- まえがき
- 第1章 音読でつながる! 音読で学ぶ!
- ~教室ファシリテーションへのステップ・音読編~
- Ⅰ 音読を通してつながる! 音読を通してつなげる!
- 1 日常実践でつながる! つなげる
- 2 個人の音読からみんなの音読へ転換する
- 3 〈その気〉になるように仕掛ける
- 4 〈つなげる〉と同時に〈学び〉を保障する
- Ⅱ 音読指導の基本過程を身につける
- 1 「人生最高の読み」で範読する
- 2 〈一文交互読み〉で読みを確認する
- 3 〈連れ読み/追い読み〉でリズムとテンポを確認する
- 4 〈一斉音読/斉読〉で声を合わせる楽しさを体感する
- 5 〈グループ音読〉でバリエーションをつくる
- 6 〈音読テスト/完全無欠読み〉で練習回数を増やす
- 7 〈暗唱〉で基礎教養を身につける
- 8 〈音楽記号〉で音読の工夫を考える
- 9 教師が音読の基礎技術を身につける
- 第2章 日常的に音読を練習する
- 〈1〉リレー音読
- 〈2〉スラスラリレー音読
- 〈3〉高速リレー音読
- 〈4〉「舌もじり」リレー音読
- 〈5〉NO-ブレスリレー音読
- 〈6〉スラスラ音読
- 〈7〉微音読
- 〈8〉リズム音読
- 〈9〉音楽記号音読
- 〈10〉目ずらし音読
- 【コラム・1】ペアやグループを機能させるコツ~座席隊形~
- 第3章 音読と言語事項・言語文化を結ぶ
- 〈1〉早口言葉読み
- 〈2〉早口一斉音読
- 〈3〉アナウンサー読み~高速編
- 〈4〉1音1音音読
- 〈5〉母音読み
- 〈6〉「口パク」リレー読み
- 〈7〉呼びかけ音読
- 〈8〉終助詞変換読み
- 〈9〉ネサヨナ読み
- 〈10〉副詞読み
- 〈11〉主語・述語音読
- 〈12〉方言音読Ⅰ
- 〈13〉方言音読Ⅱ
- 〈14〉同時通訳音読
- 〈15〉誇張読み
- 【コラム・2】ペアやグループを機能させるコツ~アイスブレイク~
- 第4章 音読で文章を味わう
- 〈1〉クレシェンド/デクレシェンド音読
- 〈2〉ローテーション音読~役者音読Ⅰ
- 〈3〉なりきり音読~役者音読Ⅱ
- 〈4〉ラジオドラマ音読Ⅰ
- 〈5〉ラジオドラマ音読Ⅱ
- 〈6〉タイトル読み~朗読Ⅰ
- 〈7〉地の文・会話文読み~朗読Ⅱ
- 〈8〉人物読み分け読み~朗読Ⅲ
- 〈9〉オノマトペ読み~朗読Ⅳ
- 〈10〉リレー朗読
- 〈11〉「輪唱風」群読
- 〈12〉「+-」群読
- 〈13〉「スリー・セット」群読
- 〈14〉「オウム返し」群読
- 〈15〉「きのこのこのこ」群読
- 【コラム・3】ペアやグループを機能させるコツ~シェアリング~
- 第5章 さまざまに音読を楽しむ
- 〈1〉戦場カメラマン読み~加重音読
- 〈2〉動作化読みⅠ
- 〈3〉動作化読みⅡ
- 〈4〉B.G.M.音読Ⅰ
- 〈5〉B.G.M.音読Ⅱ
- 〈6〉アナウンサー読み~低速編
- 〈7〉アイコンタクト読み
- 〈8〉あえて「棒読み」
- 〈9〉「時間差攻撃」読み
- 〈10〉ものまね読み
- あとがき
まえがき
拙著『教室ファシリテーション10のアイテム・100のステップ』(学事出版)をお読みいただいた何人もの方から同じ質問を受けました。
「教室ファシリテーションの理念はよくわかりました。手法もよくわかりました。でも,いきなり導入してうまくいくのでしょうか……。」
なるほど,その不安はよくわかります。
「本当にうまくいくのか不安で,最初の一歩が踏み出せません。」とか,「実際にやってみたけれど,なんとなくしっくり来ないんです。他に何かコツがあるんじゃないでしょうか。」とかいった声もありました。
こうした声に触れて,私は気がつきました。そういや,子どもたちをつなげるこの手の活動は,ダイナミックな教室ファシリテーションの手法に取り組む以前に,日常的に小さな活動をたくさんしているな……と。教室ファシリテーションで提案したダイナミックな手法は,そうした日常的な取り組みを前提としていたのだな……と。
今回,「教室ファシリテーションへのステップ」と題して,国語科の授業の在り方について,音読・スピーチ・聞き方・作文・話し合いの五つについて,ネタを含めてシリーズで上梓させていただくことになりました。本書はその1冊目「音読編」です。
国語科の授業で行われる音読には一般に,二つの方向性があります。
一つは文章の理解を促すための活動としての音読,もう一つは文章を理解した後に自分の読みを表現する活動としての音読です。教材の学習の最初に行われる範読や一斉音読,句点読み(通称「まる読み」)などは前者ですし,学習の最後に行われる朗読や群読,表現読みや劇化などは後者です。本書はこの“理解としての音読”と“表現としての音読”の両者をバランスよく配置したつもりです。
また,本書の特徴は,すべての実践ネタが「音読をうまくなる」「上手に音読として表現する」ということだけでなく,学習活動として子どもたちを〈つなげる〉ということに大きく配慮した点です。50のネタのうち,教材の読み方を教師に教えてもらい,個人で音読練習をするというタイプのものは一つもありません。そのすべてが,子どもたちが心を一つにして読み合うとか,子どもたちが「ああでもないこうでもない」と交流し合いながら一つの読みを創り上げていくとか,そうした方向性を明確に抱いての実践ネタになっています。
国語科に限らず,いま,子どもたちは一人で学習に取り組むことに対して意欲を持続できない傾向にあります。また,「勉強になるんだよ」「うまくなれるんだよ」といった目的意識だけでは授業への集中力が続かないという傾向も見て取れます。更には,学習活動に楽しさのしかけがないと,なかなか取り組もうとしない……そんな実態さえあります。
しかし,逆に言うと,学習の意義を理解し,みんなで取り組む学習活動があり,そこに楽しさのしかけさえあれば,学びはものすごい勢いで成立するということなのです。その勢いはかつての学習,かつての授業とは異なり,子どもたち相互の相乗効果でノリにノッての学習へと向かっていきます。そこには長く一斉授業のみに慣れてきた私たち教師が驚くほどの学びが成立することさえ珍しくはありません。
本書はそんな子どもたちの姿を音読の授業で見てみたい,そんな強い願いを抱く教師たちによってつくられました。本書が現場の国語授業の活性化に少しでもお役に立てるなら,それは望外の幸甚です。
/堀 裕嗣
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- 明治図書
- 具体的で追試しやすかった。2022/4/1840代・小学校教諭