特別支援教育 情報活用能力を育む授業づくり

特別支援教育 情報活用能力を育む授業づくり

情報活用能力を育成する授業づくり12のポイント

本書では、知的障害のある児童生徒に難しさのある「問題解決・探究における情報活用」を乗り越えるためのヒントを12のポイントとして示し、タブレットの基本操作の学び、タブレットの利点を生かし表現する手段を獲得する…など具体的な授業事例を示しました。


紙版価格: 2,090円(税込)

送料・代引手数料無料

電子版予価: 1,881円(税込)

8/21刊行予定

ISBN:
978-4-18-355726-1
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
B5判 96頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月13日

CONTENTS

もくじの詳細表示

刊行に寄せて
はじめに
第1章 知的障害のある子どもに情報活用能力を育むポイント
1 情報活用能力と学校教育,時々,情報活用能力ベーシック
/茨城大学教育学部准教授 小林祐紀先生ご寄稿
2 情報活用能力と特別支援教育
/熊本大学大学院教育学研究科教授 菊池哲平先生ご寄稿
3 情報活用能力とは
4 情報活用能力ベーシック
5 情報活用能力を育成する授業づくり12のポイント
POINT1 基本的操作を丁寧に学ぶ機会
POINT2 課題解決型・プロジェクト型の学習
POINT3 「自分のこと」としての課題設定
POINT4 明確なインプット(実体験含む)
POINT5 一元化された情報を使う
POINT6 必然性のある学習(探究の学習プロセス)
POINT7 言語化(代弁的に経験と知識をつなぐ)
POINT8 可視化(いつでも参照できる環境)
POINT9 表現の機会を設定
POINT10 視覚的即時フィードバック
POINT11 他の活用場面を設定
POINT12 自己選択・自己決定の場面設定
第2章 知的障害のある子どもに情報活用能力を育む授業実践例
1 基本的操作を丁寧に学ぶ機会 一人一人に応じた情報機器の基本的操作スキル・情報モラルの向上
2 課題解決型・プロジェクト型の学習 相手にわかりやすいような発信や伝達をする児童の育成
3 「自分のこと」としての課題設定 情報を整理して生活に生かすための「日常生活の指導」
4 明確なインプット(実体験含む) 理科の学習における情報活用能力の育成
5 一元化された情報を使う 学んだことを生かして情報発信する生徒
6 必然性のある学習(探究の学習プロセス) 情報活用能力で貫く算数の授業づくり
7 言語化(代弁的に経験と知識をつなぐ) 「整理・比較」することで見えた課題解決への道筋とその取組
8 可視化(いつでも参照できる環境) 教科のねらいに迫る「情報活用能力×職業」の授業づくり
9 表現の機会を設定 自閉症児の自ら伝える力の育成
10 視覚的即時フィードバック 自らの課題に気付き,考え,解決のために試行錯誤する力の育成
11 他の活用場面を設定 情報を収集する力を高め,言葉の意味の理解を促す国語の授業づくり
12 自己選択・自己決定の場面設定 自ら解決する力の育成
COLUMN タブレット端末と健康教育
参考文献・資料
執筆者紹介
熊本大学教育学部附属特別支援学校 教職員一覧

刊行に寄せて

 本校は,1965年(昭和40年)に附属小学校と附属中学校から独立して開校し,今年4月に59年目を迎えます。いつの時代も子どもを中心とし,「子どもの学び」を基盤として授業づくりに取り組んできたことが現在も「チームアプローチ」として本校に息づいています。

 「さわやかに 朝風吹けば〜♪」で始まる校歌を体現するかのように,毎朝「おはようございます!」と小学部1年生から高等部3年生までの子どもたちの大きな声が響き,目を輝かせ生き生きと学校生活を送る姿があります。教師は,子どもを中心に据え,子どもたちの夢や希望を語り合い,熱い思いで指導・支援する姿が常に表れています。当たり前のことかもしれませんが,心を込めて,子どもたちを最優先に行動できる教師集団であることの「ありがたさ」を痛感しているところです。

 さて,2020年度から「情報活用能力を発揮して未来社会を切り拓く知的障害のある児童生徒の育成」をテーマに,3年間研究に取り組んでまいりました。教師のICT活用指導力向上に向け研修を積み重ねたり,「情報活用能力とは何か」と立ち止まっては共通理解をしたりしました。並行してGIGAスクール構想が実現し,子どもたちはタブレットを文房具の1つとして日常的に活用するようになりました。支援を要する本校の子どもたちは,障害の状態や支援の内容等が一人一人異なるため,タブレットの活用方法についても個に応じた学習のプロセスをたどってきました。また,楽しみながら活用するため興味・関心が高まり,様々なことに挑戦しています。教科学習や日常生活の中では「個別最適な学び」が,グループでの探究的な活動等では「協働的な学び」が実現しています。

 これまでの実践を成果として本書にまとめました。本書が幅広く活用され,各所で教育支援の一助となりましたら幸いに存じます。本研究は,授業等において日々取組を継続しております。今後も多くの皆様に御意見を賜り,さらに学びを深めていく所存でございます。

 結びに,研究会等において熊本大学大学院教育学研究科の菊池哲平先生をはじめ多くの先生方に知的障害教育について御助言を賜りました。また,茨城大学教育学部の小林祐紀先生には,情報活用能力について御示唆をいただきました。

 今後も,本校にかかわってくださるすべての皆様,読者の皆様に忌憚のない御指導・御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


  2024年1月   校長 /歳田 和子

著者紹介

菊池 哲平(きくち てっぺい)著書を検索»

熊本大学大学院教育学研究科教授

小林 祐紀(こばやし ゆうき)著書を検索»

茨城大学教育学部准教授

熊本大学教育学部附属特別支援学校(くまもとだいがくきょういくがくぶふぞくとくべつしえんがっこう)著書を検索»


※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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