- まえがき
- T こんな場面にこの手だて
- 一年のスタート、授業開きの注意点は
- 「多様性」が生まれる教材を授業開きで!
- 朝のスピーチがマンネリ化したとき
- デジカメスピーチで変わる朝のスピーチ
- 「学級で話す子どもが偏ってきたなあ」というとき
- 話せる雰囲気は教師の「もう一手」から
- スピーチ練習、全員の集中がつくりにくいとき
- ヒアリング・マップを使ったペア練習を取り入れる
- 聞き手を意識して話せないとき
- お互いの意見をよく聞き合えるクラスへ
- U こんな子どもにこの手だて
- 言いたいことだけを言って、人の話を受け入れない子ども
- 「うなずき力と質問力」アップでだれでも安心して話せる!
- 話しを深められない子ども
- 生の声を教材に、深まり合う話し合いへ
- 伝えたいことがうまく伝えられない子ども
- 聞き手が質問! ダラダラスピーチ脱出作戦
- 聞き手を意識しないで話してしまう子ども
- 「話す」から「伝える」活動へ
- V こんな力を高めたい! 日常活動
- [全学年] はりのある声で生き生きと語らせたい!
- 詩の暗唱指導で声づくり
- [全学年] すべての子どもに話す機会を与えたい!
- 全員がスピーチ「朝の輝く一言!」
- [全学年] 伝えたい思いがあるときを生かし、紹介し合う力をつけたい!
- 本を返却させる前こそ、「本の紹介」をさせよう
- [低学年] 生き生きと尋ねたり応答したりする力をつけたい!
- 生活科の活動と関連させた対話活動
- [中学年] すべての子が真剣に学び合う学級をつくりたい!
- 指名なし発言とミニ対話で、すべての子が学び合う学級をつくる
- [中学年] どの子にも自分の思いを語らせたい!
- クラス劇、劇的ビフォーアフター
- W こんな力を高めたい! 一時間の授業
- [低学年] 声を出す楽しさを感じさせたい!
- 「おーい!」クイズを使って、だれでも声が出せる学級に!
- [中学年] 説明する力・質問する力を高めたい!
- 写し絵ゲームで説明力・質問力アップ!
- [中学年] 楽しい音声活動で言語感覚を養いたい!
- 「早口言葉づくり」で語彙力アップの一時間
- [中学年] 観点をもって話させたい!
- 比べて話す
- [高学年] 正確に質問したり答えたりする力をつけたい!
- 探偵ごっこで楽しく受け答え
- [高学年] 話の構成を工夫し、整合性のある「主張」を話せるようにしたい!
- ディベートにおいて整合性のある「主張」を組み立てる
- X こんな力を高めたい! 一単元の授業
- [低学年] 声を出す楽しさを味わわせたい!
- 「ここ(心)から(体)」から始める音読授業
- [中学年] 相手の話を踏まえて質問したりコメントを言ったりする力をつけたい!
- 「鉛筆対談」「モデルビデオ」で、インタビューのポイントをつかませよう
- [中学年]グループで話し合う力を高めたい!
- 帯単元「話し合い名人になろう」
- [中学年] 伝え合う力を伸ばしたい!
- 聞き手参加型の語りをつくる
- [中・高学年] 筋道立てて説明する力をはぐくみたい!
- 「わかりにくい説明」を切り口に!
- [高学年] 対話活動を、一人一人の読みの広がり深まりへつなげたい!
- レコーダー(聞き取り対話)法を取り入れ、個の読みへ
まえがき
新学習指導要領では、全教科を通じて「言語活動の充実」を図ることに力点が置かれました。とりわけ、各教科における言語活動の中心は「話す」「話し合う」活動です。言うまでもなく、国語科の担う役割は一層大きくなるでしょう。
学級のすべての子どもが生き生きと語り、学級のすべての子どもが生き生きと聞き合う……教師ならばだれでもそんな教室を夢見るのではないでしょうか。私も夢を追い求めている一人の教師です。
しかし、現実には、一部の子どもだけの発言が繰り返され、自分は「聞き役」とばかりに決め込んでじっと座り込んでいるあの子。ノートに書いてあることだけを棒読みして、聞き手に伝わったかどうかなどおかまいなく、ことりと座ってしまうあの子。
すべての子どもに自分の言葉で、自分の思いを自分の考えを、話させたい。
本書は、そんな思いに応えられるように、具体的な場面、具体的な子どもの姿を想定して作られています。全国各地の十八人の先生方から集められた、二十七の知恵。場面に応じた手だて、子どもに応じた手だて、日常の活動の中で使える手だて、一時間授業を構成する手だて、一単元を構成する手だて。いずれにしても、子どもたちを鍛えたい、子どもたちの話す意欲を引き出したいという気概に満ちたものばかりです。読者の皆様の「あの日のあの場面」「あの日のあの子の姿」が本書をきっかけに転換することを願っています。
さて、話すことの指導と一口に言っても、指導事項は多岐にわたります。姿勢や口形、声の大きさや速さに始まり、言葉の抑揚や強弱、間の取り方などの「音声に関する指導」。話を順序立てる、理由や事例などを挙げながら筋道を立てる、目的や意図に応じて話を構成するなど、「構成や内容及び言葉遣いに関する指導」。その他、話し合いのルールやマナー、心構えなどは、学級経営とも直接かかわる重要な指導です。
また、忘れてはならないのは「話すこと・聞くこと」と括られるように、話すことの指導は聞くことの指導と切り離せない関係にあることです。「良い聞き手が良い話し手を育てる」とも言われます。つまり、聞くことの指導事項をも視野に入れる必要があるのです。
二十七の知恵は、話すことの指導に関する幅の広がりをカバーしています。授業のネタ本としてはもちろん、授業作りのヒントとして活用していただければ幸いです。
今回、この本をまとめる役割を頂き、私自身が大変貴重な経験をすることができました。短期間に続々と集まる先輩方、仲間たちの原稿からは、大きなエネルギーを感じ、たくさんの刺激を受けることができました。
少ない時間の中、粘り強く完成まで見守り、たくさんのご示唆を与えてくださった樋口編集長には、心より感謝申し上げます。
/岩崎 直哉
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- 明治図書
- 「話し方がうまい…」の表題に惹かれて購入したが,思っていた内容と違っていたので,活用できなかった。2015/5/3まんた