- はじめに
- /志水 廣
- Part1 すべての子どもに対応できる! 志水流算数指導法の極意
- /志水 廣
- 1 志水流算数指導の基本精神
- 2 ユニバーサルデザインと志水メソッド
- 3 ○付け法はどの子も救う
- 4 スモールステップをつかむ
- 5 算数の数理に気づかせる意味付け復唱法
- 6 どの子にも計算力を保証する音声計算練習@
- 7 どの子にも計算力を保証する音声計算練習A
- Part2 授業のユニバーサルデザイン化は難しい?
- /大羽 沢子
- 1 ここがポイント! 通常学級での特別支援教育
- 2 「専門性」の罠
- 3 優先順位をつける大切さ
- 4 5つのルールで授業が変わる
- Part3 ルール1 全員参加の環境を整えよう!
- /大羽 沢子
- アイデア1 シンプルな教室環境を作ろう
- アイデア2 子どもの動線を考えて配置しよう
- アイデア3 学習用具は共通化しよう
- アイデア4 姿勢を整える座り方を工夫しよう
- アイデア5 集中力を高める座席の配置を工夫しよう
- アイデア6 便利なグッズを活用しよう
- アイデア7 シンプルなルールを明示しよう
- アイデア8 子どもの得意な分かり方を知ろう
- アイデア9 学ぶ場を構造化しよう
- アイデア10 時間を構造化しよう
- column ポイントは「ほめ方」と「達成感」
- Part4 ルール2 かかわり方を見直そう!
- /大羽 沢子
- アイデア11 3つの枠で行動を考えよう
- アイデア12 結果OK! で「やる気」を引き出そう
- アイデア13 行動の「意味=機能」を考えよう
- アイデア14 困っているのはどんな時か考えよう
- アイデア15 できていることをつかもう
- アイデア16 子どもとのやりとりを振り返ろう
- アイデア17 「やめなさい!」より「こっちをやろう」
- アイデア18 気になる行動には対応を決めておこう
- アイデア19 「簡単すぎる」がコツ
- アイデア20 簡単に記録する工夫をしよう
- column なんで,あの子はいつもあんなことをするのだろう
- Part5 ルール3 授業の組み立てはシンプルにしよう!
- /大羽 沢子
- アイデア21 「難しいよね」と共感して安心感を
- アイデア22 授業の始まりは「簡単すぎる」がコツ
- アイデア23 算数的活動は目的「何のために」,手順「何をするか」明確に
- アイデア24 視覚化+具体的な指示でスッキリ!
- アイデア25 ○付け法(適用題)で自信をつけよう
- アイデア26 二人対話法で基本のやりとりをしよう
- アイデア27 意味付け復唱法を活用しよう
- アイデア28 子ども達の力をもっと使おう
- アイデア29 楽しい活動を最後に設定しよう
- アイデア30 学びの評価は視点を決めて行おう
- column 子ども達の声から@
- column 子ども達の声からA
- Part6 ルール4 スモールステップを意識しよう!
- /大羽 沢子
- アイデア31 具体物・数字・数詞のマッチングを確認しよう
- アイデア32 たし算のスモールステップ
- アイデア33 ひき算のスモールステップ
- アイデア34 かけ算のスモールステップ
- アイデア35 わり算のスモールステップ
- アイデア36 単位のスモールステップ
- アイデア37 測定のスモールステップ
- アイデア38 図形のスモールステップ
- アイデア39 図を理解するスモールステップ
- アイデア40 数量関係のスモールステップ
- Part7 ルール5 習熟・活用のシステムを作ろう!
- /大羽 沢子
- アイデア41 簡単な計算はスラスラ体験させよう
- アイデア42 言葉は繰り返し,楽しく鍛えよう
- アイデア43 学習機会を増やすだけで変わる
- アイデア44 「できない時はこうすれば」を増やそう
- アイデア45 予習こそ意欲向上の要
- アイデア46 教科書準拠ノートを活用して負担軽減
- アイデア47 宿題(家庭学習)の習慣づけは必須!
- アイデア48 個人差への対応を準備しよう
- アイデア49 学校全体で学び方を整えよう
- アイデア50 答えは子どもが教えてくれる
- おわりに
- /大羽 沢子
- 参考文献
はじめに
この本は,ごくごく普通の小学校教師が実践可能な算数授業の本である。特別支援というと,かなり難しいと思われがちであるが,そうではない。どの子にも分かりやすい算数の授業を実践したいという願いに対して体系的に整理したものである。「普通の教師」という意味は,算数・数学が専門の教師ではないという意味である。マニアックな教材研究,マニアックな指導法に凝り固まった教師ではないという意味である。著者の大羽沢子先生は縁あって志水理論を学び実践してきた。普通の教師が普段の算数の授業で特別支援が必要な子どもも含めた少しの工夫をすれば,子どもが喜び,算数の力がつくようにしたい。この本には,そのためのアイデアが満載である。
志水理論の特徴は,全て現場から生まれ,現場で実践される中で磨かれてきたものである。○付け法,意味付け復唱法,音声計算練習,ヒント包含導入法,適用問題定着法,トライアングル学習など全てが志水自身の経験や参観授業の中からのアイデアである。その方法には虚構はない。だから,普通の教師に受け入れられる考え方と手法であり,全国に広がっているのである。
大羽先生とは福岡県の総合教育センターの講習会で15年前の出会いから始まる。この間,大羽先生は兵庫教育大学大学院で特別支援教育やカウンセリングについても学ばれた。算数教育と特別支援教育という二足のわらじを履いている。この二足が成長し,この1冊の本に統合された。
元々の原稿は,授業力アップわくわくクラブの月刊メールブックである『悠・愉』及び雑誌『楽しい算数の授業』(明治図書)の連載記事である。とても面白い記事であった。今回,明治図書より単行本としてまとめられたことは本当に喜ばしいことである。ぜひとも,志水メソッドと統合した特別支援の教育を実践してみてほしい。きっと,どの子も笑顔が見られる授業となるだろう。
2014年2月 愛知教育大学 /志水 廣
-
- 明治図書
- UDLについて学んでいるところです。とても読みやすく、すぐに活かせそうな内容でした。2020/12/630代・小学校教員
- 算数で公開授業があったため、購入しました。とても参考になりました。2019/2/2820代・小学校教員
- ユニバーサルデザインももちろん大事、でも算数をどんどん進めないといけないという天秤の中で、どういう工夫をしくんでいくと、スピードも維持できながらよりわかりやすい授業になるのか、そんな参考になる1冊です。2018/1/2430代・小学校管理職
- 算数だけでなく他教科や学級経営に役立つ内容でした。2015/12/1930代 教諭
- 若手教員の研修のテキストとしても適した内容で、分かりやすい。2015/4/21