそのときにふさわしい授業法を選択してきました。ですから,この本には,いろいろな授業法が使われています。
また,具体例のページでは,その学年の国語教育に活かせる音読や話し方の基本,僕が授業づくりに使ってきたちょっとしたコツ,さらに板書の実例なども,書いています。具体的な場面でのことですから,参考になると思います。
最近は全てワープロ打ち・パソコンになっていますが,10年くらい前までは,全て手書きでした。手書きのコピーを載せているのは,へたくそな字でも少しはましに見えるものだけで,読みにくいものは,打ち直しました。
この本を読まれた先生が,ご自分の発問というものを振り返り,授業を考え直すきっかけになってくだされば,幸いです。
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- 明治図書
- 勤務先の研修が、国語に変わり、以前購入した本を出してきて、もう一度読み直したら、とてもわかりやすくて腑に落ちました。2016/6/2250代・小学校教員