- はじめに
- 1章 佐藤幸司流道徳授業10の極意
- 1 本音で語れ
- 2 内容項目にとらわれるな
- 3 気持ちを直接問うな
- 4 行為のわけを問う
- 5 資料から離れるな
- 6 経験を語る
- 7 悩みなどないほうがいい
- 8 「選ぶ」から「つくる」へ
- 9 解釈コードを意識せよ
- 10 学級の雰囲気で実感せよ
- コラム 道徳と私
- 2章 子供が夢中になる教材開発8の極意
- 1 授業づくりの三工程
- 2 資料への加工
- 3 教材への加工
- 4 新聞記事活用のワザ
- 5 写真・映像資料活用のワザ
- 6 始まりは1枚の写真
- 7 身近なところにネタがある
- 8 お願い作戦
- 3章 子供の予想を超える授業展開8の極意
- 1 「価値への方向付け」に縛られるな
- 2 先が読めないからおもしろい
- 3 写真提示は遠景から近景へ
- 4 席を譲らない人もいる
- 5 あの人の卒業文集
- 6 アホウドリは復活した
- 7 大臣の涙
- 8 歌で終わる授業もいい
- コラム ギターと私
- 4章 子供の思考を深める発問と板書8の極意
- 1 矛盾をつく
- 2 どう思うか
- 3 理由を聞く
- 4 全員の発言を板書する
- 5 伝えるだけでいい授業がある
- 6 意見をつなぐ
- 7 発問がいらなくなる授業
- 8 板書計画は臨機応変に
- 5章 知って得する大ワザ・小ワザ10選
- 1 資料保管には「賞状ホルダー」を
- 2 資料の裏には粘着マグネット
- 3 資料提示は重力を利用
- 4 黙って板書する
- 5 リクエスト方式
- 6 とりあえず認める
- 7 選択クイズで集中させる
- 8 心を込めて塗り絵
- 9 落としどころを定める
- 10 読み物資料から読書へ
- 6章 道徳授業10の疑問 〜スペシャリストはこう考える〜
- 1 読み物資料
- 2 導入
- 3 自己を見つめる場面
- 4 終末の在り方
- 5 年間計画
- 6 国語と道徳の違い
- 7 絵本を使った授業
- 8 教え込み
- 9 最後の授業
- 10 目標をどう書くか
- 7章 特別教科道徳5つの質問
- 1 授業はどう変わるのか
- 2 教科書はどうなるのか
- 3 いじめ問題は解決できるのか
- 4 評価はどうなるのか
- 5 本当に教科化でいいのか
- おわりに
はじめに
皆さん,こんにちは。
佐藤幸司です。
今回,私は,わかりやすい道徳の本を書きたいと思いました。
とかく,道徳を語るときの言葉には,難しいものが多すぎます。
道徳的心情,道徳的判断力,道徳的実践力,道徳的価値の内面的自覚,補充・進化・統合,……。
挙げればきりがありません。
これらの言葉は,「道徳の時間とは何か?」を説明するときに,よく用いられます。説明とは,その内容をわかりやすく述べることをいいます。それなのに,説明に用いる言葉自体が難しいのでは,読み手は,ますます混乱してしまいます。
道徳の時間とは,何なのでしょうか。
それは,心をどう使うかを勉強する時間です。
読み物資料を読んで,登場人物の言動について考える授業もあります。
写真やポスターを使って,そのメッセージを受け止める授業もあります。
今を生きる人から,よりよく生きる指針を学ぶ授業もあります。
そして,ほんの短い言葉をきっかけとして,自分たちの経験を語り合う授業もあります。
授業で使われる資料・発問や指示・展開の仕方は,多様であるべきです。
「道徳の授業では,こうしなければならない」
などという縛りは,もともとありません。
多様で,柔軟な考え方が認められる道徳授業の中で,子供たちは,〈心の使い方〉を学んでいきます。
「人間って,いいな」
「生きていくって,すばらしいな」
そんな思いを抱かせてくれるのが,道徳の時間なのです。
本書は,全7章59項目で構成されています。
1章 佐藤幸司流 道徳授業10の極意
2章 子供が夢中になる教材開発8の極意
3章 子供の予想を超える授業展開8の極意
4章 子供の思考を深める発問と板書8の極意
5章 知って得する大ワザ・小ワザ10選
6章 道徳授業10の疑問〜スペシャリストはこう考える〜
7章 特別教科道徳 5つの質問
わかりやすい本であるためには,その内容が具体的でなければなりません。
具体的な授業実践にもとづく主張であること―。
それが,教育書が具体的であるための必須条件になります。本書では,59すべての項目において,授業実践例にもとづく主張が展開されています。
お読みいただけば,これまで道徳授業を億劫に感じていた先生方にも,
「こういう道徳なら,やってみたい」
という思いをもっていただけるはずです。
道徳授業ができるのは,私たち教師だけなのです。
道徳授業が注目を集めている今だからこそ,教室現場から,子供の心に響く本物の道徳授業を創出していきましょう。
本書が,子供たちの幸せにつながる道徳授業づくりのお役に立てれば幸いです。
2014年7月 /佐藤 幸司
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- 明治図書
- 道徳のプロフェッショナルの考えと実践が具体的によく分かります。2024/8/1940代・小学校管理職
- 道徳授業についての理解が深まりました。2017/2/530代・小学校教員
- 書店で見ていて、「これは見るだけではもったいない。」と思い購入した。道徳で悩んでいるものにとって、明日から取り組んでみよう!道徳の時間が楽しみになる!という内容がちりばめられている。そんな道徳に対してドキドキとなる内容である。2016/2/2230代・小学校教諭
- 期待していたすぐに自分の学級で使えるという内容の本ではありませんでした。こんな考え方もあるのだな・・・と参考にはなりましたので、もちろん読んでよかったですが。2015/11/21ママ教諭