- まえがき
- 第1章 なぜ,アクティブ・ラーニングなのか?
- 1 アクティブ・ラーニングってなに?
- 2 20年後,30年後の社会をイメージしましょう!
- 第2章 大学教育改革から義務教育改革へ
- 1 試験制度の変化
- 2 新しい試験のポイント
- 3 小学校,中学校も逃げられません
- 4 大学はどうするか?
- 第3章 スーパーグローバル大学が学校制度を変える
- 1 学校英語の意味・価値が激変!
- 2 英語教師,その他の教師も大変
- 3 なぜ,グローバル化を急ぐのか?
- 4 だからこそアクティブ・ラーニング
- 第4章 だからこそ『学び合い』!
- 1 『学び合い』ってなに?
- 2 グローバルは交流学習から
- 3 受験は団体戦
- 4 アクティブ・ラーニングの4分類
- 5 『学び合い』の利点
- 6 今後は
- 7 読書ガイド
- あとがき
まえがき
最近,アクティブ・ラーニングという言葉を聞くようになったと思います。気になっていますよね。でも,「まあいいや」と思っているのではないでしょうか?
私ぐらいの年代の方だったら,総合的な学習の時間が入る直前・直後の状況を覚えている方も多いと思います。その頃,先生方は総合的な学習の導入に戦々恐々としていました。先進的に総合学習を実践している学校の発表会には,全国各地の先生方が集まってきました。大きな本屋では本棚1つ,2つが総合学習に埋め尽くされていました。みんな「な,何をすればいいの???」でした。
では,今はどうでしょうか?
総合的な学習の時間を銘打った研究会は激減しました。また大きな本屋でも総合的な学習の時間の本がほとんど見られません。総合的な学習の時間は今も行われています。なぜでしょうか?
多くの先生方が,「ま,そこそこのことをすればいいのね」と気づいたのです。
道徳の教科化がはじまります。では,総合的な学習の時間と同じ状況でしょうか?例えば大きな本屋で道徳本はどれだけを占めているかをみなさんはご存じでしょうか?現在,道徳関係の本で商業的に成功しているのは小学校と中学校のそれぞれ1シリーズぐらいなのです。なぜでしょうか?
多くの先生方は「ま,そこそこのことをすればいいのね。とりあえずすぐ使える単元別の具体例が豊富な本があれば十分」と思っているのです。
この予想はたいていの場合は正しいです。なぜなら,教育は日本最大の事業です。それを職業とする教師は百万人近くいます。そのような膨大な人々が関わることが右から左に動くわけありません。学習指導要領がどれだけ変わっても,「そこそこでOKの抜け道」は常に用意されています。
さて,アクティブ・ラーニングという言葉です。多くの教師は「そこそこのことをすればいいのね」と思っています。具体的には今までやっていた話し合い活動や総合的な学習を多少増やせば大丈夫だと思っています。
しかし,今回は違います。「そこそこ」ではすみません。本当だったら,大きな本屋の本棚の半分ぐらいはアクティブ・ラーニング関係の本で占められなければならないほど,重大で目前の問題なのです。
えっ?と思うと思います。
本書の前半は現実に起こっていること,そしてこれから起こることを書いています。思いっきり暗くなると思います。ビックリすると思います。しかし,大丈夫です。後半ではそれからの脱出方法をお教えします。最後まで読みきって下さい。それが生き残る唯一の道です。そして,これから起こることを逆手にとって明るい道が展望できます。
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