- はじめに
- 第1章 修学旅行、遠足、社会見学
- 子どもを伸ばす「策略」
- 行事を軽く見たら、二流教師に成り下がる
- 行事には教師の「サディスティック気分」が似合う
- しょっぱなは、子どもの「遊び気分」を叱れ
- 子どもは「3つしか覚えられない生物」と心得よ
- 自分たちは「いるだけで迷惑な存在」と自覚させよ
- 子どもには「しつこさ」で勝て
- 修学旅行はごまかしてでも褒めて終われ
- 修学旅行最後には臭く「感謝の心」を語れ
- 社会見学では「仕事の邪魔をするな」とまず、どなれ
- 第2章 体育主任必読…運動会
- 子どもを育てる「策略」
- 運動会でがんばってさえおけば体育主任の株が上がる
- 運動場には一番最初に出でよ
- 多少すっとばしても、遅れてお弁当の「恨み」をかわぬが吉
- 教師の仕事は気楽! 褒めるだけ
- 子どもの「優越感」をくすぐりまくれ
- 児童代表者には「学校の顔」とプレッシャーをかけよ
- 応援団は「名誉職」とおだてろ
- 選手リレーでは「やんちゃ君」を手なずけろ
- 組体操は高さがなくても演出で乗り切れる
- 技の「精度」は二の次でよい
- 閉会式後が本番、さらに子どもを追い込め
- 行事は「礼節」まで仕込めておいしい
- 第3章 卒業式
- 子どもを鍛える最後の「策略」
- 写真だけで保護者の「涙」を引き出せる
- 卒業式で臭く「愛」さえ語れば感動を呼べる
- 卒業式の練習は「テンポ」さえ重視すればよし
- 教室最後の学級活動ではウソでも泣け
- 子どもをうまく「成長ストーリー」にのせよ
- 5年生を卒業式で「最高学年」と自覚させよ
- 5年生は入学式を迎えて「最高学年」となる
- エピローグ ブラック遠吠え
- 時には「荒療治」だっている
- アクティブ・ラーニングより「考える隙」を与えぬ授業を
- 盛り上げたからには、制圧せよ
- 役立たずの「研究」に手を染めるな
- 誰も君の話を聞きたがってはいないと知れ
- 明石家さんまの「聞く技術」を悪用せよ
- 働き方改革? 楽して「お金」は稼げない!
- 「出る杭」になってまで打たれるな
- 教師の「教えたがり」の「性」を利用せよ
- 西野JAPAN万歳! 結果だけが全て
はじめに
わ〜い! 夏休みがやってきた。
何度も公言しているが、中村は夏休みが、好き! だ〜い好き!!
子どもたちの相手をすることもなく、心配をすることもなく、自分のために時間が使える。『ブラックシリーズ』も、全て夏休みに書いている。
やりたいことが多すぎて、毎年、夏休みは睡眠時間が減る。毎日3時間ぐらいだろうか。
それでも、心も体も、ものすごく健康だ。ストレスが全くない。夏休み、バンザ〜イ!毎年、夏休みが永遠に続くことを祈っている。
念のために言っておくが、今の私は、そこまで子どもを嫌っているわけではない。
しかし、子どもは、商売相手。ましてや、保護者は、もっと商売相手。
商売相手に気を遣わずに過ごせる夏休みは、至福の時である。これは、多くの教師たちの本音ではないだろうか? 私だけが「特殊」なのだろうか?
いや、そんなことはあるまい。私が「特殊」な存在なら、『ブラックシリーズ』は、こんなには売れなかっただろうから。
『ブラックシリーズ』の読者から届くのは、多くの「共感」の声だ。「私が言いたいことをよくぞ言ってくれた。まさに痛快!」と言ってくださる方も多い。
私は、実は、自分のことを「ブラック」だとは思っていない。野口芳宏氏や岩下修氏、野中信行氏、横藤雅人氏、多賀一郎氏、上條晴夫氏、古川光弘氏(尊敬する大実践家を挙げてみた。何冊も著書があるので、若手にはこの方々の本ぐらい読んでほしい)たち先人から学んだことを若手に伝えているだけだ。
何一つ「特殊」なことは書いていない。学級づくりの「王道」とも言えることを書いている。
ただ、私には文章力という武器がある。ユーモアという武器がある。それらの武器を生かして、ちょっとおもしろく、ちょっと意地悪く書いているだけだ。内容的には、他の実践家たちが書く本と全く違いはない。それが『ブラックシリーズ』の正体である。
こんなタネ明かしをしてしまうと、読者は興ざめかも知れない。そして、この本も売れなくなってしまうかも知れない。
それでも、もう、構わない。今まで出してきた4冊の『ブラック』は売れた。明治図書にも貢献した。もう十分だろう。
実は、今回の『ブラック』は上手く書けるか心配である。
なぜなら、今の私は、非常に恵まれた生活をしているからだ。生徒指導主任ということもあって、今年は3年生の担任である。こんなに下の学年をもつのは、20年以上ぶり。3年生の子どもたちは、かわいい。純粋に、かわいい。かわいすぎ。
中村先生のことが好きで好きで仕方ないというのが、ダイレクトに伝わってくる。愛されている実感がある。だから、学校に行くのも、楽しい。
4年前の私は、非常に厳しい現場にいた。子どもや保護者と戦う現場は、まさに戦場のようだった。だから、学校に行くのは、嫌だった。
それでも、いや、だからこそ、『ブラック学級づくり』のような本が出せたのだ。厳しい現場に勤めるのも、悪いことばかりではない。
今は、平和である。心、安らかである。こんな状態では、『ブラック』は書けない。
それでも、若手に書き残しておきたいことがある。「行事指導」だ。教師は「行事」をもっと大切にすべきだと思う。だから、今年の夏休みもがんばって『ブラック』を書くことにする。
私の「行事指導」を紹介するうえで、今回は、できるだけ「具体」にこだわった。具体的に私の指導の言葉を書いていく。言い方は悪いが、私は、
教育は、詐欺のようなものだ
と思っている。さすがに「詐欺」は、まずいか。なら、「宗教」かな。
いかに私の口車に乗せ、子どもたちや保護者を騙し、信じ込ませるか。その具体を紹介していく。う〜ん、ブラック。黒くなってきた。がんばって書けそうだ。
最後に、昔の私のような、本当に厳しい現場で戦う教師に告ぐ。
厳しい現場を生き抜くために、黒くなれ!
どんな手を使ってでも生き抜けば、必ず幸せな時がやってくる。
2018年7月28日 誕生日の早朝に 「日本一の腹黒教師」 /中村 健一
行事指導について、ストーリーを作って指導するというのは、とても共感できた。
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