- 刊行のことば
- まえがき
- T 基礎論
- 1 言語
- 2 内言と外言
- 3 言語生活
- 4 言語経験
- 5 言語要素
- 6 言語技術
- 7 言語文化
- 8 言語機能
- 9 言語と思考
- 10 言語発達
- 11 言語観
- 12 言語過程説
- 13 第二信号系理論
- 14 一般言語学
- 15 応用言語学
- 16 言語社会学
- 17 社会言語学
- 18 心理言語学/言語心理学
- 19 言語哲学
- 20 コミュニケーション理論
- 21 形象理論
- 22 解釈学
- 23 一般意味論
- 24 表現学
- 25 文芸学
- 26 物語論(ナラトロジー)
- 27 言説(英:ディスコース,仏:ディスクール)
- 28 国語教育学
- 29 読者論
- 30 認知科学
- 31 物語文法
- 32 長期記憶と短期記憶
- 33 語用論
- 34 関連性理論
- 35 テクストの言語理論
- 36 テクスト
- 37 コンテクスト
- 38 インターテクスト
- 39 ハイパーテクスト
- 40 認知言語学
- 41 生成文法
- 42 対話
- 43 構成主義と国語教育
- 44 情報科学
- 45 情報処理・生産能力
- 46 自己学習力・自己教育力
- 47 形式主義と内容主義
- 48 経験主義
- 49 能力主義
- 50 「新しい学力観」
- U 目標
- 51 一般目標
- 52 学年目標
- 53 単元目標
- 54 価値目標
- 55 行動目標
- 56 到達目標
- 57 知識
- 58 理解
- 59 態度
- 60 習熟
- 61 「生きる力」
- V 教育課程及び方法
- 62 国語科の構造
- 63 国語カリキュラム
- 64 クロス・カリキュラム
- 65 スリム化と選択学習
- 66 「表現」
- 67 「理解」
- 68 [言語事項]
- 69 言語教育
- 70 文学教育
- 71 読解指導
- 72 読書指導
- 73 作文教育
- 74 話しことばの指導
- 75 国語能力表
- 76 社会的要求
- 77 興味の中心
- 78 機能中心
- 79 言語環境づくり
- 80 ことばあそび
- 81 経験学習
- 82 系統学習
- 83 基礎学習
- 84 スキル学習
- 85 プログラム学習
- 86 とりたて指導
- 87 学習指導要領
- 88 自主編成
- 89 単元学習
- 90 年間計画
- 91 学習指導案
- 92 単元の構成
- 93 単元の展開
- 94 指導と支援
- 95 指導形態
- 96 一斉指導
- 97 グループ指導
- 98 個別指導
- 99 協同学習
- 100 個人差に応じる指導
- 101 講義法
- 102 問答法
- 103 作業法
- 104 討議法
- 105 練習法
- 106 教育話法
- 107 発問
- 108 助言
- 109 板書
- W 教材・教具
- 110 教材・学習材
- 111 資料
- 112 自主教材
- 113 国語教科書
- 114 プリマ,プレプリマ
- 115 教師用書
- 116 視聴覚機器の活用
- 117 コンピュータの活用
- 118 ノート
- 119 教材化
- 120 教材研究
- X 読むことの指導
- 121 読解・読書
- 122 物語・小説
- 123 戯曲
- 124 詩
- 125 短歌・俳句
- 126 随筆・随想
- 127 伝記
- 128 記録・報告
- 129 説明・解説
- 130 論説・評論
- 131 古典
- 132 あらすじ
- 133 要点・要旨
- 134 事実と意見
- 135 要約
- 136 書きこみ・書き出し
- 137 語り
- 138 視点
- 139 形象・表象
- 140 筋
- 141 場面
- 142 構成
- 143 叙述
- 144 人物
- 145 主題
- 146 思想
- 147 感想
- 148 文学体験
- 149 音読
- 150 朗読
- 151 群読
- 152 暗唱
- 153 素読
- 154 通読
- 155 精読
- 156 味読
- 157 速読
- 158 調べ読み
- 159 批判読み
- 160 解釈・鑑賞・批評
- 161 斉読
- 162 基本的指導過程
- 163 三層読み
- 164 一読総合法
- 165 文芸研方式
- 166 分析批評
- 167 問題意識の喚起
- 168 利用指導
- 169 学校図書館
- 170 読書会
- 171 自由読書
- 172 適書
- 173 読み聞かせ
- 174 ブックトーク
- 175 読書日記・読書記録・読書感想文
- 176 読書能力
- 177 読書実態調査
- Y 書くことの指導
- 178 課題作文
- 179 随意選題(自由作文)
- 180 コンポジション理論
- 181 プロセス・アプローチ
- 182 生活綴方
- 183 取材
- 184 構想
- 185 記述
- 186 推考(推敲)
- 187 批正
- 188 自己評価
- 189 作文の処理
- 190 文種
- 191 口頭作文
- 192 短作文
- 193 生活文
- 194 日記
- 195 手紙
- 196 感想文
- 197 意見文
- 198 説明文
- 199 メモのとり方
- 200 紹介・案内
- 201 レポート
- 202 創作
- 203 文話
- 204 文集
- 205 新聞
- Z 聞くこと・話すことの指導
- 206 聞く・話す
- 207 話題
- 208 話の組み立て
- 209 声の技巧
- 210 話す態度
- 211 あいさつ
- 212 対話・対談
- 213 問答
- 214 会議
- 215 話し合い
- 216 討論・討議・ディベート
- 217 インタビュー
- 218 独話(公話)
- 219 発表
- [ 言語事項の指導
- 220 発声・発音
- 221 音節
- 222 アクセント
- 223 イントネーション(抑揚)
- 224 ポーズ(間)
- 225 発音矯正
- 226 共通語と方言
- 227 国語と日本語
- 228 国語の特質
- 229 国語の尊重・愛護
- 230 言語感覚・語感
- 231 文章
- 232 段落
- 233 文体
- 234 レトリック
- 235 文字
- 236 ひらがな・かたかな
- 237 漢字
- 238 ローマ字
- 239 常用漢字・学年別漢字配当表
- 240 仮名づかい
- 241 送りがな
- 242 句読点
- 243 語句・語彙
- 244 語句の構成
- 245 語の意味
- 246 擬声語・擬態語(オノマトペ)
- 247 和語・漢語・外来語
- 248 慣用句
- 249 同義語・類義語・反対語
- 250 学習基本語彙
- 251 語彙調査
- 252 文法論
- 253 学校文法
- 254 体系文法・機能文法
- 255 口語文法
- 256 文語文法
- 257 形態論
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- 259 詞と辞
- 260 品詞
- 261 接続語
- 262 指示語
- 263 補助動詞
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- 266 文型
- 267 文の成分
- 268 モダリティー
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- 270 文章論
- 271 書写
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- 273 視写・聴写・暗写
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- 275 楷書・行書・草書
- \ 国語学力・評価
- 276 国語学力
- 277 基礎学力
- 278 読み書き能力
- 279 理解力
- 280 表現力
- 281 言語能力
- 282 文字力
- 283 語彙力
- 284 文法能力
- 285 読解力
- 286 作文力
- 287 学力調査
- 288 評価
- 289 到達度評価
- 290 形成的評価
- 291 テスト
- 292 面接法
- 293 観察法
- 294 診断・治療
- ] 代表的な戦後国語教育論争
- 295 言語教育と文学教育論争
- 296 生活綴方と作文教育論争
- 297 基礎学力論争
- 298 主観主義・客観主義論争
- 299 「冬景色」論争
- 300 「出口」論争
- 索引
- 執筆者一覧
まえがき
21世紀の幕が開いた。新しい世紀に希望を見いだしたいという願いは,だれしも同じである。
20世紀は,世界的な戦争の世紀であり,人類滅亡の危機さえ作り出した世紀であった。しかしながら,世界の民主化,国際化,グローバル化が進み,科学・技術が急速に進歩し,情報化が進み,物質的な豊かさに恵まれるようになった時代でもあった。と同時に,地域戦争が多発し,環境破壊が深刻化し,人間の孤立化・人間関係の希薄化が進行し,青少年の発達の歪みの顕在化等が深刻な社会問題になり,その解決は21世紀に持ち越された。
世界の変化の中で,日本の経済構造・社会構造の改革,政治の改革などと平行して教育改革の必要性が唱えられ,教育界はいま改革の渦中にある。何を,どのような方向に向けて,具体的にどう改革していくべきかについては,さまざまな主張があり,議論が闘わされている。
国語教育もまた,この改革の渦の中に置かれている。変化の激しいこれからの社会で生きていくために必要な国語力とはどのようなものなのか,子どもたちの人間性を育てるためには国語教育はどうあったらよいのか,国語教育改革の理論的・実践的模索が続いている。
とはいえ,国語教育のすべてが変わるなどということはあり得ないし,あってはならない。これまでの国語教育の中の何を不易とみ,何を流行とみるか,それ自体が大問題であるが,それを見極めつつ,新しい時代の国語教育を作り出していかなければならない。
こういう時代にあって,国語教育研究・実践の用語も,新しい用語が生まれたり,これまでとはいささか異なる内実を意味するようになったりしてきている。野地潤家先生の編になる『国語科重要用語300の基礎知識』(初版,1981)が出版されてから20年,本書も新たに書き換える必要が生じてきた。初版以来版を重ね,長年にわたって広く活用されてきたが,この20年間に国語教育の研究・実践にもかなりの変化がみられるようになり,前書では取り上げられていなかった用語が新たなキーワードとして用いられるようになったり,同じ用語であっても,研究・実践の発展に伴ってその内実が少しずつ変わってきたりしてきたからである。また,用語の選択についても,新たに考え直したほうがよいのではないかと思われるところも出てきた。
こうした気運の中で,シリーズ『重要用語300の基礎知識』を全面的に書き換え,新たに書き下ろす企画が持ちかけられた。そこで,国語教育研究・実践の動向を視野に入れつつ,これからの国語教育研究・実践にとって重要と思われる用語を厳選し,私よりも若い研究者に協力をお願いして,新版『国語科重要用語300の基礎知識』を編むことにした。本書が,前書と同様,「読まれ」「引かれ」「活用」され,これからの国語教育の研究・実践にいささかでも役立つならば幸甚である。
本書の執筆にあたっては,膨大な文献を参考にさせていただいた。各項目の末尾に参考文献を必ず挙げる方針で望んだが,スペースの関係で挙げることのできなかったものが少なくない。先学に感謝申し上げるとともに,非礼をお詫びする次第である。
本書には,不備なところや未熟な点も少なくないであろう。忌憚のないご叱正をいただいて,次の機会に改訂を図っていきたい。
限られたスペースの中で,ポイントをはずさずに,簡潔にわかりやすく書くということは,なかなかの難業である。時あたかも,私の広島大学退官,押し寄せる大学改革の波による多忙化と重なり,作業は渋滞してしまった。早々に原稿を執筆していただいた方々にはずいぶんお待たせすることになり,心苦しい限りである。多忙の中,協力を惜しまれなかった方々,辛抱強くお待ちいただいた方々に,心から感謝申し上げたい。
本書の出版にあたっては,明治図書の江部満,樋口雅子,松本幸子の三氏に格別お世話になった。渋滞しがちな仕事を,時には辛抱強く待ち続け,時には叱咤激励して,ともかくも出版にまでこぎつけてくださった。多大のご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに,厚く御礼申し上げたい。
2001年1月 編者 /大槻 和夫
この機会に復刊していただきたいです!!
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