- はじめに
- 第1章 学校の中にあるスクールリーダー像
- 1 学校組織の現状認識
- 2 若手教員の果たすべき役割
- 3 主任教諭としての自覚
- 4 OJT実践の先駆者
- 第2章 スクールリーダーのための16のステップ
- ステップ@ リーダーへの第一歩
- ―めざすリーダーの姿をしっかりイメージ―
- T 学級経営案の策定が的確にできる
- U 学習指導の基本的な進め方が説明できる
- V 生活指導の基本的な進め方が説明できる
- W 特別活動の基本的な進め方が説明できる
- X 「いじめ」の対応ができる
- Y 学力についての考え方が説明できる
- Z 学習習慣の確立について説明できる
- [ 言語感覚の育成について説明できる
- \ 人権感覚の育成について説明できる
- ] 課題(宿題)の考え方が説明できる
- ステップA できる教師は仕事が早い
- ―進行管理と優先順位で効率アップ―
- T 一つの仕事に集中して「やり遂げた喜び」を実感する
- U 進行管理と優先順位を意識した仕事を実践する
- V 自己の能力と時間の使い方を配慮する
- W 事務処理能力を高めて効率アップ
- X 毎日仕事が進んでいることを実感する
- Y 立場の違う仕事を身に付ける
- Z 自己啓発で意欲の持続化を図る
- [ 仕事のできる同僚を早く見つける
- ステップB 小さなトラブルを見逃すな!
- ―子どもも納得の生徒指導スキル―
- T その日の問題は延ばさない
- U スピード感ある対応を心がける
- V 物がなくなったときの対応を意識する
- W 保護者との連携を強固にする
- X 報告・連絡・相談を密にする
- Y 不公平感,不平等感に陥らないようにする
- Z いじめの対応を原則とする
- [ 保護者との面談を積極的にする
- ステップC 腕の見せ所はやっぱり授業
- ―授業力レベルアップのコツ―
- T 学習規律を保つ
- U 授業改善を継続的にする
- V 自己診断評価で振り返りを重視する
- W 指導技術を磨く
- X 意識化をして授業を確かめる
- Y 評価観の転換を実践の中で意識する
- Z 学級経営が決め手となる
- [ 得意教科から各教科に広げる
- ステップD 我が身を振り返るチャンス
- ―モデルにされる指導教官のスタイル―
- T 学級経営を円滑に運営できる
- U 学習指導の基礎・基本の定着が図れる
- V 生徒指導の基礎・基本の定着が図れる
- W 学年経営の運営ができる
- X 学校経営の参画意識が高い
- Y 校務分掌の進行管理ができる
- Z 教員相互の人間関係が保てる
- [ 事務処理能力が高い
- ステップE プラス思考,準備力で困難を乗り切る
- ―教職で生きていくための自分づくり―
- T 仕事と時間の使い方が問われる時期であり,事前の見通しをどう立てるかが鍵となるため
- U 仕事はできる人に集まる。したがって進行管理と優先順位を考慮した準備力が欠かせないため
- V 授業設計は単元レベルで構築していくことで,見通しある授業となり意図的・計画的なものとなるため
- W 保護者からの苦情や相談がよどみなく続くことがあり,物事をどのように判断するかが問われるため
- X 限られた時間をいかに効率よく職務遂行していくかが重要であるため
- Y 自己の職務を他に振り分けて分担させることも最大の遂行能力となるため
- Z 期待されている状況をしっかりと意識して,自分なりに計画,準備にエネルギーを注ぐ必要があるため
- [ 一年間を予測して必要なことを年間単位で職務遂行できるように準備することが大切なため
- ステップF 調整力を身に付けよう
- ―企画力,創造力,先見性ある手立て―
- T 人間関係を信頼関係にして確固たるものにする
- U 物事の進め方を手順よく把握する
- V 一歩先の見通しをもった対応をする
- W 次代の信託に応えるものとして企画する
- X 管理職の動きをしっかり見据えて物事に対処する
- Y 物事の進行管理を徹底してリーダーシップをとる
- Z 自ら牽引者としての使命をもつ
- [ 先見性ある対応を前提とする
- ステップG 一歩先が読める目を
- ―主任になるための必要条件― 先を見通す力量がなければならない
- T 教職員の力量把握ができなければならない
- U 全体計画で人を動かすことを意識しなければならない
- V 不公平感,不平等感をなくさなければならない
- W 仕事量を的確に判断できなければならない
- X 最悪を想定した状況判断ができなければならない
- Y 信頼関係を確立できなければならない
- Z 一歩先の仕事ぶりが求められる
- ステップH 一人で抱え込んだらアウト
- ―業務分担で乗り切る学年経営―
- T 年間予定から業務分担を定める
- U 教員の資質に応じた業務分担を心がける
- V 進行管理の徹底で業務分担を生かす
- W 内容によって業務分担を整理する
- X 学年主任のリーダーシップを尊重する
- Y 教科型リーダーシップの有効性を生かす
- Z 生活指導の共有化を図る
- [ 保護者対応の共有化を図る
- ステップI 秘訣は信頼関係
- ―保護者と上手くいく秘訣―
- T 常に感謝の気持ちをもつ
- U これ以上の応援団はいないという感覚をもつ
- V 小さなことの積み重ねを大事にする
- W 保護者との連絡を密にする
- X 児童・生徒への働きかけが最善である
- Y 授業改善で安定した学級運営をする
- Z 生活指導の課題はスピードアップ
- [ 児童・生徒相互の人間関係を安定したものにする
- \ 保護者の声をしっかり受け止める
- ] 対話の精神で対応する
- ステップJ 何事も計画性が大切
- ―機能する週計画―
- T 意図的・計画的な週計画とする
- U 安全面を意識した週計画とする
- V 児童・生徒の状況を把握する週計画とする
- W 教科の特性を生かした週計画とする
- X 一週間の状況報告ができる週計画とする
- Y 一週間を振り返る週計画とする
- Z 教師の動きが分かる週計画とする
- [ 学校経営に参画する意識が見える週計画とする
- ステップK リーダーシップをとる秘訣
- ―自信をもった指導・助言をするためのポイント―
- T 相手の意図を見抜く力量が問われている
- U 自己の自信ある取り組みと合わせて考える
- V 指導教科は得意教科からでよい
- W 生活指導は対応策がすぐに思い浮かぶようにする
- X アンテナを高くして自分の考えをもつ
- Y 先を予測して安心感を与えられるようにする
- Z 進行管理の徹底で物事の進め方が指導・助言できる資質を磨く
- [ 自己の姿こそ指導・助言の生き方である
- ステップL 文書に始まり文書に終わる
- ―「書くこと」が得意になる習慣化のアイデア―
- T 情報収集に全力をあげる
- U 自分の時間づくりに生かす
- V ストーリーを描いて書いてみる
- W 例文を参考にして真似る
- X 書き上げるものを設定して書く
- Y 書いたものを多くの教員に読んでもらう
- Z 継続的・持続的に「書くこと」を習慣化する
- [ 書いたことを他に生かす
- ステップM 自校の方針を見抜く力を
- ―学校経営にかかわるためのビジョンと実践力―
- T 学校長の学校経営方針を熟読して共有化することで,自己の校務上の役割を認識できる
- U 学習面,生活指導面,特別活動,その他の方針を理解して経営に生かせる
- V 学校経営方針と学校評価計画との整合性を理解して,保護者,地域,児童・生徒にどのようにかかわればよいか認識できる
- W スクールリーダーとしての果たすべき役割を認識して,日頃の実践に生かせる
- X 学校長の基本方針に合わせて,学校が推進する状況を後押しする実践力をつけることができる
- Y 学校経営の在り方を見抜くために常に方向性を意識して,自己のあるべき姿を考える契機となる
- Z 地域との一体感を体得して,学校経営方針と照らし合わせる意識をもてる
- [ 児童・生徒の実態を最優先して,できることから経営にかかわる貢献意識をもてる
- ステップN 管理職としての自覚をもとう
- ―教育問題を自校の課題に取り込む方法―
- T アンテナを高くして教育問題を理解する
- U 国の進めている事業を察して自校に生かす
- V 学校経営のあるべき姿から最新情報を把握する
- W ボランティア活動で活力ある学校づくりをする
- X 保護者対応の仕方と保護者理解を進めていく
- Y 学校経営の活性化のための具体策をともに考える
- Z 学校力をつけるための教職員の力量をつける
- [ 自信と信頼に溢れた企画者になる
- ステップO 自分磨きを忘れずに
- ―オススメの自己啓発,自己研鑽活動―
- T 自分の大好きなことのための自己啓発活動を
- U 自分を伸ばすための自己研鑽活動を
- V 自分を鍛えるための自己研鑽活動を
- W 時代を見抜くための自己啓発活動を
- X 「待ち遠しさ」を実感する自己啓発活動を
- Y 「継続は力なり」を自己研鑽活動で
- Z 「やり遂げた」ことを実感できる自己研鑽活動を
- [ 自分磨きのために生きることを忘れない
はじめに
大都市圏を中心とした教員の大量退職・大量採用時代が今後,全国的にもピークを迎えるときがきている。毎年,千人以上を採用している都府県では,新たな人材をどのように育成して,主任職としてリーダシップを発揮していく教員にするかということが各学校,行政の主眼となってくる。はじめて赴任した学校から2校目に配属されたときには,次代を担うスクールリーダーとしての資質が求められることは言うまでもない。
東京都では,全国に先駆けて主任教諭制度を導入した。初任以来8年以上の経験を有する者であり,学校のリーダーに成りうる資質があれば,資格を最大限生かして選考に挑むことができるのである。では,スクールリーダーに求められる資質とはどのようなことだろうか。それは,学校組織の中で自己の力量を発揮するばかりではなく,同期を含めて若手教員の育成にも力を注ぐことと,学校経営に参画する意識を強くもってかかわることである。
全国的にも大量退職時代(60歳定年)は,小学校が平成28年度,中学校は平成31年度がピークとなる。これからの学校は若手が初任者の育成に携わり,若手相互が切磋琢磨する学校文化を構築する時代に入る。このことが機能しなければ学校としての存在価値すら危うくなっていくものと推測される。しかし,現在,学校の中に学び合う文化が構築されているとは言えないのである。リーダーシップを発揮する以前に,自らの教職としての立場に自信を失っている姿が多く見られることからも,段階的にスクールリーダーをめざした取り組みを早期に開発しなければならないのである。本書は,『めざせスクールリーダー!
頼れる管理職になるための16のステップ』として若手教員の果たすべき道筋を明らかにしたものである。
平成22年8月 /釼持 勉
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- 明治図書
- ミドルリーダー育成が課題であるこの時代、必要な内容だと思います。2018/7/2240代・教委