- はじめに
- 序章 授業とは何か
- 1章 河原流 ネタ教材発掘の極意
- 1 河原流ネタ発掘術
- 1 はじめに
- 2 グローバル化と「ドラえもん」
- 3 関西国際空港は何市にあるのか~雑誌「るるぶ」から取材まで~
- 4 甲子園球場で販売されているビールは?~現地での発見から取材まで~
- 2 ネタ発掘読書術~書籍や雑誌から~
- 1 教材研究で読む本~憲法学習から~
- 2 地理・歴史では
- 3 〈具体例1〉ヨーロッパの農業と「『食の世界地図』(文春新書)」
- 4 〈具体例2〉AKB48と経済学
- 5 雑誌記事から授業をつくる
- 3 街角でみつけるネタ
- 1 エスカレーターの空け方,なぜ大阪と東京で異なるの?
- 2 平城京のデパート(スーパー)
- 3 なぜデパートの食品売り場は地下にあるのか
- 4 東京の地下鉄はなぜ安いか
- 4 新聞記事から発掘するネタ
- 1 どうしてスタバがないの
- 2 富士山の入山料はいくらにすべきか
- 3 アフリカの奇跡
- 5 取材によるネタの発掘
- 1 漁業バブル崩壊と境港~現地取材から~
- 2 空飛ぶトマト~バスガイドさんの話しから~
- 3 掘り起こせばいっぱいある地元ネタ
- 2章 河原流 ウソ!ホント授業の極意
- 1 河原流授業論
- 1 学力差のない授業を~すべての生徒が参加し,わかる授業~
- 2 河原流授業の作り方「極意」~「憲法25条」を例に~
- 3 この裁判は無駄だったのか
- 4 桶川事件と生活保護
- 5 「天国の朝日さんへ」の手紙を書こう
- 6 学力差のない授業の法則
- 2 うそっ!ほんと!と驚きのある授業の極意
- 1 海洋大国日本
- 2 うそっ!インドの国会って?
- 3 あれっ!と驚く選挙制度
- 3 常識が揺さぶられ認識が変わる授業
- 1 キルナの鉄鉱石の輸出港
- 2 戦国時代の授業
- 4 うーん!なるほどと納得できる授業の極意
- 1 なぜ親潮って言うの?
- 2 なぜ淀屋橋と言うのか
- 5 うそっ!ほんと!と知的興奮がある授業
- 1 源氏物語を作ったのは藤原道長?
- 2 東京オリンピックの聖火ランナー
- 6 思考に対立と葛藤を生む授業の極意
- 1 君は,この子どもたちに,お金を寄付するか
- 2 原爆投下はしかたなかったか
- 7 発問の工夫で一気に本質に近づく授業
- 1 ある研究授業から
- 2 やってはいけない発問
- 3 授業の成否を決める発問
- 4 エピソードを「発問」で料理する
- 8 モノを有効に使う授業
- 1 紙幣からお国柄がわかる~地理的分野とモノ~
- 2 おみくじと普選運動~歴史的分野とモノ~
- 3 サランラップと3C時代~公民的分野とモノ~
- 9 ゲームで楽しく授業
- 1 恋愛と投資~投資ゲームから考える~
- 2 資産を増やす方法
- 3 「投資ゲーム」をしよう
- 4 「恋愛と投資」その類似点と相違点
- 10 歌って楽しく授業
- 1 憲法の精神と「世界で一つだけの花」
- 2 歴史学習と歌教材
- 11 歴史地図でわくわく授業
- 1 地名の一致(極似)からみえる歴史~「千葉と和歌山」~
- 2 「バルチック艦隊の航路」から日露戦争の勝因を考える
- 12 統計資料(グラフ・表)で楽しく授業
- 1 豊田市と川上村の統計資料から「産業」と「人口」を考える
- 2 なぜこんな工業が発展するのか
- 3 1位と47位で都道府県を考える
- 4 被差別部落の人口はなぜ増えているのか?
- 13 暗記強要時間を設定する
- 3章 河原流 活用探究型授業の極意
- 1 〈地理的分野〉中核方式による考察 人口や都市・村落を中核に地理的見方・考え方を培う
- 1 1880年の日本の人口
- 2 人口が増えている都道府県と減っている都道府県
- 2 〈歴史的分野〉多面的多角的に歴史を考える ロールプレーによる対話授業
- 1 薩長同盟の坂本龍馬の言葉を考える
- 2 それぞれの終戦
- 3 〈歴史的分野〉一つの追求課題から時代を大観する ~なぜ女性参政権が獲得できたか~
- 4 〈公民的分野〉法的見方・考え方を培う公民の授業 「ちがいのちがい」から「平等権」に対する見方考え方を培う
- 5 〈公民的分野〉「公正」と「効率」 橋下市政を「公正」と「効率」の観点から検証する
- 1 二つの事例から「公正」と「効率」を考える
- 〈事例1〉父親が転勤することになった!
- 〈事例2〉市立総合病院が財政難で診療休止に
- 2 橋下市政を「公正」「効率」の観点から検証する
- おわりに
はじめに
人気番組『半沢直樹』が2013年9月,異常なほどのブームで終了した。この番組から,授業づくりで学ぶべき点も多い。友人と会うと「今日は半沢直樹だね。早く帰らなきゃ」「次の展開はどうなるのかな」などの会話になる。授業においても,「次は社会だ!今日はどんな勉強かな」と友人同士で会話があり,家庭でも話題になれば,これほどうれしいことはない。
ドラマの展開も「ドキドキ感」「ストーリーの逆転」「緊張」「感動」などの場面が満載で,ワクワク,ドキドキ感に溢れていた。放映中に,連れ合いに話しかけたら「黙って!」と静止されたこともあった(笑)。授業展開は,この演出の手法に学ぶべきではないだろうか。
また,登場人物も堺雅人さんはもちろんとして,金融庁の黒崎役の片岡さん,大和田常務役の香川さん,妻役の上戸さんなども話題になり,この番組を盛り上げていた。番組スタッフが自分の個性を生かしながら,それぞれの役割を演じる。まさに,学校の授業のあるべき姿ではないだろうか。
堺雅人さんは,10月から,別の番組である『リーガルハイ』にも出演している。『半沢直樹』とは,また違ったキャラクターを演じている。私は,「教師は演技者たるべき」と考えている。授業では,真剣に語るときもあれば,笑かすこともあり,そして怒るときも,泣くときもある。しかし,“感情”ではなく,理性的に演じることが大切だ。授業は,ある意味,“指導案”という“台本”をもとに,子どもと子ども,子どもと教師の“対話”によるドラマづくりである。
『半沢直樹』の視聴率は約50%だったが,本書では,“100%”つまり,すべての生徒が生き生きと目が輝く授業の「極意」について紹介したいと考えている。
2013年10月 /河原 和之
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