- はじめに
- T おさえておきたい! 社会科授業の基本テクニック
- 1 発問・指示の技術で思考を促す
- (1)学習場面に適した発問を考える
- (2)キー発問を考える
- (3)討論を促す発問を
- (4)発問を生かす指示を
- 2 1時間の流れがわかる板書にするために
- (1)まずは社会科バージョンのレイアウトを考える
- (2)資料をどこに貼るか
- (3)子どもたちの考えをどのように板書するか
- (4)色チョークとノート指導との約束事を決める
- (5)導入・展開・まとめで何を板書するか
- 3 「社会科だからこそ」のノート指導
- (1)ノート指導の基本技能
- (2)調べ学習のノートでは情報を分類化させる
- (3)まとめのノート…「指定語」を使ったまとめ+授業感想
- (4)見学時のノート
- 4 資料の読み取りはこうしよう
- (1)グラフの読み取り
- (2)写真・図の読み取り
- 5 発言力・発表力 指導のこつ
- (1)社会科での発言力不足の原因は?
- (2)社会科の話し合い活動における指導
- (3)様々な表現活動における指導
- 6 資料集をフルに使う
- (1)なぜ資料集があまり活用されないか
- (2)まずは資料集の構成を知る
- (3)活用方法を場面に応じて知る
- (4)資料集を読ませる時間を作る
- 7 学習参考書を授業に生かすポイント
- (1)学習参考書の種類
- (2)どのような目的で学習参考書を使うのか
- (3)教師は「丸投げ」しない
- 8 学習問題を位置づける
- (1)「学習問題」か,「学習課題」か
- (2)授業のねらいと学習問題
- (3)学習問題を出すのは導入以外でもあるのか
- (4)学習問題づくりは教師主導か子どもと共にか
- (5)学習問題づくりのパターン例
- 9 教材提示の一工夫
- (1)「調べたい!」と思うような実物を提示する
- (2)比較させる
- (3)共通点を探させる
- 10 社会科用語・重要語句を大切に扱う
- (1)「岩手県の上は?」
- (2)「違い」を教える
- (3)難解用語・曖昧用語は辞書を引く
- (4)小見出しに注目させる
- (5)重要語句を「覚える」活動を
- 11 社会科学習に重点を置いた教室環境
- (1)社会科教室環境のコンセプト
- (2)「タイムリーなモノ」を置く
- (3)定番の掲示物を学習に生かす
- (4)子どもたちの作品を提示する
- (5)調べ学習のツールを常設する
- U これで授業が上達! スペシャリストの研修&教材研究法
- 1 社会科を中心に学ぶ
- (1)社会科の指導を学ばざるを得ない環境を作る
- (2)「事務局」を通しての出会い
- 2 私の授業参観法
- (1)社会科の授業を探して参観した
- 3 授業を記録に残す
- (1)社会科の授業力を高めるための記録化
- (2)長続きする方法で社会科の授業記録を
- 4 「教材研究の時間」を生み出す仕事術
- (1)「社会の教材研究の予定」を入れてしまう
- (2)教材研究項目をリストアップしておく
- (3)すきま時間で教材研究をする
- (4)限られた時間での読書を生かす
- 5 教材研究のヒント
- (1)社会科はどこにでも研究のヒントがある
- (2)インターネット情報と本から学ぶ
- (3)取材のノウハウ
- 6 「教科書研究」をしよう
- (1)教科書の内容と学習指導要領を照らし合わせる
- (2)違う教科書で比較する
- (3)資料の掲載意図を推測する
- (4)本文は何度も読む
- (5)本文や資料以外の「パーツ」の活用方法を検討する
- 7 見学で新しい教材開発
- (1)研修の施設見学で「利雪」を目のあたりにする
- (2)授業プランを準備する
- (3)授業「雪は大切なエネルギー」
- V 子どもが熱中!社会科好きになる「楽しい」授業づくりのポイント
- 1 子どもたちを授業に熱中させる〜私のパターン〜
- 2 教室に「集中教材」「ゆさぶるモノ」を
- (1)教材とモノがあると……
- (2)インターネットで教材探しが変わった
- (3)教材カタログはモノの宝庫
- (4)教材研究で見つけるモノ
- (5)いつでもどこでも入手を
- 3 活動のミニネタで一工夫
- (1)多くの学習活動を知っていることの大切さ
- (2)「応用が効く学習活動のミニネタ」を
- (3)学習活動のミニネタで学習技能を高める
- 4 ペア学習で新たな展開
- (1)ペアで話し合い
- (2)ペアで調べ活動
- 5 地図帳と仲良しになろう
- (1)地図帳は3年間も活用できる
- (2)4年生では「クイズ・ゲーム」+「活用ノウハウ」で
- (3)5年生では「世界を知る」「統計資料を読み解く」
- (4)6年生では出番を多くする
- 6 3年生での地図学習のポイント
- (1)地図学習は3年生から
- (2)授業のためのヒント
- 7 知的クイズを導入する
- (1)クイズ導入の意義
- (2)教科書からクイズ作り
- (3)用語の定義をクイズにする
- (4)時事ニュースやその関連内容をクイズにする
- 8 具体的なエピソードを挿入する
- (1)社会科好きになった原体験
- (2)教師が教材研究したエピソードを紹介する
- (3)「視覚的に」エピソードを提示する
- (4)「比較エピソード」で違いを覚える
- (5)エピソードを覚えた先
- 9 古代研究者になって歴史を推測しよう
- (1)「事実を推測する」学習活動
- (2)「吉野ヶ里遺跡から戦争をさがせ」(弥生時代中期)
- (3)「武人の埴輪は何を物語るか」(古墳時代)
- 10 特別支援が必要な子への対応
- (1)資料がパッとわかるように拡大投影する
- (2)本文の読み取りでは活動の手立てを細かく
- (3)地図は「なぞる」
- (4)個別への配慮は不可欠
- W 社会科授業を知的に! 45分間の授業をこう組み立てる
- 1 発問の組み立てを考えた授業〜「火事が起きたら」〜
- (1)飛び込み授業をすることに……
- (2)授業の構想と実際
- (3)授業参観記より
- 2 違いだけではなく共通点にも着目させる授業〜「北海道と沖縄県の米作り」
- (1)「チャレンジ学習」という発展学習
- (2)伸ばしたい力は何か
- (3)組み立てのポイント
- (4)実際の授業
- (5)思考を深める第2課題の有効性
- おわりに
はじめに
「社会科での発問のポイントは何ですか」「社会科では,どのように教科書を使ったらいいのですか」といった相談を若手教師から受けることがあります。聞くと,社会科の授業参観も研修の機会もほとんどないとのこと。「それは可哀そう」と思いながら,自分自身の歩みを振り返りました。
私自身が歩んできた社会科授業の道は実に幸せなものでした。初任校時代から,地域の研究会等で社会科の授業参観する機会だけでなく,自分が研究授業をする機会にも恵まれました。「地域素材の教材化」「発問研究」といったテーマを自分に課し,自己流ではありましたが様々な実践を試みてきました。
少しずつ実践に自信をもち,やがて「社会科における板書」「資料活用」「ミニネタの導入」というようにテーマの幅も広がりました。子どもたちが力をつけ,「社会科が好き」と言ってくれるのが何よりの励みになりました。
本書は,自分がこのように実践してきたものをまとめたものです。「社会科のノート指導」「資料提示の工夫」といった基礎的な指導方法はもちろん,子どもたちが熱中する授業のポイントも示しました。さらに,私なりの社会科教材研究の方法,指導力をつけるための仕事術,実際の1単位時間の授業についても記しました。こつこつと二十数年間,私が取り組んだことの全てが詰まっていると言っても過言ではありません。皆様のこれからの社会科授業の参考になればと願っています。
本書を出版するにあたっては編集担当の及川誠さんに大変お世話になりました。及川さんの編集で出版させていただくのは3冊目です。今回もシャープな企画構成,適切なアドバイスで出版にこぎ付けることができました。心から厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
/佐藤 正寿
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- 明治図書
- 社会科授業づくりの基礎や仕事術など幅広くわかりやすく解説されていた。2018/1/1520代社会科教諭
- 社会科教師の上達論を知ることができる。2016/10/1050代・小学校管理職